オンラインコミュニケーションの課題点。解決するポイントや工夫事例を解説
公開日:2022/06/02
近年ではリモートワークを導入する企業が増えており、オンラインコミュニケーションが重要視されています。しかし、オンラインでのコミュニケーションがスムーズに行えず困っている企業は多いのではないでしょうか。
今回は、オンラインコミュニケーションのよくある課題から解決ポイント、工夫事例まで解説していきます。
目次
オンラインコミュニケーションの意味
オンラインコミュニケーションは「インターネットを介して行うコミュニケーション」という意味です。パソコンやスマホといった媒体から、ビデオやチャットなど、さまざまなツールを使用したコミュニケーション方法があります。
ここからは、オンラインコミュニケーションの種類や形式について、それぞれ解説していきます。
オンラインコミュニケーションの種類
オンラインコミュニケーションは、テキスト・ボイス・ビデオの3つに分類できます。ここでは、それぞれの特徴について解説します。
テキストコミュニケーション
テキストコミュニケーションはメールやチャットなど、文章でやり取りするスタイルです。相手の仕事を中断させる心配がなく、手軽で使いやすいという特徴があります。
昔はメールが連絡ツールの主流となっていたものの、近年ではチャットや社内SNSを導入する企業が増えてきました。連絡事項を伝えたい個人やメンバーに向け、簡単にメッセージを一斉送信できる便利なツールです。
また、共通のツールを導入している企業同士であれば、チャットを使用したやり取りも手軽にできます。メッセージ内容を履歴として残せるため、「言った」「言わない」や「聞いた」「聞いてない」といったトラブル防止にもなるでしょう。
ボイスコミュニケーション
ボイスコミュニケーションは、電話やアプリなどの通話機能を使い、会話できるスタイルです。職場では電話連絡が多いため、使い慣れている人も多いでしょう。
緊急性の高い連絡、文章で伝えにくい内容の場合、ボイスコミュニケーションで直接話すのが最適です。業務の遅れを防ぐためにも、早急に返事が欲しい時には電話の利用を推奨します。
ビデオコミュニケーション
ビデオコミュニケーションは、テレビ電話やアプリなどのツールを利用し、音声・動画でやり取りするスタイルです。お互いの顔を見ながら画面越しに話せるため、相手の表情や状況が分かりやすく、コミュニケーションが取りやすいのが特徴となります。
Webカメラやパソコン・スマホを使い、1対1だけでなく複数人でのWeb会議を行うことも可能です。ビデオコミュニケーションなら相手が遠隔地域に居ても、場所に関係なくオンライン面接や会議が行えます。
近年ではリモートワークが増えているため、今後もオンライン面接を導入する企業は増え続けていくでしょう。
オンラインコミュニケーションの形式
オンラインコミュニケーションは、公開型と非公開型、同期型と非同期型という形式に分類できます。
公開型・非公開型
公開型は組織内のメンバーであれば、誰でもメッセージの内容を確認できるコミュニケーション形式です。社内コミュニケーションで多く使用されているスタイルとなります。
非公開型は組織内の限られたメンバーのみ、送られたメッセージを確認することが可能です。チーム別に連絡を取りたい場合、または業務連絡を一斉送信する際に利用されています。
同期型・非同期型
同期型とは相手と同じタイミングや時間に、連絡を取り合うコミュニケーション形式です。バーチャルオフィスやWeb会議、オンライン通話が該当します。複数の相手と同じ時間を共有し、コミュニケーションを取ることが可能です。
非同期型は、相手と異なるタイミングや時間に連絡し合うコミュニケーション形式です。たとえば掲示板やグループチャット、メール、個別チャットなどが該当します。個人だけでなく、複数人の相手と異なる時間にコミュニケーションが取れるため大変便利です。
オンラインコミュニケーションが重要になった理由
ここでは、オンラインコミュニケーションが重要になってきた理由について解説します。
働き方の多様化
働き方改革によりリモートワークを導入する企業が増え、オンラインでのコミュニケーションが注目されるようになりました。リモートワークはオフィスへの出社が不要なため、移動時間や交通費などのコスト削減が可能です。
また、仕事の生産性や業務効率の向上といった事例も確認されています。働き方の多様化により、オンラインコミュニケーションは企業にとって欠かせないものとなるでしょう。
コロナウイルスの蔓延
働き方改革に続いてコロナウイルスの蔓延が原因となり、会議や説明会などもオンライン上で行う企業が急速に増えています。さまざまな企業がオンラインコミュニケーションツールの導入を開始し、コロナウイルス感染拡大防止に取り組みました。
コロナ禍がきっかけとなり、多くの企業で全員出社する必要性に関しての見直しが行われています。
コミュニケーション方法の多様化
コミュニケーション方法の多様化により、さまざまなツールを上手く使い分ける必要が出てきました。IT企業が中心となり、コミュニケーション方法をチャットやSNSに切り替え、固定電話を置かない会社が増えているのが現状です。
コミュニケーションツールの種類も増加し、年々その機能は進化しています。さらにコミュニケーションツールを提供するサービスが増え、導入する企業が増えていくことが予測できます。今後、業務効率化に向けてツールの導入が必須となるのは間違いないでしょう。
オンラインコミュニケーションのよくある課題
オンラインコミュニケーションでは、リアルと異なる課題が発生します。ここでは、オンラインコミュニケーション特有の課題について解説します。
テキストのみでは真意が伝わりにくい
テキストのみのコミュニケーションでは、人により捉え方が異なるため真意が伝わりにくく、誤解を生じやすいのがデメリットです。そのため、テキストを使ったコミュニケーションは、相手に正しい情報や真意を伝えるための言語化力や文章力が必要となります。
対面では直接やり取りできるため、ある程度の伝達ミスは防げるものの、テキストだけで相手の真意を読み取るのは困難です。
相手の気持ちに配慮し、一言追加して伝えたり褒めてから指摘したりするなど、誤解を防ぐための工夫も今後の課題となるでしょう。
感情、雰囲気が伝わりにくい
テキストやボイスでは、相手に感情や雰囲気が伝わりにくいことから「怒られた」「怖い」など、事実と異なる印象を与える可能性があります。複数のメンバーに向けて同じ内容の文章を送ったとしても、人によって受け取り方に相違が生じやすいため工夫が必要です。
ビデオ通話を活用すればリアルに近いコミュニケーションが取れるものの、従業員全員にツールの使い方を覚えさせる手間が発生します。慣れるまではカメラや音声の調整が難しく、ストレスを感じやすい点も大きな課題です。
ネット環境でコミュニケーションの質が低くなりやすい
Web会議やセミナーなど多人数が集まる場合、コミュニケーションの質がネット環境により左右されやすくなります。使用中のデバイスによる不都合の発生、劣悪なネット環境で回線の接続が切れるといったケースは珍しくありません。
重要な会議では、ネット回線の接続が切れてしまったメンバーが戻るのを待つ必要があります。そのため、テンポの悪さを感じる人は多いかもしれません。また「自分や相手の音声が聞こえない」といったトラブルが起こりやすい点も、オンラインコミュニケーションにおける課題といえるでしょう。
オンラインコミュニケーションをスムーズに行うポイント
オンラインでは、なるべく円滑にコミュニケーションを行うことが重要です。ここでは、オンラインコミュニケーションをスムーズに行うためのポイントを解説します。
自社にあったオンラインツールを選定する
オンラインツールにはさまざまな種類があるものの、自社にあったサービスを選ぶことが大切です。以下は、多くの企業で導入されているツールとなります。
ビジネスチャット
企業向けに開発されたチャットツールです。メッセージの送受信やファイル共有だけでなく、グループトークや音声・ビデオ通話などの機能も搭載されています。基本的に絵文字が使えるため、柔軟なコミュニケーションが取りやすい点が特徴です。
企業に選ばれている人気のツールは「Chatwork(チャットワーク)」「Slack(スラック)」「LINE
WORKS(ラインワークス)」などが代表的です。それぞれ無料で始められるため、一度導入し試した後で選ぶといいでしょう。
社内SNS
社内で利用するための企業向けSNSツールです。メッセージの送受信はもちろん、タイムライン投稿やファイル共有管理といった機能も搭載されています。「NotePM(ノートピーエム)」「Talknote(トークノート)」「Yammer(ヤマー)」といったサービスが有名です。
コミュニケーション不足により「最近生産性が落ちてきた」と感じている企業は、導入を推奨します。
ビデオ会議
インターネットを介してビデオ会議が行えるツールです。多くの企業で利用されている「Zoom(ズーム)」や「Google
meet(グーグル・ミート)」が代表的なサービスといえます。
お互いの顔を見ながら、対面に近い状態でコミュニケーションを図ることができるため、さまざまな企業が導入を開始しています。参加者の表情や反応が見られるだけでなく、Zoomのブレイクアウトルームを使用すれば、数人のグループに分けての話し合いも可能です。
タスク管理
業務マネジメントの効率化を図るために開発されたツールです。仕事では「期日のある業務」を複数抱えることが多いため、企業は従業員のタスク管理を行う必要があります。
タスク管理ツールの代表的なサービスには「Asana(アサナ)」「Backlog(バックログ)」「Group Task(グループタスク)」などがあります。
他にも多数のサービスが存在するものの、基本的に無料プランが用意されているため、試しながら自社にあったツールを見つけるといいでしょう。
雑談を含むコミュニケーションの機会を多く作る
オンラインでは意識的に雑談を多く取り入れ、コミュニケーションの機会を増やすのがポイントです。特に、ボイスやビデオでコミュニケーションを取る場合、本題に入る前に雑談タイムを設けましょう。
会議やセミナーの開始前に行われるアイスブレイクと同じく、相手の緊張をほぐして和やかな雰囲気にする効果が期待できます。ミーティング前に、最近起きた出来事を話すようにすると場の雰囲気が柔らかくなり、コミュニケーションしやすくなるでしょう。
能動的に動ける仕組みの構築
コミュニケーション不足を放置すると人間関係が険悪化し、能動的に動くための意欲低下につながります。そのため、企業にとってコミュニケーションツールの導入は必須です。
以下は、従業員たちが能動的に動く仕組み作りに欠かせないポイントとなります。
- 業務開始前に朝会を行い情報を共有する
- 充分な休憩時間を設ける
リモートワークにおいても、朝会を行っている企業は少なくありません。朝会で情報共有を行っておくと、タスクの進捗具合や状況が把握しやすくなります。
在宅勤務では「休憩時間が取りにくい」という声が多く挙がっているのが現状です。タスクに追われて充分な休憩が取れずにいると、モチベーションが下がるため能動的な行動ができません。そのため、なるべく休憩時間は具体的に定めておきましょう。
ツールを導入し、コミュニケーションをスムーズに行うことにより、能動的に動くための仕組みを構築できます。
オンラインコミュニケーションにおける工夫事例
ここではオンラインコミュニケーションにおいて、実際に行われている3つの工夫事例について解説します。
1on1ミーティング
某企業の子会社では、コロナ禍の前にテレワークを導入しており、現在は仕事できる場所の制限を撤廃しています。以前は、仕事場所を「自宅のみ」とし「リモートは週3日まで」「申請は2週間前まで」といった制限を設けていました。
その後、リモートの日数による利用制限はなくなり、メールで前日までに上司へ申請すると許可が取れるようになっています。テレワークの導入により、場所に縛られない柔軟な働き方を実現させているといえるでしょう。
ツールによる業務の見える化
某企業では、従業員の勤務状態が可視化できるツールを導入し、働き方のフォローを行っています。従業員が「監視されている」といった印象を受けないように「コミュニケーションツール」と位置づけ、コミュニケーションの活性化につなげました。
「ひとことコメント」機能を雑談感覚で活用し、社内コミュニケーションとしても役立てています。また、ツールの導入によって勤務状態や進捗状況を見える化し、業務の遅れに対し早めの対策を行っている点にも注目です。
まとめ
近年、働き方改革やコロナ禍の影響からリモートワークが急速に増え、企業にとってオンラインコミュニケーションは必須となりました。オンラインコミュニケーションの課題はあるものの、業務効率の向上やコスト削減など、導入するメリットの方が大きいといえます。
今後オフィスワークにおいても、オンラインコミュニケーションのツールは欠かせません。オンラインコミュニケーションの工夫事例を参考に、課題と向き合いつつスムーズにやり取りできる環境を手に入れましょう。
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