マイナンバーカードの役割を解説。知っておきたいメリット・デメリットと将来性

マイナンバーカードの役割を解説。知っておきたいメリット・デメリットと将来性

公開日:2023/3/8

マイナンバーカードは、身分証明書の代わりとして使用できるといった知識を持つ人も多いでしょう。しかし、明確なメリットやデメリットがわからず取得できていないというケースもあるのではないでしょうか。

本記事では、マイナンバーカードがどういったものなのか、何がメリットでデメリットなのかについて解説していきます。

マイナンバーカードでできること

ここからは、マイナンバーカードでできることについて解説していきます。ライブ会場の入場や行政のオンラインサービスの使用、区役所まで行かなくても住民票や印鑑登録証明書を取得することも可能です。

マイナンバーカードは、行政手続きの個別管理ができるように国民一人一人に割り振られたマイナンバーが記載されたカードです。次のような情報が掲載されています。

・氏名、性別
・住所
・顔写真

また、マイナンバーカードにはICチップが埋め込まれていることから、次のような書類を発行することが可能です。

・利用者証明用電子証明書(コンビニ交付サービスやマイナポータルへのログイン)
・署名用電子証明書(電子申請やオンラインバンクの登録など)

公的書類の取得がコンビニで可能

コンビニ交付サービスが利用できれば住民票や印鑑登録証明書などは市役所に行かなくても発行することが可能です。ただし、自治体によって利用できない可能性もある点は知っておきましょう。

個人の証明書類として使用できる

マイナンバーカードを使用することによって免許証などの代わりに個人の証明書類として使用できます。口座開設やライブ会場の入場などでも使用できます。

マイナンバーの提出が必須とされる手続きにおいては、身分証明書とマイナンバーの両方をマイナンバーカードのみで提示できるため、書類を準備する手間が削減可能です。

行政手続きをオンラインでできる

マイナンバーカードを保有していることでマイナポータルを利用することが可能です。オンライン上で次のような行政手続きができます。

・出産育児一時金
・婚姻の届出
・一時保育や一時預かり

自治体によっては数十件の手続きが可能となっています。

保険証利用が可能

マイナンバーカードはマイナポータルに申請するかセブン銀行から保険証と紐づけることが可能です。診察の際に、保険証を使用しなくてもマイナンバーカードを提出すれば手続きが完了することになります。

ただし、 2022年2月の段階では、全ての医療機関がマイナンバーカードと保険証の紐づけに対応しているわけではないため、かかりつけ医には事前に確認する必要があります。

オンラインサービスで使用できる

オンライン証券会社やオンラインバンクの口座開設にマイナンバーカードを使用することが可能です。また、各種交通系ICカードとの連携もできるように変化しつつあります。

マイナンバーカードの取得方法の流れ

ここからマイナンバーカードの取得の流れについてみていきます。基本的に1ヶ月程度の時間がかかることが多く、すぐに入手するのは不可能である点は知っておきましょう。

交付申請を行う

通知カードとマイナンバー交付申請書に記載してある申請書IDを用意した後、PCかスマホからマイナンバー カード総合サイトにアクセスしましょう。メールで認証番号を受け取り、手続きを進めていきます。

顔写真が必要となり、インターネット上で申請する場合は、顔写真のデータは次のように規定されている点に注意が必要です。

・データサイズは20キロバイトから7メガバイト
・幅、高さともに480から6000ピクセル

申請が完了した場合はメールが送られてくるため、確認しましょう。その後、1カ月程度で 交付通知書を受け取ることが可能です。

必要書類を用意し、市役所で受け取る

マイナンバーカードを受け取る際に必要になる書類は次のようになります。

・交付通知書
・通知カード
・本人確認書類(健康保険証や免許証、パスポートなど)

窓口で必要書類を提出するとマイナンバーカードが渡されます。この際に4つの暗証番号を設定することになる点は知っておきましょう。また、暗証番号を忘れた場合は市役所で初期化する必要があります。

マイナンバーカードのメリット

ここからマイナンバーカードのメリットについて見ていきましょう。身分証明書となりえることや公的書類の取得の手間が大きく省ける点などは魅力だといえます。

身分証明書として役立つ

免許証や健康保険証の代わりにマイナンバーカードを使用することが可能です。健康保険証に関しては、医療機関ごとに対応が異なっているものの、保険証の情報を紐づけられます。
また、銀行の口座開設などにも使用できるため、免許証や保険証を取り出す必要がなくなります。

そのため、マイナンバーカードの利用の幅は広いといえるでしょう。

コンビニでの公的書類取得が可能

次の書類であれば、コンビニで公的書類の取得が可能なケースが多いといえます。

・住民票の写し、住民票記載事項証明書
・印鑑登録証明書
・税金の証明書
・戸籍証明書のうち全部事項証明書、個人事項証明書
・戸籍の附票の写し

自治体によって取得できる公的書類が異なるものの、住民票の写しは多くの市町村で発行可能であるため、市役所まで行く手間を省くことが可能です。

地方自治体のサービスを受けられる

マイナポータルでは地方自治体のサービスを受けることが可能です。婚姻届や転出の手続きなどをオンライン上で行うことができるため、市役所に出向く手間を省けます。

また、各自治体で申請できる手続きの内容が異なり、自分の情報を誰が参照したのかも確認でき可能です。

マイナンバーカードのデメリット

ここからマイナンバーカードのデメリットについてみていきましょう。

盗難・紛失した際のリスクが高い

マイナンバーカードは健康保険証や免許証の代わりとして使用できます。しかし、盗難や紛失といったトラブルが起きた場合のリスクは決して低くはありません。サービスによっては、暗証番号が必要なため、利用できるサービスは制限されると想定されます。

しかし、マイナンバーカードに紐づいている情報は不正利用される可能性があります。

有効期限を守る必要がある

マイナンバーカードはどのような情報を紐付けたとしても有効期限があります。クレジットカードなどと同様に期限が切れた場合には、再発行の手続きが必要となり、マイナポータルの情報も更新しなければなりません。

金融資産との紐づけに不安がある

投資を行う場合、金融資産とマイナンバーは紐づけが義務化されています。そのため、マイナンバーカードの盗難・紛失によって金融資産の情報が把握されるといったリスクも想定されます。

また、現状では公金受取のみ口座指定となっているものの、今後は個人口座の登録が義務化される可能性もある点はデメリットです。例えば、健康保険証の情報を紐付けたうえで金融資産との紐付けもされているマイナンバーカードを紛失した場合、悪用された際の被害はこれまで以上のものになる可能性もあります。

マイナンバーカードの今後と使い勝手

今後マイナンバーカードに関しては、より多くの身分証明書との紐づけが進んでいくと想定されます。例えば、企業における健康診断の結果閲覧、ハローワークカードや運転免許証との紐づけなどは実際に予定されているマイナンバーカードの使い方の1つです。

また、現在は公的機関での利用が多いものの、民間企業との連携も進んでいくことが想定され、将来的にはポイントサービスなども連携できる可能性があります。

使い勝手に関しては、現在よりも使いやすくなっていくことが想定されます。現状では、同じサービスの利用中に何回も使用するケースも少なくありません。しかし、セキュリティの改善やフローの改善も見込まれるため、今後はより使いやすくなっていく可能性が高いといえます。

まとめ

マイナンバーカードは、将来的にあらゆる手続きや身分証明書の代わりとして使用できる可能性が高いといえます。現状でも場所によっては保険証の代わりとして使用できたり、オンラインでの行政手続きも可能です。

しかし、デメリットとしてセキュリティ面からは不安も多く、紛失・盗難のリスクは免許証や保険証を無くすよりも高いといえます。今後は、氏名や住所などがクレジットカードのように分からなくなる可能性があるものの、現時点では個人情報を詳細に把握できてしまいます。

そのため、さまざまな情報と紐づけを行ったマイナンバーカードの取り扱いには十分に気をつけなければなりません。

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