青色申告とは何か?特徴とポイントを分かりやすく解説
公開日:2023/5/9
確定申告には大きく分けて2つの種類があります。1つは白色申告、もう1つは青色申告です。会社員として副業を行っている場合であっても、白色申告は実施したことがあっても青色申告を行ったことがないというケースは多いといえるでしょう。
では、青色申告と白色申告の違いはどこにあり、どのようなポイントを意識して申告を行えば良いのでしょうか。
本記事では、青色申告の概要や申告の際のポイントについて詳しくみていきましょう。
青色申告とは
青色申告は確定申告の方法の1つです。白色申告でも収入を確定させ、支払わなければならない税金を明確にするのは同様であるものの、次のような違いがあります。
・65万円の特別控除が受けられる
・減価償却の特例を受けられる
・赤字の3年繰り越しが可能
では、より詳しくみていきましょう。サラリーマンでも事業所得と認められることができれば青色申告を行うことが可能です。
白色申告との違い
白色申告と青色申告の違いは、提出書類の多さ・税額・帳簿の記入方法など細かく違いがあります。例えば、提出書類だけを比較してみても、確定申告表は同様に必要であっても青色申告の方が必要書類が多く、損借対照表なども準備する必要がある点は知っておきましょう。
白色申告 | 青色申告 | |
---|---|---|
提出書類 | 収支内訳書 | 青色申告決算書、損借対照表、損益計算書など |
税額 | なし | 最大で65万円の特別控除(最低10万円) |
帳簿 | Excelなどでも作成できる簡易(単式)簿記 | 簿記借方・貸方に分ける複式簿記が必須。 簡易簿記でも可能だがその場合は、 特別控除の金額が下がってしまう |
確定申告が必要となる金額
個人事業主の場合、確定申告が必要となる金額は48万円以上です。白色申告で確定申告を行っても問題はないものの、税制の優遇措置がないため、結果として青色申告で行った方が翌年の税金は安価となります。
最高65万円の青色申告特別控除が受けられる
青色申告は帳簿付けが難しく、必要書類も多いものの、最大で65万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。最大65万円となる条件は、確定申告を行う際に必要書類を備えた上でe-taxで申し込む必要があるというものです。
また、青色申告を行う年の3月15日までに開業届及び青色申告承認申請書を管轄の税務署に送り届けなければ青色申告を行うことができません。仮に出し忘れた場合は白色申告として扱われる点に注意が必要です。
雑所得では適用できない
青色申告を行う場合は、収入の種類が事業所得として認められる必要があります。事業で得られる利益の額というよりはその人の主になる収入かどうかなどの要件がある点は知っておきましょう。
例えば、副業であっても青色申告と認められるパターンもあるため、どのような業務を行っているのかによっても認められるかどうかが異なるといえます。
節税に役立つ
個人事業主やフリーランスである限りは必ず、確定申告が必要であるものの、節税に役立つのは青色申告だといえるでしょう。特別控除だけでなく、減価償却の特例も使用できることから、経費として合算できる金額が白色申告と比較して大きくなります。
青色申告の対象
青色申告の対象となるのは次の3つのパターンです。
・事業所得
・不動産所得
・山林所得
事業所得に関しては行っている業務がどういったものなのかによって判断が異なります。届出をすでに税務署に行なっており、小売業や製造業、フリーライターやデザイナーなどを営んでいると認められる場合は問題ありません。
しかし、不動産所得の場合は明確に基準が次のように決まっている点を知っておきましょう。
・アパートの部屋数であれば10室以上
・駐車場の広さは50台以上
・戸建て物件であれば5件以上
青色申告の注意点
ここからは青色申告の注意点について詳しくみていきましょう。とくに特別控除を受けたいと思う場合は、全ての条件を満たさなければならず、足りない書類があった場合には特別控除の金額が減額されてしまいます。
条件を全て満たさなければ特別控除を受けられない
必要書類は青色申告を行う際に揃えられるものがほとんどです。そのうえで、青色申告が行える次のような条件について確認しておくことが大切だといえます。
・記帳を行っている
・事業所得や山林所得、不動産所得がある
・特別の事情がない限り青色申告の特別控除を受ける年の3月15日までに申込む
経費となる項目・控除される項目を確認しておく
経費となる項目は次のようなものが代表的です。
・地代家賃
・電気代などの光熱費
・外注工賃
・旅費交通費
・宣伝費
青色申告で控除される項目は、会社員の場合と大きく変わりません。例えば、配偶者特別控除や医療費控除、扶養控訴などは控除対象となります。
まとめ
青色申告は確定申告の方法の1つであり、白色申告と比較して税制に優遇措置があるといえるでしょう。どちらも確定申告ではあるものの、帳簿の記載方法と提出書類が異なることによって、特別控除の有無や赤字の繰越などのメリットが違ってきます。
しかし、翌年の税金の金額を少しでも抑えたいといった場合には、青色申告を行う年の3月15日までに開業届及び青色申告承認申請書を提出し、確定申告を行いましょう。
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