開業届はどんな書類?必須となるケースを解説

公開日:2023/6/27

開業届は個人事業主になるための書類です。会社員が副業を行い、20万円以上の収入を得た場合も開業届の提出を検討することが想定されます。では、事業の売上以外で開業届が必ず必要となるケースはあるのでしょうか。

今回は、開業届の概要や提出方法、確定申告との関連性についてみていきましょう。

開業届は個人事業のための書類

開業届とは、個人事業をスタートする際に記入し、居住地の税務署に提出する書類です。開業後1ヵ月以内に提出する必要があります。

提出する際には次の項目を意識しましょう。

・白色・青色申告のどちらにするのか決定
・提出方法はe-taxか郵送、税務署に直接出向く
・利益が20万以上になる場合、確定申告が必要(年末調整を行っていても必要)

また、開業ではなく、廃業する場合も開業届も必要です。

従業員でも開業届の提出は可能

開業届に関しては、従業員として勤めていても提出が可能です。ただし、開業届を提出する場合、副業が可能となっているかどうか就業規則をよく確認してから提出しましょう。

次のような場合は事業に該当しないケースである点も把握しておくことが大切です。
・フリーマーケットアプリによる不用品の販売
・趣味程度のハンドメイド販売で収入をたまに得ている
・動画共有サイトで広告収入を得ることがある

青色申告のために必要

開業届の提出は、1ヶ月以内と決まってはいるものの、罰則はありません。しかし、青色申告承認申請書を提出した上で開業届を出していなければ、青色申告を行うことができない点は知っておきましょう。

青色申告承認申請書は、一度提出し承認されたあとは継続して青色申告の様式に合わせ書類を揃え提出する必要があります。白色申告に戻す場合は、取りやめ届出書の提出も必要です。

青色申告申告についてより詳しく知りたい方はこちらから。

開業届で記入する項目

開業届けて記入する項目は次のようなものが 代表的です。また、青色申告を行う場合は、青色申告承認申請書も合わせて提出しましょう。事業の概要なども実際の事業内容に即した内容を記載します。

項目 内容
提出先・提出日 管轄する税務署の名前、記入した提出日
納税地 住民票に記載されている住所地、一時的に済んでいる居所地、事務所・店舗の場所である事業所
氏名・生年月日・個人番号 個人番号はマイナンバーカード・通知カードに記載されている
職業・屋号 職業は必要だが、屋号はなくてもよい
届出の区分・所得の種類 開業ならレ点、新設・増設・移転・廃止の場合も含む。所得の書類は事業を選択する。不動産のみ不動産所得とする

開業届の提出によって考えたい5つのポイント

ここでは、開業届の提出によって考えたい5つのポイントについてみていきましょう。控除額の大きさだけでなく、失業手当が受けられなくなる点や事業に該当する売上(20万円以上)がある場合には確定申告の必要があるといった点にも注意が必要です。

経費の範囲が広がる

従業員のまま開業届を出した場合、企業で処理する経費と自分の事業として処理しなければならない経費に分かれます。収入に対して経費計上できるものが多ければ、多いほど課税対象額が低くなっていく点は開業届によるメリットの1つといえるでしょう。

また、青色申告が行えた場合は、最大で65万円の控除を受けることも可能です。ただし、e-taxでの申し込みや複式簿記などの条件を満たさなければなりません。

失業手当が受けられない

開業届を提出することによって、従業員が企業を退職した場合に失業手当を受けらません。仮に、失業手当を受ける場合は、廃業届を提出した上で退職する必要があります。

失業手当以上に、副業として行っていた個人事業の売上が上がっていれば、問題はありません。しかし、転職を前提に副業も行っていた場合などは廃業届が必要となります。加えて、完全に失業状態とならずに、失業手当を受け取ってしまった場合は、不正受給となってしまう点も把握しておきましょう。

損益通算ができる

確定申告では、収入を全て計算することから、 従業員の収入と個人事業主としての事業所得(収入)を損益通算することが可能です。例えば、会社員の収入が800万円であり、副業の収入がマイナス200万円だったとしましょう。

その場合は、600万円が課税所得として扱われることになります。逆に会社員の収入が800万円、副業で200万となった場合は、1000万円が課税所得となる点は知っておきましょう。

納税義務が発生する

従業員であればほとんどの場合、年末調整によって企業内で発生した経費も含めて所得税の過不足を生産しています。しかし、開業届によって個人事業主となった場合には、確定申告の必要があり、源泉徴収票を取得する手間も生じます。

開業届の提出によって、納税義務が発生し、納税を行わなかった場合には罰則を受ける点を把握しておきましょう。

手続きは税理士にも依頼できる

開業届の手続きは税理士に依頼することも可能です。屋号などは事前に決めておく必要があるものの、確定申告の相談時にまとめて依頼することで、手間を省くことが可能です。

例えば、平日に税務署に行くことが難しい場合やそもそも手続きそのものが面倒に感じられるといった場合は税理士に相談してみることを推奨します。また、青色申告への切り替えなどに関してもアドバイスを貰えるケースが多い点はメリットだといえます。

まとめ

開業届は個人事業主として活動する際に税務署に提出する書類です。会社員であっても青色申告が適用できる点や経費の範囲が広がる点はメリットだといえるでしょう。ただし、本業における失業保険が受け取れなくなる点などもふまえて慎重な届出が必要だといえます。

加えて、確定申告を行う場合は白色申告も選択肢となるため、本業と副業の収支や将来のバランスを日頃から確認しておきましょう。

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