法人プリペイドカードとは。利用するメリット・デメリットを解説

公開日:2022/06/28

キャッシュレス決済を希望する場合に、すぐに発行できて便利なのが法人プリペイドカードです。審査不要で発行できるため、今すぐ経費精算業務を効率化したい企業にも向いています。
本記事では、法人プリペイドカードについてメリット・デメリットなどを解説します。プリペイドカードの有効な使用事例も解説しますので、導入を検討している方は参考にしてください。

プリベイトカードとは

プリペイドカードは、あらかじめお金を入金(チャージ)し、利用する決済カードです。クレジットカードと同様に、商品の購入や飲食店での支払いなど幅広く利用できます。

前払いなので、チャージ分のお金しか使えません。そのため、クレジットカードのように「うっかり使いすぎた」という事態が起きずに安心です。審査不要で発行できる点も利点といえるでしょう。

プリベイトカードの種類

プリペイドカードは大きく分けて2種類あります。

  • チャージ型
  • 使い切り型

チャージ型のカードにはSuicaやWAONなどがあり、何度も繰り返しお金を入金できます。同じカードに繰り返しチャージできるため、使い切ったカードを破棄する必要はありません。

使い切り型は図書カードやQUOカードなど、あらかじめ合計金額が決まっており、使用するたびに残高は減っていくのが特徴です。使い切ったカードを再利用することはできません。

経費精算でプリベイトカードを使用するメリット

プリペイドカードを利用すると、経費精算の効率化が図れます。審査がなく前払い式というのがプリペイドカードの特徴です。ここでは、プリペイドカードを利用するメリットについてみていきましょう。

経費精算が楽になる

プリペイドカードを導入すると、経費精算のたびに小口現金をやりとりする手間が省けます。

例えば次の点を簡単に管理できるのが特徴です。

  • チャージ金額
  • 利用額
  • 残金
  • いつどこで誰が何を購入したか

キャッシュレス決済の場合、現金の持ち歩きや建て替え、小口現金による毎回の経費精算と言った手間を削減できます。経費精算の自動化・効率化を考えている場合、プリペイドカードの導入は効果的といえるでしょう。

前払い式であるため従業員負担が少なくなる

プリペイドカードは前払い式です。そのため、現金による経費精算のように、従業員が自腹で現金を立て替える必要がありません。

前払い式であるためチャージ額以上の利用はできません。利用内容がリアルタイムで把握できるものを利用すれば、従業員の不正使用防止にもつながります。

審査がない

法人用のクレジットカードを発行する場合、いくつかの審査が必要になります。そのため、創業後間もない場合や赤字が続いている場合などは、クレジットカードの発行が困難なこともあるでしょう。

多くの場合、プリペイドカードは審査不要で発行できます。そのため、キャッシュレス決済がしたいけれどクレジットカードの発行ができない企業にとっては、手軽に利用できるといえるでしょう。

経費精算でプリベイトカードを使用するデメリット

プリペイドカードの場合、一度お金をチャージすると戻ってこない点はデメリットです。それ以外にもクレジットカードと比較した場合に不便と感じる点があります。ここでは、経費精算でプリペイドカードを使用する場合のデメリットについてみていきましょう。

チャージ金額の返金はできない

プリペイドカードは前払い式なので先にお金を支払わなければなりません。後になって、不要であることが判明した場合でも、チャージした金額は返金できないため注意が必要です。

幅広く利用できるプリペイドカードを利用する、必要以上のチャージをしない、などの対応が欠かせません。

ポイントの還元などの仕組みはない

法人用クレジットカードには、ポイント還元サービスのある場合が少なくありません。一方、プリペイドカードの場合、同様のサービスは少ないため注意が必要です。

カードの利用回数が多い場合は、ポイント還元サービスが付帯したものを探すとよいでしょう。ただし、ポイントサービスがあるものの、手数料が掛かり結局お得とは言い切れない場合もあるため、総合的な判断が欠かせません。

手数料などのコストがある

法人プリペイドカードは、年会費をはじめさまざまな手数料がかかる場合があります。年会費のように毎年必ずかかるものは、負担となるため注意が必要です。事前に必要な手数料を把握しておきましょう。

主なものは次のとおりです。

  • 年会費
  • 発行手数料
  • チャージ手数料
  • 決済手数料
  • 発想手数料
  • 払戻手数料
  • カードの再発行手数料

プリベイトカードを選定する3つのポイント

プリペイドカードはさまざまな会社が出しています。何を基準に選定すればよいか迷うことは少なくありません。ここでは、選定のために必要な3つのポイントを解説します。

利便性の高さ

プリペイドカードには図書カードのように、使用目的が限られているものもあるため注意が必要です。幅広く利用できるものを選べば、使用用途が広がります。ただし、店舗やサービスによってはプリペイドカードが利用できない場合もあります。事前に、目的の店舗やサービスでプリペイドカードが利用できるかどうか調査が欠かせません。

例えば、主に移動手段に利用したい場合はSuicaを選択するなど、使用目的に合わせ利便性の高いものを選択します。

カードにより、チャージできる金額には大きな幅があります。自社の目的に相応しい金額がチャージできるカードを選びましょう。

費用対効果

プリペイドカードの中には、年会費・発行手数料・チャージ手数料を始めとした諸費用がかかるものが少なくありません。特に、毎年支払わなければならない年会費や都度費用がかかるチャージ手数料などに注意しましょう。費用対効果がどの程度あるのか事前に見積もっていくことが大切です。

管理のしやすさ

カード導入の際は管理しやすいものを選びましょう。例えば次のような機能があるものを選ぶと、管理がしやすくなります。

  • カード利用時に管理者でメール連絡が入る
  • カードごとにチャージできる
  • カードごとに限度額を変更できる
  • カードごとに利用停止できる
  • 会計ソフトと連携できる
  • 残金が出た場合、別のカードにチャージ可能

プリベイトカードの有効な使用事例

具体的にどのような場面でプリペイドカードを利用したらよいかわからない場合もあるでしょう。ここでは有効な使用事例を3つ解説します。

経費精算を楽にしたい

現金で経費精算している会社は少なくありません。現金による経費精算は、稟議書の作成・経費精算書の作成・現金の受け渡し・伝票作成などさまざまな手間がかかり、社員の業務を圧迫するため負担と感じている企業は多いでしょう。

プリペイドカードを利用すれば、経費精算にかかる手間を省くことが可能です。そのため、経費精算に付随するコストの削減にもつながります。

社員による立て替えを減らしたい

現金による経費精算の場合、社員は精算の都度、現金を立て替えなければなりません。会社の現金を持ち歩く場合でも、紛失などのリスクが伴います。

また、経理担当者も小口現金を支払うたびに残高を数え、伝票を切らなければならず大きな負担となっている会社も多いでしょう。在宅ワーク中心の企業であっても、現金の受け渡しのためだけに社員が出社しなければなりません。

プリペイドカードを用いることで、社員の立て替えの負担・小口現金担当者の負担を削減できます。

不正利用の防止に備えたい

経費精算にクレジットカードを用いる法人も少なくありません。クレジットカードの場合は社員が不正利用すると、限度額いっぱいの高額被害に合う可能性が考えられます。

しかし、不正利用された場合でも、プリペイドカードであれば事前にチャージした金額以上の被害を受けません。さらに、決済完了のタイミングでメール送信するサービスを利用すれば、不正利用にすぐに気が付くことも可能です。

キャッシュレス決済の不正利用に備えたい場合は、プリペイドカードを検討してみましょう。

まとめ

キャッシュレス決済をすすめたい場合、プリペイドカードが効果的です。創業間もない・赤字が続いているなどの理由で、法人用クレジットカードを利用できない場合でもプリペイドカードであれば使用できます。

前払い決済なので、不正利用の防止に強い点が魅力です。経費精算業務が楽になり、コスト削減につながるため、プリペイドカードの利用を検討しましょう。

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