白色申告における経費の考え方|経費項目の代表例も解説
公開日:2023/5/24
白色申告とは確定申告の方法の1つです。白色申告を実施したいものの、経費の考え方がよくわからないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、白色申告における経費の考え方について解説します。また、青色申告との違いや経費項目の代表例もみていきましょう。
白色申告の経費の考え方
確定申告には白色申告と青色申告の2つの方法があります。白色申告は開業届けや利用申請を提出する必要がなく、事前申請なしで実施可能です。そのため、そもそも法人は対象になりません。
ここでは、白色申告に焦点を当て、経費の考え方について詳しくみていきましょう。
上限はなし
白色申告では、事業に必要な支出は経費として認められます。基本的に、経費として計上する支出には上限はありません。しかし、上限はないものの、全て経費として申告できるわけではないため注意しましょう。
経費として認められる事業関係のみ
そもそも経費とは事業に関係する支出です。プライベートで使用した場合は経費にできません。
項目 | 経費として認められるもの | 経費として認められないもの |
---|---|---|
具体例 | ・売上向上のための仕入費用 ・従業員の給料 ・事務所の家賃 ・事務所で使用する家具の購入費 ・取引先に行くための交通費 |
・プライベートでの飲食費 ・親族への小遣い ・自宅の家賃(※自宅が仕事場ではない場合) ・自宅で食事をするための家具の購入費 ・遊びに行くための宿泊費 |
また、事業の運営において妥当な支出であると認められたものに限られます。たとえば、年間売上が400万円の個人事業主が交通費として300万円を計上していた場合、妥当な支出ではなく使い過ぎであると判断されます。
仮に、妥当ではないと判断された場合、支出の使い道や妥当性を調査する税務調査が入る可能性がある点を知っておきましょう。
青色申告との違い
確定申告には白色申告と青色申告の2種類があり、それぞれ提出書類の種類やメリット・デメリットが大きく異なります。
主なメリットとデメリットは次のとおりです。
種類 | メリット | デメリット |
---|---|---|
白色申告 | ・手続きが簡単 | ・青色申告のような特別控除を受けられない ・赤字の繰越が不可 |
青色申告 | ・最大65万円の特別控除がある ・3年間赤字の繰り越しが可能 ・30万円未満の固定資産を経費として計上できる |
・事前申請が必要 ・提出書類が多い |
白色申告は事前に申請する必要がありません。加えて、提出書類も少ないため、比較的簡単に手続きができます。青色申告特別控除を受けられないため、所得が増えると税負担も大きくなる点がデメリットです。
青色申告では最大65万円の特別控除を受けられます。加えて、30万円未満の固定資産や家賃、電気代なども経費として計上できる点が大きなメリットです。
青色申告の特徴や注意点について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
白色申告で経費として認められるものの代表例
白色申告で経費として計上できる支出は、事業の運営において妥当性のある支出でなければなりません。しかし、具体的にどういった費用であれば経費として計上できるのかわからないという方もいるでしょう。
白色申告の経費には通信費や交通費など約20種類の科目があります。白色申告で経費として認められるものの代表例は次のとおりです。
・通信費
・交通費
・設備費用
・地代家賃
・雑費
ここでは、それぞれの費用について詳しくみていきましょう。
通信費
事業で使用するインターネット代や電話代などの通信費は経費として計上可能です。
電話を事業用とプライベート用で兼用しているケースも多いでしょう。そういった場合、費用全体のうち、事業用に使用している電話代のみが経費に入ります。
通信費の具体例は次のとおりです。
・インターネットの回線料
・電話料金
・切手代
・はがき代
・ファックス代
通信だけでなく、郵送にかかる費用も通信費に含まれます。
交通費
事業のために利用した電車やバスなどの公共交通機関の運賃も経費に計上可能です。また、有料道路の通行料や駐車料金、宿泊費も経費に入ります。
交通費の計算について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
設備費用
事業に用いる機械・建物の修繕費や備品の購入費などの設備費用も経費として計上可能です。業者に依頼して修理した場合も修繕費になります。
備品の購入費は消耗品費として記帳します。消耗品の具体例は次のとおりです。
・文房具
・電球
・伝票
・名刺
・印鑑
・USB
ただし、消耗品費として記帳するためには、次のような条件があるため事前に知っておきましょう。
・使用可能期間が1年未満
・10万円未満の備品
10万円以上の備品は消耗品ではなく減価償却資産として扱い、減価償却の処理をしなければなりません。減価償却資産になり得る備品は次のとおりです。
・パソコン
・カメラ
・コピー機
・自動車
・建物
減価償却の計算方法や注意点などについて詳しく知りたい方は、あわせてこちらの記事をどうぞ。
地代家賃
地代家賃とは、事業で使用している事務所や店舗の賃料や使用料です。共益費や月極駐車場の利用料金なども含まれます。
自宅を事務所として使用している場合、事業で使用する割合を家事按分をし計上しなければならないため注意が必要です。
雑費
雑費とは事業用の費用で他の経費に入らないものを意味します。基本的に、勘定科目として設定しない少額の費用は雑費として計上します。
雑費として計上されるものの具体例は次のとおりです。
・各種手数料
・粗大ゴミの処分費用
・市区町村への自治会費
・クリーニング代
・引越費用
白色申告でも経費の考え方は大きく変わらない
白色申告の場合、青色申告の経費とは大きく異なるのではないかと考える人も少なくありません。しかし、経費の考え方は、青色申告の考え方とは大きく変わりません。経費には上限はなく、経費の仕訳も事業内容や規模によってさまざまです。
基本的に、事業用であれば経費として認められる点を知っておきましょう。事業内容や規模に対し、妥当な支出ではないと判断された場合、経費として認められないため注意が必要です。
税務調査が入った場合でも、収支のバランスを意識し、経費として計上した妥当性を説明できるように準備しておきましょう。
まとめ
申告できる経費には上限はないものの、事業用の費用として妥当性を認められた支出に限ります。万が一、税務調査が入り、妥当ではないと判断された場合、経費として認められないため注意が必要です。経費を考える際には、事業の規模や内容、収支のバランスを意識することが大切です。
白色申告で経費として認められるものには、通信費や交通費、設備費用、地代家賃など約20種類あります。経費の種類によっては条件が満たされない場合、計上できないケースもあります。そのため、適切な経費の額かどうかは把握しておくことが大切です。
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