企業におけるガバナンスとは。重要性から強化方法まで解説

企業におけるガバナンスとは。重要性から強化方法まで解説

公開日:2023/4/7

企業においては、健全な経営を行う視点から、多くの企業がガバナンスを取り入れています。ガバナンスは、社外取締役や監査役などを設け、徹底した管理体制をとるために必要な仕組みです。

しかし、ガバナンスをどのように取り入れ、強化すべきか分からないというケースもあるのではないでしょうか。企業価値を高めるためにもガバナンスは強化していく必要があるといえます。

本記事では、企業の存続経営において重要な役割を持つガバナンスの役割、強化方法についてみていきましょう。

ガバナンスとは

企業におけるガバナンス(governance)とは、組織における不正や不祥事を未然に防ぎ企業価値を高めるための取り組みのことを指します。 考え方としては、株主や社外関係者の利益を高め、企業の価値を高めていく際にも役立つものだといえるでしょう。

英語では、統治や管理を意味する言葉となっており、地方自治体や組織の管理体制を構築する。

ビジネス上ではコーポ―レートガバナンスとして認識される

ビジネス上でガバナンスというワードを使用した場合は、コーポレートガバナンスの略称として使われるケースが多いといえます。
簡潔にいえば、コーポレートガバナンスは経営体制を監視することで、リスクを回避するための仕組みです。長期的な価値向上、透明性の確保に役立ちます。

他の概念との違い

ガバナンスには、次のように同じニュアンスで使われるワードが存在します。それぞれの意味や目的を理解し、正しく使い分けましょう。

ワード 意味
コンプライアンス 社会的な規範に従って業務を遂行するために、法令を遵守する姿勢
リスクマネジメント リスクを把握したうえで、予防の対策・体制をとる一連のプロセス
内部監査 組織内部の人が、業務の効率化や不正の防止を目的に行う監査

注目されている理由は3つ

ガバナンスが必要とされている理由は次の3つです。

1.情報の価値が向上してきていること
2.社内の情報が発覚しやすくなったこと
3.企業価値の向上につながるから

企業が抱えている顧客情報・企業秘密などの価値が向上したことで、流出してしまった場合に企業に対する深刻なリスクがあるといえます。ガバナンスを強化し「管理」を徹底する必要があるといえるでしょう。ガバナンスがしっかりと強化されることで、社会的信用の向上につながり、従業員の生産性も向上します。

企業におけるガバナンス

企業におけるガバナンスは、企業価値を高めるための体制作りを整えることを意味します。
ここでは、企業が執り行うガバナンスについてみていきましょう。

ガバナンス強化

ガバナンス強化は、企業理念や見直し・社内のルール整備などを行うことで以下のような効果を目的として実施します。

・企業価値の向上
・エンゲージメントを高める
・経済のグローバル化に応える
・企業の信用価値を高める

企業の信用価値が高まると、従業員が会社に対して愛着を持つようになります。また、外部の取引先などにも評価が広がり、新たに多くの繋がりも生まれます。ガバナンス強化によって従業員一人一人の意識が変わった場合、不祥事を防ぎ、企業の生存戦略として重要な役割を果たすといえるでしょう。

ガバナンスコード

ガバナンスコードとは、コーポレートガバナンスに関する原則的なルールのことを指します。2015年に東京証券取引所と金融庁が中心となって公表されました。基本原則は次の5つになります。

1.株主の権利・平等性の確保
2.株主以外のステークホルダーとの適切な協働
3.適切な情報開示と透明性の確保
4.取締役会等の責務
5.株主との対話

ガバナンスには、株主の権利と平等性の確保、適切な情報開示と透明性の確保、取締役会の責務など、全部で73の原則があります。また、株主以外のステークホルダーとの適切な協働、株主との適切な対話など、取引先と信頼関係を構築することが求められているといえるでしょう。

ガバナンス効果

ガバナンス強化によって改善されたことが顕在化することを「ガバナンス効果」といいます。ガバナンスに注目が集まった理由は、企業の不祥事が連鎖的に増えたことでした。
ガバナンスを強化することで取引先などの外部からの信頼を得ることができれば、さまざまな点で利益を得られます。

ガバナンスが効かない企業のデメリット

ガバナンスが効かない企業は、社会的成長が見込めない企業という見方をされる可能性もあります。ガバナンスの徹底・強化を行わない企業がどうなっていくのかをみていきましょう。

社会的信用の失墜

ガバナンスの効力が発揮されていない企業は、監視体制が整っていないため、不祥事のリスクが高まります。不正や不祥事が発覚した場合、社会的信用を失墜につながり、経営不振に陥ったり、倒産する可能性もあるでしょう。

社会情勢に対応できない

ガバナンスは多くの企業に導入されつつあり、市場競争が進む現代においてガバナンス強化は急務であるといえます。とくに、海外への進出を視野に入れている企業にとっては、ガバナンスの導入・強化は必要不可欠です。

企業統治・管理ができていなければ、企業の健全性や透明性が失われ、業務上の効率性を確保できず、社会情勢に対して柔軟な対応が難しくなります。経営の成功には、社会情勢が大きく関わるものだといえるでしょう。

ガバナンスの強化方法とは

ここからは、ガバナンスを強化する方法についてみていきましょう。

内部統制を構築・強化する

ガバナンスを強化するために重要なのは、「内部統制の構築と整備」です。内部統制の構築と整備が整っていれば、透明性のある情報の開示ができます。

健全で透明性のある企業は、社内だけでなく外部からも高い評価を得られ、仕事の幅も広がっていきます。社内でしっかりと遵守すべき規則を定め、その規則の中で業務を行えているのか監視し、指導できる体制を構築、強化していきましょう。

監査体制を作る

従業員や経営陣の不正を未然に防ぐためにも、監査体制の作成が大切です。第三者視点で監査を行える体制を整えておきましょう。

不正を防ぐだけでなく、曖昧で不透明な規則の上で行われている業務プロセスを発見することもできます。また、監査体制は身内で作るのではなく、独立性を持って客観的に評価できる組織や機関を選定することが有効です。

社内教育を実施する

ガバナンス強化には、定期的な社内教育を実施することも効果的です。ガバナンス強化は、社内外問わずガバナンスコードの方向性を浸透させる必要があります。従業員が業務を遂行する際に判断基準を明確にできれば、不透明なルールを予防することにもつながります。

また、業務フローをマニュアル化して、従業員の業務プロセスを把握できる体制を整えることも大切です。定期的にマニュアルを見返したり、ガバナンスコードを理解し直すことで、会社全体で意識を改める機会を設けましょう。

まとめ

ガバナンスとは、組織における不正や不祥事を未然に防ぎ企業価値を高めるための取り組みだといえます。企業それぞれのガバナンスを強化していくことで、継続的な成長をとげるために必要不可欠だといえます。健全性と透明性のある企業として社会的に認めてもらうためにも徹底した施策を取り入れてみましょう。

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