経理とは?仕事内容や財務・会計の違いとの違いを解説

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公開日:2022/08/29

全ての企業や個人事業主にとって、経理は欠かせない業務です。会社の資金管理や給与の支払い、業績の把握、税金納付など経理の業務は多岐にわたります。

本記事では財務や会計との違いについて解説します。あわせて、経理業務の効率化や業務に向いている人の特徴や資格、スキルについても解説しますので、参考にしてください。

経理とは

経理は企業活動を支える重要な役割を担っており、そのイメージは「縁の下の力持ち」とも言えるでしょう。現金管理や帳簿付け、決算手続きなど多岐にわたる業務を通じて、企業の財政状況を正確に把握し、経営判断をサポートします。そのため、経理は企業の成長を支える基盤と言えるでしょう。

経理の基本的な定義と役割

経理とは、資金の流れや財務データを正確に記録・管理することで、経理のイメージがより明確になります。企業の安定運営と適切な経営判断を可能にする部門です。
主な業務には、伝票処理、会計記録、財務書類の作成が含まれます。また、資金管理やコスト分析を行い、企業経営の基盤を整えます。
経理の業務を通じて、企業の財務状況が正確に反映され、持続可能な成長を支える重要な役割を果たしています。

経理の主な業務内容

経理の業務内容は企業の規模や業種によって異なりますが、大きく日次業務、月次業務、年次業務に分類されます。それぞれの業務が企業運営において重要な役割を果たし、迅速かつ的確な経営判断を行うための基盤を築きます。

日次業務

日次業務は、経理業務の基本的なプロセスを日々着実に実行することを目的としています。具体的には、以下の業務が含まれます。

  • 経費精算の受付と承認
  • 現金や預金口座の出納管理
  • 会社に届く請求書や領収書の整理・記録
  • 会計ソフトを使用した日次仕訳の入力
これらの業務を毎日正確に記録することで、ミスを防ぎ、問題の早期発見や解決に繋がります。クラウド会計ソフトや専用ツールを活用することで、業務の効率化やミスの削減も期待できます。
日次業務を着実に行うことで、経理全体の流れが円滑になり、月次や年次スケジュールをスムーズに進める基礎を築くことが可能です。日々の丁寧な作業が、経営の安定に大きな役割を果たします。

月次業務

月次業務は、企業の財務状況を毎月定期的に把握するために行われる重要な活動です。この業務により、経営陣は迅速かつ正確な意思決定を行うための基盤を得ることができます。具体的な内容は以下の通りです。

  • 月次試算表の作成
  • 取引の記帳内容の確認
  • 請求書の発行および回収状況のチェック
  • 経費精算や各種支払い処理の実施

これらの業務を丁寧かつ効率的に行うことで、透明性の高い帳簿管理が実現し、信頼性のある財務データが生成されます。また、月次業務を通じて収支の状況や資金の流れを把握することで、予算管理や業務効率化の改善ポイントを見つけることが可能です。

年次業務

年次業務は、1年間の企業活動を総括する重要なプロセスです。以下の業務が含まれます。

  • 決算書類(財務諸表、損益計算書、貸借対照表)の作成
  • 法人税の申告や各種税務申告書の準備・提出
  • 監査法人による監査対応
  • 株主総会での報告資料の準備

年次業務は、企業の財政状況を整理し、外部の利害関係者に適切に報告することで信頼性を高める役割を果たします。また、この業務を通じて得られたデータは、次年度の戦略立案や経営判断の基盤となります。

適切に実施された年次業務は、企業の信用力を向上させ、持続的な成長を支える鍵となります。高度な専門知識と細心の注意が求められる一方、クラウド型会計ソフトやITツールを活用することで効率化も可能です。

経理・財務・会計の違い

経理とは、会社にとって日々の資金や取引の流れを記録する仕事を指します。会社経営において重要な利益を生み出し、資産を増やすためにお金の管理を行う業務です。

会社は利益を増やすため、仕入・製造・販売などを行います。経費などの支払いも欠かせません。このようなお金の流れを数値化し、正確に管理するのが経理の仕事です。

財務との違い

経理が現在および過去の取引を記録するのに対し、財務は「これから使用する資金」を管理します。 資金調達のために銀行との融資交渉を行います。また、企業によっては投資やM&Aなどの資産運用を行うこともあるでしょう。

経理が作成した決算書を元に事業計画を作り、財務が資産調達・資産運用を行います。なお、会社の規模によっては、経理が財務業務を兼任する場合も少なくありません。

会計との違い

会計には「管理会計」と「財務会計」の2種類があります。
管理会計は社内のお金の管理を目的として行います。そのため、従うべきルールはありません。会社により、管理に必要な情報は異なり、自社の会社運営に合う方法で行います。
財務会計は株主・金融機関・取引先をはじめとした社外に対して業績を報告するために行います。そのため、会計基準を順守して財務諸表を作成しなければなりません。
経理の仕事は、会計業務の一部となります。

経理に向いている人の特徴

1. 数字への強さと正確性

経理業務では、正確な数字の取り扱いやミスのない記帳が必要不可欠です。そのため、数字に強く、注意深く分析できる人が向いています。例えば、請求書の金額を確認し、帳簿データとの整合性を厳密にチェックする能力が重要です。些細なミスが大きな影響を及ぼす可能性があるため、緻密な作業を行う姿勢が求められます。また、複雑な財務計算や税務申告などの場面でも、精度の高い処理ができる力が必要です。こうした能力は、日々の業務の積み重ねによってさらに磨かれていきます。

2. 他部署とのコミュニケーション能力

経理は他部署との連携が欠かせません。見積書の調整、経費データの確認、役員への財務報告といった多岐にわたる業務が発生します。加えて、取引先や外部機関とのやり取りも必要な場合があります。そのため、情報を正確かつスムーズに共有する能力が、会社全体の効率向上に貢献します。また、財務データの正確な解釈とその伝達が求められるため、専門知識をわかりやすく説明するスキルも重要です。経理担当者のコミュニケーション能力が企業の信頼性に直結することも多いのです。

3. 計画性と時間管理能力

締切が厳格な経理業務では、効率的なスケジュール管理が求められます。月次・年次決算や税務申告といった期限付き業務を適切に進行させるには、優先順位を見極め、計画的に業務を進める力が必要です。また、突発的な依頼やイレギュラーな対応が求められる場面でも、柔軟に対応できる調整力が重要です。計画性に加えて、スケジュールに遅延が生じないよう、プレッシャーの中でも冷静に対処する力が求められます。

4. 誠実さと倫理観

経理は企業の財務情報を取り扱うため、高い倫理観が求められます。不正を防ぎ、透明性を維持するため、責任感を持った誠実な対応が不可欠です。特に、税務や監査の対応時には、正確な記録と説明責任が必要です。経理担当者の誠実な姿勢が、企業全体の信頼性を高める鍵となります。さらに、不正リスクを低減するため、常に改善を意識した取り組みも求められます。

経理に求められるスキルと資格

1. 日商簿記

日商簿記は、経理知識を証明する代表的な資格です。3級は基本的な帳簿処理を学び、2級ではより高度な商業簿記や工業簿記を習得できます。また、1級を取得することで、財務諸表の作成や管理会計の深い知識を身に付けることが可能です。この資格は、経理職への入り口としてだけでなく、キャリアアップや専門性の証明にも役立ちます。

2. ファイナンシャルプランナー(FP)

FP資格は、財務管理や資産運用に必要な幅広い知識を学ぶ資格です。企業の資金計画や投資戦略に役立つスキルを提供し、経理業務を超えた視点を得られます。また、従業員向けの福利厚生プランや資産運用アドバイスを行う際にも、この資格が活用されることがあります。

3. FASS検定

経理や財務に関する全般的な知識や実務的な知識を測る資格です。資産・決算・税務・資金の分野が試験範囲となるので、試験の準備や対策を通じて、実務的な問題解決能力や分析力を向上させることができます。合否ではなく、総合点によりA、B、C、D、Eの5段階のレベルで評価となるところもFASS検定の特徴です。

経理の未来と最新トレンド

近年、AIやクラウド会計ソフトの導入が進み、自動化や膨大なデータの活用による経営戦略の重要性が増しています。この結果、経理は単なる事務処理を超え、経営の意思決定を支える役割を担うよう進化しています。

クラウド会計ソフト、AIと自動化

クラウド会計ソフトやAI技術の普及により、経理業務の効率化が進んでいます。従来の手作業に比べてスピードと正確性が向上し、人的ミスの削減が可能になりました。多くの企業がこれらのツールを導入することで、業務負担の軽減と効率化を図っています。例えば、AIを活用した会計ソフトでは、自動仕訳機能が担当者の業務負担を軽減します。さらに、クラウドシステムを導入すれば、財務データをリアルタイムで確認でき、迅速な意思決定が可能です。税務申告やキャッシュフロー管理にも役立ち、企業全体の財務運営を効率化します。こうした技術は、単なる経理担当者の作業削減にとどまらず、経営陣のデータ分析や戦略的な経営判断を迅速にできる環境を確立することができます。

まとめ

経理業務は、日々の資金や取引の流れを記録する仕事で、全ての企業において必要な業務です。しかし、バックオフィス業務であるため、多くの人員をまわしてはもらえません。
専門性が高く、ミスが許されない業務なのに人員が少ないため、いつも仕事に追われている経理担当者は多いでしょう。
効率化のためには、ITツールの導入がおすすめです。
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