DXで業務改善する手順は?利用したいツールについても解説。
公開日:2022/06/22
DXは企業の課題を見つけ出し、業務効率化を図ることが可能です。しかし、DXで業務効率化を図るとひとえに言っても、どのように取り組んだらよいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、DXで業務改善を進めていく手順を解説していきます。また、DX推進で導入したい業務効率化ツールについてもみていくため、参考にしてみてください。
目次
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・RPA
DXと業務効率化とは
DXと業務効率化にはどのような関係があるのでしょうか。まず、本項ではDXと業務効率化について解説していきます。
DXの意味
DXとはDigital
Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略です。デジタル技術を活用し、生活をより便利にしていく取り組みをさします。
経済産業省は以下のようにDXを定義しています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジ タル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのも
のや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
引用:産業界におけるトランスフォーメーションの推進ガイドライン(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/dx/dx_guideline.pdf
製品やサービスに限らず、デジタル化によって業務や組織などのビジネスモデルを改革していく点がポイントです。
また、DXは市場環境に対応するために必要な取り組みだといえます。近年、さまざまな新しいサービスが登場し、市場環境が大きく変化しています。
激しく変化する市場環境の中で生き残るためには、競合他社との優位性を確立することが重要です。DXで業務改善を行いサービスの品質向上を目指す必要があるでしょう。
業務効率化とは
業務効率化とは業務の「無理・無駄・ムラ」を省き、企業の生産性を高める取り組みです。例えば、以下のような観点から業務の改善を図ります。
- スケジュールは社員にとって大きな負担がないか
- 資金や人材を無駄に投下していないか
- 部署や時期に対し適切な人員配置ができているか
業務を効率化することで、業務時間や人件費・経費などのコストを削減できます。また、業務時間の見直しによって社員の残業時間や休日出勤を減らせるでしょう。
社員のワークライフバランスを実現することで、満足度や社員定着率が高まるためモチベーション向上につながります。業務の品質向上にもつながるといえるでしょう。
DXが業務効率化に与える影響
DXは業務効率化にどのような影響を与えるのでしょうか。業務時間や人的コストの削減だけではありません。ここでは、DXが業務効率化に与える3つの影響について解説していきます。
優先して解決したい課題を解決しやすくなる
DX推進では解決したい課題に優先順位をつけ、優先度の高いものからシステムを作り解決していきます。課題を全てまとめて解決しようとすると、中途半端になりかねません。1つひとつ着実に課題を解決していくことが大切です。
ひとつでも課題を解決できるシステムを作れば、未解決の問題に対し応用がききます。他の課題も既存のシステムを応用することで、解決しやすくなるでしょう。
既存の組織・システムの見直しが行える
DXは業務改善を行い、新しい事業を創ることを目的としています。そのため、企業の課題を洗い出す必要があります。
また、DXを成功に導くためには経営層の関与が必要不可欠です。経営層がDXの経営戦略や目的を明らかにし、企業全体で取り組むことが重要だからです。企業の既存組織やシステムの問題点を根本的に見直せるキッカケとなるでしょう。
データ管理が行いやすくなる
DXはデータを一元管理できる基盤の構築が可能です。そのため、会議などの議論を行う際に、部門だけでなく企業全体が同じデータを閲覧できます。
部門内でデータを管理すると、部門を超えた情報共有ができないケースがあります。他部門でも活用できる情報が共有できず、機会損失につながるでしょう。一方、DXは部門間でもデータを共有できるため機会の損失を防ぎます。
また、DXは手作業による転記入力の作業が不要です。手作業でのデータ入力が必要ないため、人為的ミスも防げるでしょう。
DXを業務効率化の手段にするためのポイント
DXを業務効率化の手段にするためにはポイントがあります。ポイントを押さえることでDXで業務効率化を図りやすくなるでしょう。
ここでは、押さえておきたい3つのポイントについてみていきます。
既存のシステムに拘り過ぎない
既存のシステムがDXの妨げになる可能性が考えられます。古くから使用されているレガシーシステムは独自のロジックが混入し複雑化しているため、開発者にしかわからない仕様になっているケースがあるでしょう。
そのため、DXを推進していく上では既存のシステムの再構築に拘らないことも大切です。
属人性の高い業務からDX化していく
特定の人材が担当している業務で、「その人にしかわからない」状態となっているものから優先的にDX化していくとよいでしょう。
属人性の高い業務は特定の人材しか把握できない状態になっているものが多く、他の人材では業務内容を再現できません。DX化することで、担当者以外の人材でも業務に対応できるようになります。
さらに、担当者はDX化した業務分の手が空くため、他業務にも着手可能です。企業内の人材不足の解消や他業務の強化にもつながります。
人間と技術ができることを改めて考える
社内の業務内容において、人間と技術ができることを分けて考えましょう。例えば、マーケティング施策のリコメンドはAIでもできます。しかし、誰にどのようなアプローチが必要なのかは人間が考え反映する必要があるでしょう。
つまり、創造性のある仕事は人間しか対応できません。そのため、人間と技術ができる業務を分類し、DX化を進めていくことが大切です。業務を分けることで、どういった技術を優先的に取り入れるべきかを判断できるでしょう。
DXで業務改善するための手順
DX推進において、業務の課題解決が業務効率化への一歩となります。課題を解決するためには、課題の洗い出しや解決方法などを慎重に検討することが重要です。
ここでは、DXで業務改善するための手順を5つの工程に分けてみていきましょう。
1.課題の検討・洗い出し
まず、業務における課題の検討・洗い出しを行い、明確化します。とくに、今すぐに解決しなければならない課題をあげましょう。例えば、以下のような課題や問題があげられます。
- 営業担当の社員が急に退職し引き継ぎが行えず、営業先の顧客情報がわからない
- 産休や育休に入っている社員が複数いるが、人材を補充しないため社員の負担が増えてしまっている
- 業務拡大における請求書作成や給与計算などの事務作業が増えてしまい、業務がまわらない
課題を洗い出し、優先順位の高いものから解決していくことが大切です。
2.課題解決方法を決定する
次に、課題の解決方法を決定します。ここでは、人材不足の課題解決に焦点をあててみていきましょう。人材不足においては、以下のような解決方法があげられます。
- 人材を補充する
- 在宅勤務をできるようにする
- 業者に頼る
3.自社内か他社を頼るか決定し、計画を立てる
自社内で解決するのか他社を頼るのかを決め、課題解決に向けて計画を立てましょう。自社内で課題解決を目指すためには、以下のような取り組みがあげられます。
- 在宅勤務をできるようにする
- 紙媒体を電子化する
- 作業の自動化を可能にするツールを導入する
在宅勤務をできるようにするためには「オフィスでできるが自宅でできない業務」を洗い出しましょう。そういった業務は、請求書や注文書など紙媒体を取り扱っているケースが多くあります。課題解決に向けて、自宅でも業務を行えるように紙媒体の電子化に取り組むとよいでしょう。
また、請求書作成や給与計算などの事務作業は自動化できるツールを利用すると、社員の負担軽減につながります。人材不足を人材で補おうとせず、デジタル技術を導入し改善するとよいでしょう。
一方、他社を頼る場合、人材をすぐに補充できるため早期に人材不足を解決できる点が魅力です。ただし、他社に依頼する際の注意点として以下の2点があげられます。
- ノウハウが残らない
- 信頼性を重要視する
他社に任せる業務は社内にノウハウが残りません。そのため、重要度の高い業務は避け、誰でもできるような業務を選択するとよいでしょう。
しかし、課題によっては請求に関する経理業務を一任するケースも考えられます。経理業務は企業の重要な機密情報を扱う部署です。機密情報を扱う部署に請け負う業者を配置する場合は、予算よりも信頼性を重要視することが大切です。
4.実際に使用しつつ完成形に近づける
課題解決に向けて実際に取り組みながら、社内環境を改善できるように進めていきましょう。また、紙文書の電子化や作業の自動化を行えるツールは多くあります。自社に適したツールを使用しながら、課題が出れば都度改善し、解決を目指しましょう。
5.定期的に見直し・改善を行う
実際に問題を解決し業務の効率化ができているのか定期的に見直す必要があります。効率化が進んでいない場合は、解決方法を模索し改善を行いましょう。
業務効率化が進んでいる場合は、状況を分析し検証します。「どんな解決方法」で「どんな効果が得られたのか」についてデータを集めることで、今後生じうる課題の解決に役立つでしょう。
DX推進は業務効率化ツールからで構わない
DX推進はシステムや事業を大きく変えられる可能性があります。しかし、重要なのはシステムや事業を変えることではなく、企業が抱えている課題の解決です。
システムや事業を大きく変えてしまうと、社員が対応できずに失敗してしまうリスクが考えられるでしょう。そのため、DX推進は小規模なツール導入から始め、プロジェクトの失敗を防ぐことが大切です。
しかし、ツールの導入のみでは目的は達成できません。どのようなツールを活用し、どう運用していくのかを協議した上で導入を検討するとよいでしょう。
ここでは、DX推進における3つの業務効率化ツールをみていきます。
RPA
RPAとはRobotic Process
Automationの略で、パソコンで行う業務や作業を自動化するツールです。繰り返しが多く、時間を要する単純作業を得意とします。
パターン化した業務の自動化によって事務作業の効率化や人的コストの削減につながるでしょう。
経費精算システム
経費精算システムは経費の精算申請や承認などの工程がデータ上で完結します。紙媒体の経費精算は書類の紛失や書き換え、情報漏洩が懸念点です。
経費精算システムはデータ上で扱うため、紛失や書き換えなど紙媒体の懸念点を解消可能です。また、データを更新したユーザー履歴を確認できるため「誰がどのように手をつけたのか」を把握できます。
BIツール
BIツールとはBusiness
Intelligenceツールの略で、大量のデータを収集・分析し、意思決定をサポートするツールです。
ヒト・モノ・カネの流れはデータとなって蓄積します。蓄積した大量のデータは収集・分析に時間と労力を必要とするため、活用されないケースが多くあるでしょう。そういった場合に、BIツールを導入することで、経営の最適化を目指せます。
例えば、以下のようにデータを分析し、業務の改善やリスク軽減を図ることが可能です。
- 利益を増やし損益を減らす方法を導出する
- 顧客の行動を把握し予測する
- 競合他社との差別化要因を特定する
- 業務の課題を発見し、対策案を策定する
まとめ
DXはデジタル技術を導入によって業務やシステムを改善し、競合他社との優位性を確立するために必要な取り組みです。しかし、業務やシステムを大きく変えるようなツールを導入してしまうと、プロジェクトの失敗につながってしまう恐れがあります。
そのため、DX化する際は解決すべき課題を洗い出し、導入するツールを選ぶことが大切です。まずは、小規模の業務効率化ツールを導入し、企業の抱える課題を解決していきましょう。
本記事を参考に、DX化の施策として業務改善化ツールの導入を検討してみてください。
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