領収書の電子化期限「2ヶ月と7営業日」について解説

領収書の電子化期限「2ヶ月と7営業日」について解説

公開日:2023/9/15

2022年1月に電子帳簿保存法が改正され、さまざまな要件が緩和されました。そのため、企業は今まで以上に経理業務の電子化を進めやすくなったので、領収書のペーパーレス化などに取り組んでいるところも多いのではないでしょうか。

電子保存が認められる要件は複数ありますが、その中のひとつに『電子化できる期間』が挙げられます。

本記事では、領収書の電子化期限“2ヶ月と7営業日”について詳しく解説します。

領収書の電子化期限は2ヶ月7営業日?

領収書の電子化期限は2ヶ月7営業日?

領収書の電子化期限は、電子帳簿保存法で定められています。元々、電子帳簿保存法では、領収書の電子化期限は3日以内と定められていました。例えば、火曜日に領収書等を受領した場合、金曜日までにデータ化し、タイムスタンプを付与する必要があったのです。しかし、火曜日であれば対応できないこともありませんが、長期休暇前の最終営業日などに領収書を受領すると、3日以内にタイムスタンプを付与することはできないため、企業としては電子保存を推進するのが難しい状態でした。

しかし、2022年1月の電子帳簿保存法改正により領収書の電子化期限が緩和され、最長2ヶ月と7営業日以内となりました。これにより、2019年改正の『3営業日以内に電子化しなければならない』という要件がさらに緩和され、リモートワークなどにも対応しやすくなったのです。

2022年の電子帳簿保存法改正により最長で『2ヶ月と7営業日以内』にデータ化し、タイムスタンプを付与すれば電子化期限の要件を満たすことができます。しかし、電子帳簿保存法は領収書の受領後、速やかに入力することを義務付けているため、あくまでも『2ヶ月と7営業日以内』という期間は最長の場合という認識に留めておくことが重要です。また、それぞれの企業で事務処理規定のサイクルが異なります。そのため、各企業に合わせて対応する必要があるでしょう。

もちろん、電子化期限『2ヶ月と7営業日以内』を満たせば領収書の電子保存が認められるわけではありません。期限のほかにも電子帳簿保存法で定められた要件をすべて満たす必要があるため、その点は注意するようにしましょう。

領収書を電子化するためのステップ

領収書を電子化するためのステップ

電子帳簿保存法改正により最長で『2ヶ月と7営業日以内』にタイムスタンプを付与すれば、電子化期限はクリアできます。しかし、領収書を電子保存するためには、それ以外の要件も満たすことが重要です。これから電子帳簿保存法に対応する企業の中には、電子化期限を把握する前に、まず何からはじめればいいのかわからない方もいるでしょう。そこで、この見出しでは、領収書を電子化するためのステップについて解説します。

経費精算システムなどのシステムを導入する

はじめに、経費精算システムを導入します。

電子帳簿保存法に従って適切に領収書を保存するためには、経費精算システムの導入が必須になります。なぜなら、領収書を電子保存するためには、紙をデータに変換し適切に保存する必要があるからです。

また、経費精算システムを導入することで、入力ミスを軽減することができたり、経費の立替が不要になったりします。さまざまなメリットによりコスト削減や業務効率化などを図ることができるため、『電子帳簿保存法に対応したい』、『経理業務の負担を軽減したい』という企業ははじめに経費精算システムの導入を検討しましょう。

試験導入を実施する

領収書を電子保存する場合、経費精算システムを導入するケースが多いです。そのため、紙で領収書を管理している場合とは、経費申請フローが大幅に変化します。例えば、申請者はお店から受け取った領収書を経理担当者にそのまま提出するのではなく、領収書をスキャンしたり、スマホで撮影したりして電子化する必要があります。また、システムによって承認や管理の仕方も大きく異なるため、まずは経費精算システムを試験的に導入するのがおすすめです。

具体的には、営業部など特定の部署のみに導入し、その範囲を段階的に広げていくのが適切です。また、試験導入で生じた疑問などをFAQとして記録することで、本格的に導入したあとに役立ちます。

一定期間は電子化書類と原本書類を併用して運用する

電子化保存に取り組みたい企業の中には、省スペースを期待されるところも多いでしょう。そのような企業では、経費精算システム導入後、すぐに紙の領収書を廃棄したいと考える人は少なくありません。しかし、従業員が経費精算システムに慣れるまでには、ある程度の時間が必要です。そのため、電子化したらすぐに領収書を廃棄するのではなく、原本と併用して管理すると安心でしょう。

電子化データと原本を併用して管理すれば、万が一従業員がタイムスタンプを付与せずに申請したり、要件の満たさない領収書が見つかったりした場合でも柔軟な対応がとれるようになります。そのため、電子化に切り替えたら一定期間は原本書類と併用して運用し、様子を見るのがおすすめです。

期限だけじゃない!電子データ保存に必要な要件とは?

期限だけじゃない!電子データ保存に必要な要件とは?

電子化期限『2ヶ月と7営業日以内』のほかにも領収書を電子保存するためには、さまざまな要件があります。具体的に満たさなければならない要件をピックアップしますので、これから領収書の電子保存を行いたい方は、ぜひ参考にしてください。

検索要件を満たす

1つ目の要件は、検索要件を満たすことです。

電子帳簿保存法の電子保存の要件を満たすためには、下記の検索機能を確保しなければなりません。

・取引金額、取引先、取引年月日等について検索できるようにしなければならない
・日付もしくは金額の範囲指定で検索できるようにしなければならない
・2つ以上の任意の記録項目を組み合わせた条件で検索できるようにしなければならない

検索要件を満たすためには、OCR処理に対応したシステムの導入が必要です。

電子計算機処理システムの概要書を備え付ける

2つ目は、電子計算機処理システムの概要書を備え付けることです。システム開発関係書類ともいわれることがあります。

具体的には、操作マニュアルを意味し、これはご自身で用意する必要はありません。システム開発会社などが提供してくれるものなので、詳細に関しては販売元に尋ねるようにしましょう。

タイムスタンプを付与する

3つ目は、タイムスタンプを付与することです。タイムスタンプは、電子データが原本であることを証明する技術のことになります。

領収書を電子化したあとに、経費精算システムにアップロードを行い、画像データにTSAからタイムスタンプが付与されます。タイムスタンプの付与機能は経費精算システムや会計システムに依存するため、システム導入の際にはその点を確認するようにしましょう。

大きさ情報や解像度、カラー画像などの要件を満たす

4つ目は、大きさ情報や解像度、カラー画像などの要件を満たすことです。これらはスキャナ保存要件の一部に含まれます。

大きさ情報や解像度、カラー画像、読み取り情報の保存、バージョン管理などさまざまな条件を満たす必要があります。例えば、領収書の場合、解像度が200dpi以上で24ビットカラー以上の画像を用意しなければなりません。しかし、書類によってはカラー画像の必要がなかったりするケースもあるため、書類ごとに適切に要件を満たす必要があります。

まとめ

今回は、領収書の電子化期限『2ヶ月と7営業日』について詳しく解説しました。電子帳簿保存法の要件は電子化期限のほかにもさまざまなものがあり、領収書を電子保存するためにはすべての要件を満たす必要があります。ご紹介した要件のほかにも満たすべき条件は複数あるので、必ず国税庁のホームページを確認しながら電子保存に対応するようにしてください。

NTTコミュニケーションズが提供するSmartGo® Stapleはスムーズに電子帳簿保存法に対応することができる経費精算システムです。電子帳簿保存法の要件を満たすためにどのように対応すればいいのかわからない方やまだ経費精算システムを導入していない企業は、資料請求やお問い合わせからサポートを受けてみてはいかがでしょうか。

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