BCPとは?策定方法や効果的なポイントなどを徹底解説!

BCPとは?策定方法や効果的なポイントなどを徹底解説!

公開日:2023/4/6

事業継続に対して求められる経営者の役割は増えています。中でもBCP(事業継続計画)は、企業が直面するさまざまなリスクに備え、事業を持続させるうえで欠かせない存在です。

本記事では、BCPの基本的な概念から効果的な策定方法、ポイントまで解説します。企業経営者として危機管理やリスク対策を行うための第一歩を踏み出しましょう。

BCPとは

BCP(事業継続計画)とは自然災害や経済危機など、企業が直面するさまざまなリスクに対処し、事業を継続させるための計画です。ここでは、BCPの概要や注目される背景に加え、BCM・BCMSとの違いについても解説します。

BCPは総合的な計画を指す言葉

BCPは事業継続のための総合的な計画です。リスクに対する事前の評価や発生時の対応策、回復プロセス、事後の復旧までを網羅しています。
自然災害や経済危機、サイバー攻撃などのさまざまなリスクが発生した際に、企業活動を迅速かつ効果的に回復させ、事業の継続性を確保することが目的です。

具体的には重要業務の特定、代替施設やシステムの整備、復旧の優先順位、連絡網の確立などが含まれます。また、定期的な研修や訓練を行い、従業員を計画に順応させることも重要です。企業が潜在的なリスクに対処し、危機を乗り越えるための柱となります。

何故注目されているのか

BCPが注目されている理由は、自然災害や経済危機、サイバー攻撃など企業が直面するリスクが増加傾向にあるためです。いずれも、企業にとって重大な損失や事業停止につながる可能性があります。

また、BCPの策定は、企業が社会的責任を果たすうえでより重要視されるように変化しつつあります。従業員や取引先、顧客などの利害関係者との間には、信頼関係の構築が必要です。そして、BCPの整備によって、事業経営の安定に関する信頼の獲得が可能だといえるでしょう。

企業がグローバル化する中で、国際基準に沿った危機管理が求められているのも理由の一つです。BCPは国際基準に準拠した危機管理の一環として、企業がリスクに対処するための効果的な手段とされています。

BCMS、BCMとの違い

BCPとよく混同される言葉に「BCM(事業継続管理)」と「BCMS(事業継続管理システム)」があります。それぞれの違いを次の表にまとめました。

用語 概要
BCP
(事業継続計画)
企業がリスクに対処し、事業を継続させるための具体的な計画。
BCM
(事業継続管理)
リスクの特定・評価・管理、BCPの策定・実施を含む戦略的アプローチ。
BCMS
(事業継続管理システム)
企業がBCMを効果的に実施するためのプロセスや手順、マニュアルなどの仕組み。

BCPは計画、BCMはBCPを含む全体の管理、BCMSは管理を実施するためのシステムという関係性があります。概念は異なるものの、全て事業継続のために講じる対策となるものです。

BCP策定のメリット

BCP策定にはさまざまなメリットがありますが、ここでは特に重要な3つのメリットを解説します。メリットを理解したうえで、より効果的なBCP策定を行いましょう。

緊急時でもさまざまな対応がしやすくなる

BCP策定を行う最大のメリットは、自然災害などの緊急時においても迅速かつ効果的な対応が可能になる点です。事前にリスクへの対策を練り、関係者へ周知徹底させておくことで、突発的な事態が発生した際にも慌てずに適切な対応ができます。

また、代替施設やシステムの整備、復旧の優先順位などの明確化によって重要業務の継続が円滑に行われ、事業停止や顧客への影響を最小限に抑止できます。これにより、企業は危機的状況下でも事業の安定を維持できるでしょう。

企業の信用を高められる

社内でBCPが整備されている場合、危機管理体制を整え、国際基準に沿った取り組みができる企業だと評価されるようになります。社会的信用が高まり、新たな取引先や投資家との関係構築、顧客基盤の拡大など企業にとって有益な成果がもたらされます。

従業員や顧客などに対しても、企業は責任を持って事業を継続し、万が一の事態にも対応できるという安心感を与えることが可能です。そのため、BCPは企業の安定性を示す手段の一つともいえます。

自社の状況を把握できる

BCPの策定過程において企業の基幹事業が明確化されるため、リスクが発生した際にどの事業を優先して継続・回復させるべきか迅速に判断できます。また、BCP策定を通じて企業の強みと弱みも明確に把握できるようになるでしょう。

リスク評価や対策の検討・実施によって、自社のリソースや経営状況を包括的にすることが大切だといえます。BCPに注力することで、企業はリスクへの対策だけでなく、自社の強みを生かした戦略を展開しやすくなり、結果的に競争力の向上につながります。

BCP策定の方法

効果的なBCPを策定するためには、目的設定、リスクの洗い出し・優先順位付け、具体策の策定・改善を繰り返すといった手順が必要です。ここでは、BCP策定の方法についてみていきましょう。

目的設定

BCP策定の第一歩として、経営理念や基本方針を見直し、企業や団体の原点に立ち返って目的を明確に設定しましょう。目的設定では、「事業継続計画全体の方向性を決定し、関係者が共通の目標に向かって取り組むための基盤」を作ります。

明確な目標があれば関係者が協力しやすくなり、事業継続計画の策定・実施を効果的に進められます。また、目的の設定により、将来にわたるビジョンを描いたうえで危機管理体制の構築が可能です。

リスクの洗い出し・優先順位付け

企業や団体が危機的状況に対処するためには、リスクを明確に把握し言語化する必要があります。具体的な対策や対処方法を考える前に、どのようなリスクが起こり得るのかを洗い出しましょう。リスクの例としては次のようなものが考えられます。

・自然災害
・感染症の拡大
・サイバー攻撃
・テロ
・供給網の中断

リスクを洗い出した後は、優先順位を決定します。優先順位を決める際のポイントは、リスクの発生確率と影響の深刻度を考慮することです。企業や団体は限られたリソースを効果的に活用し、最も重要なリスクから対策できるようになります。

具体策の策定・改善を繰り返す

BCP策定においては、指揮を執るコマンドと実際に行動する担当者を明確に定める必要があります。詳細な部分まで具体的に決定すれば、緊急時にも迅速かつ適切な対応が可能です。

また、災害発生から復旧までの過程を3段階に大別し、具体的な内容を検討しましょう。「人的リソース」「施設・設備」「資金調達」「体制・指示系統」「情報」の5つの視点から考えることで、総合的かつ効果的な事業継続計画を策定できます。

さらに、BCPは一度策定しただけで終わりにせず、定期的な見直しや改善を繰り返し行い、より現実的で効果的な計画へと進化させていくことも大切です。変化する状況に対応できる強靭な組織を構築できます。

BCP策定の際のポイント

ここでは、BCP策定の際に注意すべきポイントを3つ解説します。各ポイントを理解し、効果的なBCP策定に役立てましょう。

BCPの内容は自社の実状に合わせる

BCP策定においては、自社の実状に合った内容を考慮しましょう。完璧な計画を最初から求めて細部まで策定する必要はありません。理由として、策定途中で挫折するリスクがあるだけでなく、難解すぎて実際の災害発生時に運用できなくなる恐れもあるためです。

現実的で適切な範囲のBCPを策定し、社会情勢や社内の変化に柔軟に対応できるよう、定期的な内容の見直しを行いましょう。

BCPに従う際のルールを明確にしておく

BCPが効果的に機能するためには、運用に関するルールを明確にしておくことが重要です。運用ルールには、BCPの発動基準や緊急事態発生時の連絡体制、情報共有方法などが含まれます。

ルールの明確化により、災害発生時に迅速かつ効果的な対応が可能です。また、従業員が自身の役割や責任を理解しやすくなり、組織全体として協力して対応できるようになります。

ゼロからではなくガイドラインを使用する

BCP策定において、無理にゼロから全てを考える必要はありません。実際は、内閣府の「防災情報ページ」などで公開されているガイドラインを活用しましょう。ガイドラインは専門家によって作成され、多くの企業で実際に活用されているため信頼性が高く、実用性も確保されています。

ガイドラインを参考にすることで、BCP策定の手順やポイントが把握しやすくなり、企業独自の事情に応じてカスタマイズ可能です。また、ガイドラインの活用により、策定時間の短縮やミスの防止にもつながります。

まとめ

BCPは、「企業が緊急事態に対応するための総合的な計画」のことです。策定した場合は、企業の信用向上や自社の状況把握が可能です。BCP策定の方法としては目的設定、リスクの洗い出し・優先順位付け、具体策の策定・改善を繰り返し行うなどがあります。

BCP策定の際のポイントとしては、自社の実状に合わせた内容、BCP運用ルールの明確化、ガイドラインを使用するといった点が挙げられます。ポイントを踏まえながら企業独自の効果的なBCPを策定し、緊急事態に備えましょう。

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