2024年から改正される電子帳簿保存法とは?対応ポイント6つ

2024年から改正される電子帳簿保存法とは?対応ポイント6つ

公開日:2024/1/26

近年、デジタル技術の進歩によりビジネスの環境が大きく変わりつつあります。例えば、インターネット環境があればチャットツールを使い離れている場所でも簡単にコミュニケーションができたり、データをクラウドに保存することで外出先からでもファイルにアクセスできるようになったりしています。

このような変化の波に対応するため、政府は会計管理の効率化を目的として、電子帳簿保存法を改正しました。企業の中には、改正された電子帳簿保存法に対してどのように対応すればいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか?

本記事では、改正電子帳簿保存の概要や対応ポイントを6つわかりやすくご紹介します。

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改正電子帳簿保存法とは?

改正電子帳簿保存法とは、書類を電子データで保存することを認める法律のことで、2022年に大幅改正されました。2023年12月31日まで電子取引のデータ保存について猶予期間が設けられていましたが、2024年4月1日からは義務化となっています。電子帳簿保存法が対象となる書類は、国税関係帳簿や国税関係書類、電子取引です。

そもそも電子帳簿保存法とは、国税関係の帳簿や書類などを電子保存する際、要件などの取り扱い方を定めた法律です。簡単にいえば、この制度を利用することで経理のデジタル化を推進することができます。電子保存の形式は、電子取引のデータ保存、国税関係帳簿書類の電磁的記録による保存、スキャンな保存の3種類に分類することが可能です。

電子帳簿保存法により企業は原本保存などが不要になるため、業務効率化やコスト削減などのメリットを獲得できます。しかし、これらのメリットを獲得するためには、電子帳簿保存法に対応できる環境を整備する必要があるでしょう。

電子帳簿保存法改正の背景

電子帳簿保存法改正の背景は、多くの事業者のデジタル化を推進させるためです。

デジタル技術の進歩に伴い、日常的にインターネットを利用したり、PCやスマホ、タブレットを使ったりするようになりました。また、働き方改革や新型コロナウイルス感染症拡大により企業のビジネスの在り方も変化しているといえるでしょう。このように、大きく環境が変化している中、今でも紙を使った会計処理を続けるのは非常に効率が悪いです。また、デジタルの活用を避けた事業運営は、市場の中で大きく遅れを取ることになります。そのため、政府は多くの事業者がデジタル化を推進し、ペーパーレス化などを目指しやすくするために電子帳簿保存法を改正しました。

電子帳簿保存法が改正されたことにより、電子帳簿保存やスキャナ保存の要件が緩和されたので、多くの事業者が電子帳簿保存法に対応しやすくなりました。これにより、デジタル化の流れは、今まで以上に加速することが予想されます。

電子帳簿保存法の抑えておきたい改正事項について

電子帳簿保存法が改正されたことにより、要件が緩和されるなど従来の制度とは大きく変化しています。具体的に電子帳簿保存法の改正事項について解説しますので、どの部分が変わったのか知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。

税務署長の事前承認制度の廃止

1つ目は、税務署長の事前承認制度の廃止です。

従来の電子帳簿保存法においては、電子的に作成した国税関係帳簿を電子データで保存する場合、事前に税務署長の承認が必要となっていました。しかし、電子帳簿保存法改正により事前承認が不要になったため、申請手続きを行わずに電子保存することができます。

タイムスタンプ要件や検索要件等の緩和

2つ目は、タイムスタンプの要件や検索要件の緩和です。

タイムスタンプの付与は最長で約2ヶ月と7営業日以内に緩和されました。また、電子データを修正したり、削除したりしてもその事実を確認することができるもしくは、入力期限内に電子データを保存したことが確認できるシステムを導入していればタイムスタンプは不要になっています。

また、検索要件に関しては、従来はにおいて『①取引年月日もしくは取引金額、取引先より検索できる』、『②日付か金額の範囲指定で検索できる』、『③2つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件検索できる』のすべての要件を満たす必要がありましたが、今回の電子帳簿保存法改正で②と③は不要となりました。

優良な電子帳簿に関する過少申告加算税の軽減措置

3つ目は、優良な電子帳簿に関する過少申告加算税の軽減措置です。

優良な電子帳簿の要件を満たしている人が申告漏れなどをした場合、過少申告加算税が5%に軽減されます。そのため、万が一間違えて申告したとしても追加で納めなければならない税金が減ることになるでしょう。

改正電子帳簿保存法に対応する際の6つのポイント

多くの企業は、電子保存が義務化されるため、電子帳簿保存法の改正に対応する必要があります。ここでは、具体的に電子帳簿保存法改正に対応する際のポイントを6つ解説しますので、ぜひ参考にしてください。

改正電子帳簿保存法に沿って必要な要件を徹底的に共有する

1つ目のポイントは、必要な要件を社内で徹底的に共有することです。

電子帳簿保存法は、電子帳簿保存制度とスキャナ保存制度、電子取引に関わる電子データの保存制度があり、それぞれで要件が異なります。そのため、制度の要件をしっかりと把握し、徹底的に共有することで、社員全員がスムーズに改正電子帳簿保存法に対応することができるでしょう。

必要書類の電子化を図る

2つ目のポイントは、書類の電子化を行うことです。

基本的に、企業は数多くの書類を保管しているため、一度にすべての書類を電子化することは難しいでしょう。そのため、まずは取り扱いの多い領収書や請求書から電子化を進めるのがおすすめです。

スキャナ保存を活用する

3つ目のポイントは、スキャナ保存を活用することです。

スキャナ保存は、紙の書類をスキャナでスキャンして電子保存することを意味します。スキャナ保存に対応することで、ペーパーレス化を推進できるだけでなく、取引先から紙の請求書が送付されてきた場合でもスキャナ保存に移行できるので、ペーパーレス化に取り組みやすいです。しかし、スキャナ保存には要件があるので、その点には注意するようにしましょう。

電子データの一元管理に必要な環境を整備する

4つ目は、電子データを一元管理するための環境を整備することです。

例えば、電子データの一覧表を作成して検索性を高めたり、フォルダーやファイルを保存する際のルールを定めて見やすくしたりするというようなことが挙げられます。また、データが損失した場合に備えてバックアップもとっておくといいでしょう。

必要に応じてシステム開発関係書類及び事務処理規定を備え付ける

5つ目は、システム開発関係書類や事務処理規定を備え付けることです。

システム関係書類はシステムのマニュアル、事務処理規定は事務規定のことを意味します。詳しい書き方については国税庁のホームページの『参考資料(各種規程等のサンプル)』を参照してください。

システムの導入を検討する

6つ目は、システムの導入を検討することです。

基本的に多くの企業は、電子帳簿保存法改正に対して効率的に対応するため、経費精算システムなどを導入しています。このようなシステムを活用することで、スムーズに電子帳簿保存法改正に対応できるだけでなく、業務の円滑化も期待できるのでおすすめです。

まとめ

今回は、2024年から改正される電子帳簿保存法について詳しく解説しました。電子帳簿保存法は2024年1月から電子保存が義務化され、多くの企業が対応を迫られることになるでしょう。ご紹介したポイントを参考にすることで、電子帳簿保存法に対応するために何が必要なのかが見えてくるので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

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