IT化とDX化の違いは?IT化とDX化を進める際のポイントや注意点も解説
公開日:2022/07/28
DX化に着手する際に「DX化ってIT化のことではないだろうか?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
本記事では、IT化とDX化の違いをみていきます。また、IT化とDX化を進める際のポイントや注意点にもふれていくため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
IT化とDX化の違い
IT化とDX化にはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、それぞれの違いをみていきます。
IT化とは
IT化とは人の手で行っている業務をデジタル化することです。ITツールの導入や技術を活用し、業務改善を図ります。既存の業務プロセスは維持したままデジタル化を進めていく点がDX化と異なるポイントだといえます。
業務のIT化を進めると、リモートワークやWeb会議に対応しやすくなるでしょう。
DX化とは
DX化はデジタル技術を導入し、業務内容や業務プロセスだけでなくビジネスモデルを変革していくことをさします。デジタル技術を導入するだけではありません。
デジタル化を進め、PDCAを繰り返しビジネスモデルを変えていきます。企業の競争力や生産性を高めることが目的です。
IT化は手段、DX化は目的
IT化はデジタル化によって業務効率化を図ります。一方、DX化は業務をデジタル化し課題を解決するだけでなく、ビジネスモデルを変える取り組みです。IT化はDX化において必要な手段、DX化はIT化を進める目的だといえるでしょう。
IT化では既存業務の改善のみを目的に絞って進めても問題ありません。しかし、デジタル技術を導入する目的を明確にしない場合、ツールを使うことが目的となってしまいます。業務の効率化まで至らないケースもあるでしょう。
そのため、IT化においてもデジタル技術を導入する理由を明確にすることが大切です。
IT化を成功させるために必要な取り組み
IT化はDX化を成功させるために必要な手段だといえます。DXを進める中で、まずはIT化を成功させなければなりません。
ここでは、IT化を成功させるために必要な取り組みを2つ解説していきます。
データを電子化する
まず、業務で使用するデータを電子化しましょう。職場でしか確認できなかった紙媒体のデータを電子化することで、自宅などの職場以外の場所でアクセスできます。
仕事ができる場所を増やせるため、リモートワークの拡大につながるでしょう。また、データを確認するためにわざわざ職場に戻る必要がなくなるため社員の負担軽減につながります。
クラウドサービスを導入する
クラウドサービスとはインターネット上で別の場所にあるコンピューターを使えるサービスのことです。
個人のパソコンやスマートフォンにソフトウェアをダウンロードすると、社内のデータベースやアプリケーションなどに必要な時にアクセスできます。
クラウドサービスの例としてチャットツールやデータ管理のサービスがあげられます。
チャットツール…紙で行っていた情報共有の手間を削減
データ管理…会計システムを導入し、発注書や請求書の一元管理が可能
現場で使用する社員がクラウドサービスを操作・管理できるように教育していく必要があります。社員が実際にクラウドサービスを活用できるまで時間がかかる点を把握しておきましょう。
DX化を成功させるために必要な3つの取り組み
ここでは、DX化を成功させるために必要な3つの取り組みを解説します。
社内全体の意識改革を行う
DX化を成功させるためには、社内全体の意識改革を行いましょう。個人や部署ごとに進めても行き詰ってしまいます。
DXは1つの業務ではなく、部署を超えた業務全体の課題解決に向けて取り組みます。そのため、DX化の目的を明らかにし、企業全体で取り組むことが大切です。
社員の意識を改革する際に、DXで得られる効果を説明すると社員の協力を得やすいでしょう。
優先度の高い課題からIT化を進める
DXを進めていく上で業務の課題を発見し解決していきます。業務内容を細かく分析すると、さまざまな課題が見つかるでしょう。DXは見つけた課題を全て解決するのではなく、優先度の高いものからデジタル化を進めていく点がポイントです。
DXの最終目標はデジタル技術を導入し、ビジネスモデルを変えることです。大きな目標であるため、多くの時間と労力を費やすでしょう。また、大きな課題を解決しようと取り組んでも、途中で頓挫してしまう可能性もあります。
まずは優先度の高い課題からデジタル化を進め、1つずつ改善していくことが大切です。
誰でもITシステムを活用できる環境を作る
デジタル化を進めても社員の中にはデジタルが苦手で使いこなせない人もいるでしょう。そういった場合、DX化は成功しません。そのため、社員の誰でもITシステムを活用できる環境を作ることが大切です。
複雑で難しいITシステムを導入しても、実際に活用できないケースがあります。デジタルが苦手な社員がいる場合は、簡単に使いこなせるようなツールを導入しましょう。
ITを活用したDX推進において気を付けたい3つの注意点
ここでは、ITを活用したDX推進を行う際に気を付けたい注意点を解説していきます。
IT人材の不足
DX推進にはIT人材が必要です。ITの知識や技術を持つ人材がいなければDX化は進みません。しかし、ITに詳しい人材が部署にいないケースもあるでしょう。さらに、社内を探してもITに詳しい人材がいない場合は新たに雇用する必要があります。
IT化のための資金不足
業務のIT化をするために自動化ツールの導入や開発が必要となります。DXは業務だけでなく最終的にはビジネスモデルを変えるため、大きな予算が必要になるでしょう。
資金不足でコストを抑えようとしてしまうと、デジタル化が進まず失敗してしまう可能性があります。DXを成功させるためにも十分な予算を確保することが大切です。
既存システムのIT化
社内で利用している既存システムが複雑になっている可能性があります。担当者しかわからないような開発を進めてしまっているケースも想定されます。開発した担当者が退職している場合、既存システムの把握が困難になるでしょう。
DX化において既存システムをIT化する必要があります。既存システムを1つずつ把握することから進めていきましょう。
DXで業務改善を図れるシステム
業務のデジタル化はコストや社員の負担を軽減することで、業務改善が期待できます。ここでは、DX化を進めている業界で活用されているシステムをみていきましょう。
保育園の業務支援「コドモン」
コドモンは保育士の業務を支援するシステムです。以下のような定型業務を自動化できます。
・日誌連絡帳の記入
・指導案の作成
・保育料計算や請求書発行
・保育士の負担となる事務作業をサポートしてくれます。他の業務に時間を割けるようになるでしょう。
コドモンには職員専用のアプリがあります。各種健康チェックをリアルタイムで管理可能です。現場から事務へ自動的に反映できるため、転記する必要はありません。保育士と事務、園全体の業務の負担を軽減できるでしょう。
POSレジ「blayn」
blaynは飲食店に特化したPOSレジのシステムです。以下のような機能を搭載し、飲食店のオペレーションを効率化できます。
・個別会計やクーポン登録
・キャッシュレス決済
・リアルタイムで売上確認
・会計の不正を通知
また、新しい注文システムのblaynモバイルオーダーは業務負担を削減するだけでなく、顧客情報の蓄積やリピーター集客の促進機能を搭載しています。
経費精算システム
経費精算システムは経費や交際費、交通費などさまざまな経費を自動で行ってくれるシステムです。申請書の作成から承認、仕訳作業から会計ソフトに反映させるまでの一連の流れを自動化できるため、事務作業の負担を大きく軽減できるでしょう。
紙媒体での申請をする必要がなくなるため、書類の紛失や不正を防ぐことが可能です。経理担当者だけでなく申請者や承認者の負担も軽減できる点は魅力といえるでしょう。
まとめ
DX化を進める上でIT化は重要な手段となります。しかし、IT人材の不足や資金不足などの問題が発生するケースがあります。
DXを成功させるためには業務内容だけでなく業務プロセスやビジネスモデルの変化に対応しなければなりません。
人材やコストを削減しながら進めた場合、DXが頓挫してしまう可能性も想定されるでしょう。そのため、人材の雇用や十分な予算の確保が重要なポイントとなります。本記事を参考に、課題を1つずつ解決しながらDX化を進めていきましょう。
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