Suicaに現金チャージした際の仕訳とは?注意点や効率化について解説

Suicaに現金チャージした際の仕訳とは?注意点や効率化について解説

公開日:2022/08/22

Suicaをビジネスで使用している企業は少なくありません。しかし、Suicaに現金をチャージした際、どのように仕訳をしたら良いか自信がない人も多いのではないでしょうか。

本記事ではSuicaに現金をチャージした際の仕訳方法やその際の注意点などについてわかりやすく解説します。業務上でSuicaを利用したいけれど、取り扱い方法に悩んでいる方は参考にしてください。

Suicaに現金をチャージした際の仕訳方法

SuicaとはJR東日本が発行している、交通系のICカードです。JR東日本エリアで電車やモノレールに乗る際に利用できるほか、全国の交通系ICカードエリアで利用でき、人気の高い電子マネーの1つといえます。

Suicaをビジネスで使用している企業は多いため、現金チャージした際や実際に交通費として利用した場合の仕訳方法について、悩んでいる経理担当者の方もいるでしょう。ここでは、各仕訳方法についてみていきます。

チャージ金額・残高

Suicaは交通費だけでなく、物品の購入にも利用できます。Suicaを交通費専用として使うのか、それ以外にも利用するのかにより、仕訳方法が変わってくるため注意が必要です。

Suicaを旅費交通費専用とする場合の、現金チャージ時の仕訳方法は次のとおりです。

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 10,000円 現金 10,000円

この場合、Suicaを利用したときの記帳が不要となる点がメリットといえるでしょう。ただし、全額を間違いなく旅費交通費として利用したことを示すため、利用履歴の保管が欠かせません。

また、期首や期末のSuicaのチャージ残高も記帳が必要です。その場合、「貯蔵品」や「預け金」などの勘定科目を用いましょう。

期首の記帳方法は次のとおりです。

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 5,000円 預け金 5,000円

期末の記帳方法は次のとおりです。

借方 金額 貸方 金額
預け金 5,000円 旅費交通費 5,000円

Suicaでチャージした電子マネーを、旅費交通費以外でも利用する場合の、現金チャージ時の仕訳方法についてみていきましょう。

借方 金額 貸方 金額
預け金 10,000円 現金 10,000円

勘定科目として「預け金」を利用していない場合、「前払費用」や「仮払金」といった科目を利用しても構いません。自社に合ったものを使いましょう。

交通機関の利用

Suicaを全額交通機関で利用する場合、現金チャージ時に全額「旅費交通費」を計上できます。そのため、実際に利用した時点では仕訳を行いません。

Suicaをさまざまな用途に利用する場合は、現金チャージ時「預け金」として計上しています。そのため、実際に利用した場合の仕訳は次のとおりです。

借方 金額 貸方 金額
旅費交通費 500円 預け金 500円

物品の購入

Suicaで物品購入した場合、「預け金」の仕訳を行います。何を購入したか・どのような用途で利用したかにより勘定科目は異なります。

例えば、会議で利用したお茶を購入した場合は次のとおりです。

借方 金額 貸方 金額
会議費 1,000円 預け金 1,000円

交通費精算に関する記事はこちらからどうぞ。

Suicaのチャージ金額を仕訳する際に確認したい3つのポイント

ビジネスでSuicaを利用する場合に、確認しておきたいポイントが3つあります。詳しく見ていきましょう。

私的利用ではないか

経費計上できるのは、ビジネスに必要な支出に限定されます。そのため、プライベートな用途での支払いは経費計上できません。

Suicaを旅費交通費にしか利用しない場合、チャージした金額を全額旅費交通費として計上できます。ただし、チャージした電子マネーを私的用途で利用した場合は、仕訳の訂正が必要となるため注意が必要です。

私的利用が紛れていないことを把握するため、利用履歴により経理担当者が定期的に確認するといったルールを定めておきましょう。

交通費以外の利用はあるか

Suicaの利用を旅費交通費に限定した場合、現金チャージ時に全額「旅費交通費」として利用できます。

しかし、交通費以外の支払いがある場合は、チャージ分を全額「預け金」などで計上し、支払いの都度経費計上しなければなりません。

そのため、仕訳に手間がかかりSuicaチャージによるメリットがあまり得られないため注意が必要です。Suicaをビジネスで利用する場合、利用用途を旅費交通費のみに限定した方が、仕訳面やチェック面などにおいて、利便性が向上するといえるでしょう。

利用履歴は発行されているか

Suicaの利用履歴がわからなければ、「何に使ったのか」客観的に証明できないため、利用履歴の発行が欠かせません。

加えて、店舗名や商品名などの支払内容の詳細は、利用時に発行されたレシートがないと確認できない点も把握しておきましょう。

Suicaの利用履歴を発行する際の3つのデメリット

Suicaの利用履歴を発行しておけば、正確な情報が記録できます。しかし、印字にはいくつかのデメリットがあります。

また、再発行した場合や紛失となった場合、履歴表示や印字ができなくなるため注意が必要です。

発行場所が限られている

Suicaの利用履歴発行場所は限定されています。Suicaエリア内であればICマークの付いた次の場所で印字可能です。

・自動券売機
・チャージ専用機
・多機能券売機

印字件数には上限がある

Suicaの利用履歴印字は直近の利用分最大100件まで可能です。ただし、1日の利用が21回以上の場合や利用から26週間を超えた履歴については印字できなくなるため注意しましょう。

上限を超えた情報を印字を希望する場合、「個人情報の開示請求の手続き」が必要となり、手間がかかります。

利用区間の金額はわからない

履歴印字では残高しか表示されません。そのため、どの区間でいくら交通費が発生したのか知りたい場合は、別途計算が必要です。

利用区間の数字を一つずつ把握したい場合は、手動計算の手間が生じかえって時間がかかることがある点を把握しておきましょう。

Suica利用時の仕訳業務を効率化する方法

Suicaの利用にあたり、仕訳業務を効率化したいと考える人は少なくありません。利用用途を旅費交通費に限定し、チャージの時点で仕訳できるため、仕訳業務の効率化が可能です。

ただし、利用履歴の発行が必要で、手間がかかる点には注意が必要です。また、私的利用を一切しないように気を付けましょう。

また、モバイルSuicaや経費精算システムの導入でも仕訳業務は効率化できます。それぞれについて詳しくみていきます。

モバイルSuicaを導入する

モバイルSuicaを利用すると、スマホなどからいつでも履歴確認が可能です。パソコンに接続したプリンタでの印字も可能となるため、わざわざ印字のために駅の端末に出かけなくて済む点でも利便性が向上します。

経費精算システムを導入する

モバイルSuicaと連動している経費精算システムを導入すると、Suicaの利用明細を取り込むことが可能となります。そのため、旅費交通費だけでなくそれ以外の物品を購入した場合の経費処理も楽になる点がメリットです。

取り込んだ明細の帳簿付けを自動化できるシステムを使うと、経理業務の効率化が図れるため検討してみましょう。

スマホ決済に関する記事はこちらからどうぞ。

まとめ

Suicaを利用する際、利用用途を旅費交通費に限定しておけば、現金チャージ時に「旅費交通費」として仕訳ができるため、業務の効率化が図れます。

ただし、Suicaの電子マネーをビジネス以外に利用しない・旅費交通費以外に利用しないなどの注意が欠かせません。

Suicaの電子マネーを旅費交通費以外にも使用する場合は、「預け金」などの勘定科目で仕訳します。その場合、電子マネーを使うたびに、経費と預け金との仕訳が発生します。

なお、Suicaを利用する場合、利用履歴の保管が必要です。利用履歴印字の注意点については、本記事でもデメリットとして触れていますので参考にしてください。

Suicaを利用して仕訳業務を効率化したい場合は「モバイルSuica」の利用が便利です。モバイルSuicaと連動した経費精算システムを利用すると、Suicaの利用明細を取り込み帳簿付けの自動化が図れます。

NTTコミュニケーションズが提供するSmartGoStaple®はモバイルSuicaと連携しています。改札を通るたびに交通費の利用履歴がアプリに自動連係されるため、社員の申請ミスがなくなり利便性が向上します。Suica利用時の仕訳を楽にしたいと考えている方は、SmartGoStaple®の利用を検討してみましょう。

経理業務を電子化に関する記事はこちらからどうぞ。

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