ETC利用明細は領収書になる?経費精算する手順や効率化する方法も解説
公開日:2023/7/21
ETCの利用料金を経費精算する場合は、領収書の代わりにETCの利用明細を使います。では、ETCを頻繁に使用する場合はどのように経費精算を行えばいいのか分からないというケースもあるでしょう。
本記事では、ETCの利用明細を発行する方法から経費精算する手順、経費精算を効率化する方法までを解説します。
目次
経費精算書とは
経費精算書とは、従業員が支払った立替経費を精算する際に使用する書類です。この書類を提出することで従業員が支払った経費が従業員に還元される仕組みといえます。また、記入する項目は多いため、記入ミスに注意が必要です。
経費精算に必要とされる書類
経費精算に必要とされる書類には以下のようなものがあります。
・仮払経費申請書、精算書
・出張旅費精算書、旅費精算書
クレジットカードの利用などによって、不要となるものも多いものの、会社の規定に合わせて必要書類を準備しましょう。ETCに関してもクレジットカードと紐づけた場合、管理が容易になります。
交通費精算について、もっと知りたい方はこちらの記事から。
ETCの利用明細は領収書の代わりになる
高速道路や有料道路の料金をETCで支払う場合、領収書は受け取れません。ETCレーンでは、ETC車機器と料金所に設置された通信機器によって通行料金が自動精算されるため、領収書を受け取ることは不可能です。
通行料金をETCで精算したときは、ETCの利用明細を領収書の代わりとして利用します。ETCの利用明細に下記の項目が記載されていれば、領収書として認められます。
利用明細の発行元の名称
商品・サービスを購入した年月日
商品・サービスの内容
支払い金額
上記の項目のうち、いずれかが欠けてしまうとETCの利用明細が領収書の代わりとして利用できない可能性があります。
ETCの利用明細を発行する3つの方法
ETCの利用明細を領収書として使う場合、手元に発行しておく必要があります。ここからは、ETCの利用明細を発行する3つの方法を紹介します。
ETC利用照会サービスで確認する
ETCの利用明細は、ETC利用照会サービスを活用すると確認できます。ETC利用照会サービスとは、ETCカードの利用履歴をインターネット上で確認できるサービスのことです。
ETC利用照会サービスでは、必要に応じて利用明細や利用証明書を発行できます。利用明細や利用証明書を発行する際は、下記のファイル形式でダウンロードできます。
書類の種類 | ファイル形式 | 一度に出力できる件数 |
---|---|---|
利用証明 | PDF/CSV | 500件/5,000件 |
利用証明書 | 50件 |
ETC利用照会サービスでは、過去15か月分の利用料金・日時・区間情報・ETC割引情報を無料で確認できます。ただし、ETCの利用情報がETC利用照会サービスに反映されるまでには、一定の時間がかかることを知っておきましょう。基本的には、通行料金をETCで精算してからETC利用照会サービスに反映されるまでには4〜5時間程度かかります。
ETC利用照会サービスで利用できるカードは、「ETCクレジットカード」「ETCパーソナルカード」「ETCコープレートカード」の3種類です。なお、過去15か月以内に利用履歴がないETCカードは、ETC利用照会サービスに登録できません。
ETCの利用明細を早く確認したい方は、ETCを利用する前にETC利用照会サービスに登録しておくことがおすすめです。
ETC利用履歴発行プリンターを利用する
ETCの利用明細は、ETC利用履歴発行プリンターを利用する方法でも確認できます。ETC利用履歴発行プリンターは、ETCカードに記録されているデータから利用履歴を印刷できるプリンターです。サービスエリアやパーキングエリア、カー用品専門店などに設置されています。
ETC利用履歴発行プリンターを利用すれば、利用証明や利用証明書を簡単に印刷できます。ただし、ETC利用履歴発行プリンターでは、確定している通行料金の利用証明や利用証明書しか印刷できません。出口を通過していない通行料金は利用証明や利用証明書に反映されないことを知っておきましょう。
ETC利用履歴発行プリンターは、家電量販店やインターネットショップなどで販売されています。車を使用した出張が多い会社は、ETC利用履歴発行プリンターの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
高速道路で発行する
ETCの利用明細がすぐに欲しい場合は、高速道路で発行する方法が有効です。高速道路から出る際に、ETCレーンではなく一般レーンを利用すれば、領収書を発行してもらえます。
高速道路や有料道路の料金は、ETCカードをETC車機器から外した状態で料金所スタッフに渡せば一般レーンで精算できます。
ただし、一般レーンで精算する場合はETC割引が適用されなくなる恐れがあります。通行料金を抑えたい方には、ETCカードを使って一般レーンで精算する方法は適していません。
スマートICを採用している場所では、料金所スタッフが在住していないため、高速道路で利用証明を発行できないことを知っておきましょう。
ETCの利用明細を経費精算する手順
ETCの利用明細を経費で精算する場合、勘定科目は旅費交通費に分類します。ETCの利用明細を経費精算する手順は、以下のとおりです。
1.出張の申請
ETCを使って出張する場合は、出張計画書・出張申請書を上長に提出して出張する許可を得ましょう。出張する許可が得られた際には、ETCの利用料金をインターネットやアプリで調べて申請しておくと、経費精算が円滑に進みます。
2.立て替え
出張する際に、会社用のETCがない場合は個人のETCで立て替える必要があります。ETC利用照会サービスやETC利用履歴発行プリンターなどを使って、立て替えた通行料金を把握できるようにしておきましょう。領収書が必要な会社の場合は、高速道路や有料道路を出る際に一般レーンを使って領収書を発行してください。
3.旅費精算書の記入
旅費精算書には、出張でかかった高速道路や有料道路の通行料金、ガソリン代などを記載します。高速道路や有料道路を使用した場合は、利用区間の記録も必要です。他にも、出張の目的・訪問先・出張日時なども記載しましょう。
いずれかの項目に漏れがある際は、ETCの利用料金が経費として認められない恐れがあります。旅費精算書を作成するときは、ダブルチェックなどを行い必要事項に漏れがないかを確認することが大切です。
4.上長に提出
ETCの利用料金などを記入したあとは、旅費精算書を上長に提出します。上長に旅費精算書を確認してもらうときは、事前に申請したETCの利用料金と実際の金額を照会して不要な支出がないのかを見てもらいます。
事前に申請したETCの利用料金と実際の金額に違いがあったときは、利用料金に差異が生じた原因を上長に説明できるように準備しておきましょう。
5.経理担当者が精算
上長の承認を得たあとは、経理担当者に旅費精算書を提出します。経理担当者から承認を得られれば、ETCの利用料金を精算してもらえます。
ETCの利用料金を経費精算する際は、上記で挙げた手順を漏れなく進めることが大切です。経費精算する手順をフロー化しておけば、作業効率化につながるでしょう。
旅費交通費の経費精算における課題
従来の旅費交通費の経費精算には課題が残っています。処理ミスが原因で、旅費交通費が経費精算できなかった事例は少なくありません。
ここでは、旅費交通費の経費精算における課題を紹介します。
書類の作成・承認に時間がかかる
旅費交通費を経費精算する場合、書類の作成が必要です。書類には、旅費交通費にかかった金額・日時・訪問先・訪問の目的・経路などを漏れなく記載することが求められます。出張日の行動を振り返りながら必要事項を正しく記載するため、書類の作成には時間がかかる場合がほとんどです。
書類作成後は上長の承認を得たのちに、経理担当者に作成した書類をチェックしてもらいます。経費関連の書類の確認は後回しにされやすく、上長と経理担当者から承認を得られるまでに数日から数週間ほどかかることを知っておいてください。
領収書を紛失してしまう
旅費交通費の経費精算における課題として、領収書を紛失してしまうことも挙げられます。旅費交通費を経費精算する場合は、領収書を書類に貼り付けて上長や経理担当者に申請します。
領収書を個人で管理している場合は紛失しやすく、旅費交通費の書類作成ができなくなるケースが珍しくありません。特に、出張してから旅費交通費の書類作成までに期間が空く際に、領収書を紛失することが多くなります。
他にも、旅費交通費に関する書類の保管期間中に、領収書と書類をあわせて紛失するケースが見られます。
記入ミスによる差し戻しが面倒
旅費交通費の経費精算に関する書類は、出張に赴いた方が作成します。出張に赴いた方によっては、経理の知識がない状態で経費精算に関する書類を作成するため、記入ミスによる差し戻しが後を絶ちません。
経費精算に関する書類の作成が属人的になっている会社ほど、記入ミスによる差し戻しが多くなります。記入ミスによる差し戻しが多い会社では、経費精算に関する書類の作成方法をマニュアル化することが有効です。
ETC利用明細の経費精算を効率化する方法
旅費交通費の経費精算に課題を抱えている会社では、ITを導入して業務効率化を図ることが大切です。ここでは、ETC利用明細の経費精算を効率化する方法を紹介します。
ETCをクレジットカードに紐付ける
ETC利用明細の経費精算を効率化したい方は、ETCカードとクレジットカードを紐付けることがおすすめです。クレジットカードに付帯するETCカードを利用すると、クレジットカード会社からETCの利用明細を発行してもらえます。必要な項目が記載されていれば、ETCの利用明細を領収書として使用可能です。
オンラインの明細サービスを利用している場合は、利用明細の紛失を防げるため、煩雑な領収書管理に悩まされることが少なくなるでしょう。
経費精算システムを導入する
経費精算システムを導入することも、ETC利用明細の経費精算を効率化する方法として有効です。経費精算システムとは、経費精算する上で必要な申請書作成から書類作成までを効率的に進められるシステムのことです。
経費精算システムを導入すれば、経費精算に関する書類を自動で作成できるため、書類作成にかかる時間・記入ミスによる差し戻しの手間を大幅に削減できます。
他にも、会社から出張先までの最短ルートを算出したり、交通費の不正申請を防止できたりするなど、経費精算システムの導入には多くのメリットがあります。
まとめ
ETCの利用料金は、旅費交通費として経費精算します。ETCの利用料金を経費精算する場合は、利用明細を領収書の代わりに使うことが基本です。
ETCの利用明細を発行する場合、ETC利用照会サービス・ETC利用履歴発行プリンターを利用します。領収書が必要なときは、高速道路や有料道路を出る際に一般レーンで精算すれば領収書を発行してもらえます。
旅費交通費の経費精算には、多くの課題が残されている状況です。例えば、「書類作成に時間がかかる」「記入ミスによる差し戻しが多い」などの課題を抱える会社は少なくありません。
ETC利用明細の経費精算を効率化するためには、ITの導入を検討しましょう。ITを導入すれば、経費精算の書類を作成する時間や記入ミスなどを大幅に削減できます。
NTTコミュニケーションズが提供するSmartGo®Stapleは経費精算に特化したツールの1つです。とくに交通費の精算回数が多い場合や人力での計算が多い場合、業務効率化につなげられます。経費精算ツールを導入したい場合は、SmartGo®Stapleの利用を検討してみましょう。
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