精算と清算の違いとは?ビジネスにおける使い分けを詳しく解説

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公開日:2022/08/29

精算と清算はどちらも「せいさん」と読みますが、意味は大きく異なります。使い方を間違えると、支障や誤解が生じる場合があるため注意が必要です。オンライン業務が増え、「精算」と「清算」を書き分ける機会が増え、困っている人もいるでしょう。

本記事では、精算・清算の意味の違いやビジネスにおける使い分けについて解説しますので、参考にしてください。

精算と清算の違い

精算と清算の違いは次のとおりです。

精算 金額を詳細に計算すること
清算 過去の貸し借りなどの関係を解消すること

2つの言葉は大きく意味が異なるため、使い間違えないように注意が必要です。どのような場面で利用するか、詳しくみていきましょう。

精算を使用する場面

ビジネスの場で、精算を使用するシーンの主なものに「経費精算」があります。

経費精算とは、従業員が業務上必要なお金を立て替えて支払い、その立て替え分を後に会社が従業員に支払うことを指します。一般的に経費精算のためには、領収書や稟議書が必要です。

清算を使用する場面

清算は、「借入金の清算」などに利用します。会社が倒産し、財産を処分する場合も「清算」という言葉を使います。

一般的なビジネスシーンでは利用頻度の少ない言葉といえるでしょう。

同音異義語の成算は全く違う意味

せいさんという言葉には「成算」もあります。これは、「成功する見込み」を意味する言葉です。

精算や清算のように、お金に関する意味はないため注意しましょう。

会社の経費精算に含まれるもの

ここからは、会社における経費精算についてみていきます。

従業員が事業活動に関係する金銭を立て替えて支払い、後ほど会社に申請して払戻を受ける行為が経費精算です。

必要書類

経費精算の流れと、経費精算に必要な書類をみていきましょう。

1.立替金を支払う
2.領収書を受け取る
3.経費精算書を作成する
4.経費精算書に上長から承認を貰う
5.経理に経費精算書を提出・承認を受ける
6.経理から従業員に支払いを行う
7.経理部で経費精算書を保管する(7年)

領収書・経費精算書が必要書類です。会社によっては、経費精算書とともに稟議書を提出する場合も少なくありません。多くの場合、経費精算書や稟議書には上長などから承認のための押印をもらいます。

多くの場所をまわるため、稟議書が担当者から経理担当者に届くまでには時間がかかります。

対象となる費用

経費の対象となる、主な費用は次のとおりです。

・旅費交通費
・消耗品費
・通信費
・福利厚生費
・接待交際費

詳しくみていきましょう。

旅費交通費

業務上の移動で利用する交通費、出張費・宿泊費・出張手当などを指します。電車やバス、タクシー代、有料道路の交通費、ホテルの宿泊費などが該当します。

消耗品費

事務用品や日用品などが消耗品費です。消耗品の条件は次のいずれかを満たしたものです。

・金額:10万円未満
・使用可能期間:1年未満

通信費

通信費とは、主に次のものを指します。

・インターネット回線使用料
・電話料金
・切手代
・送料

福利厚生費

従業員の慰安・医療・衛生などを目的として支出される経費です。従業員のモチベーションアップにつながる場合も少なくありません。

具体的な出費内容は企業により異なりますが、主に次のものがあります。

・健康診断
・生活援助
・社宅などの住宅関連
・レクリエーション

新年会や歓迎会など、社内のレクリエーション活動時に経費を立て替える場合もあるでしょう。

接待交際費

営業活動として、取引先と飲食を行う際の出費です。経費参入にあたり、1人当たりの上限額が定められています。

経費として認められる際も、領収書を残し参加人数などを記録しておかなければなりません。

経費精算に関する記事はこちらからどうぞ。

会社における清算の意味

会社の清算とは、会社を解散した後、財産を換金・分配する手続きを指します。一般的な業務活動において、「清算」という言葉を利用する場面はあまりありません。

そのため、あまり知らない人も多いでしょう。ここからは、会社における清算の意味について、みていきましょう。

3種類の清算がある

清算の種類は次の3つです。

・通常清算
・特別清算
・任意清算

通常清算

会社が解散した場合に、残った債務の全額支払いが可能な場合は通常清算を行います。通常清算を行う自由としては次のものがあります。

・定款で定めた存続期間の満了
・定款で定めた解散事由発生
・株主総会の決議による
・合併による会社消滅
・破産手続開始の決定
・裁判所による解散命令
・休眠会社のみなし解散

倒産手続ではないため、裁判所の監督を受けることはありません。

特別清算

特別清算は、裁判所の命令によって開始される清算手続きを指します。主に、下記の要因がある場合、裁判所に申し立てを行います。

・清算の遂行に著しく支障をきたす事情がある
・債務超過の疑いがある

特別清算の手続き対象となるのは株式会社のみです。

任意清算

任意清算は、定款や総社員の同意など、自主的な判断により会社を消滅させる場合に使われる方法です。

この清算方法は、無限責任社員のいる合名会社・合同会社のみに許されています。

無限責任社員とは会社の倒産時に置いて、会社の債権者に対し負債総額全額を支払う責任を負った社員を指します。

清算の流れ

株主総会の決議により通常清算を行う場合、清算の流れは次のとおりです。

1.株主総会による解散決議の決定
2.解散・清算人選任、登記を行う
3.現状業務の終了・清算事務開始
4.解散を届け出る
5.財産目録と貸借対照表を作成・株主総会の承認
6.債権者の保護手続き(官報公告・個別の催告)
7.解散確定申告書を提出
8.債権取り立て・残余財産の確定・債務弁済・株主等への分配
9.清算確定申告書を提出
10.決算報告書を作成・株主総会の承認
11.清算結了の登記

債務超過では清算できない

債務超過があった場合は、通常の清算方法では会社を清算できません。そのため、裁判所に特別清算の申し立てを行い、裁判所の監督下で「特別清算」を行います。

しかし、特別清算を行うためには、株主や債権者の一定数以上の同意が必要です。

会社資産で債務を完済できず、株主総会での決議や債権者の協定や和解が得られない場合は、「破産手続」を行うこととなります。

経費精算を使い分け、効率化しよう

経費精算には、稟議書の承認や現金の受け渡しなど、多くの手間や時間がかかります。人件費などのコストもかかるため、現在の方法では経費精算は面倒だと感じている経理担当者の方もいるでしょう。

ITシステムを導入し、経費精算の効率化をはかるとスムーズになり、人件費節約にもつながります。ここでは、経費精算の効率化についてみていきましょう。

人・時間の効率的な管理ができる

経費精算には、ITシステムの導入を検討しましょう。経費精算の受け渡しを現金で行うと、現金の管理や受け渡しに手間や時間がかかります。

経費を受け取る人・経理担当者共に現金授受のためだけに出社しなければなりません。会社によっては、現金額が相違ないようチェックする人も必要です。

クレジットカードの導入など、キャッシュレス化を行えばこのような手間が大きく削減できます。

法人カードに関する記事はこちらからどうぞ。

手続きの承認がスムーズになる

手書きの稟議書を利用している場合、上長の承認を得るために時間がかかる場合が少なくありません。上長は稟議書の承認のために、出勤を余儀なくされることもあるでしょう。

オンラインで稟議書の承認が可能になるシステムを導入すれば、稟議書承認までの時間を大幅に短縮できます。上長は稟議書の承認を手元のスマホやPCで行えるようになるため、わざわざ印鑑を押すためだけに出社する必要はありません。

担当者もオンラインで稟議書が確認できるため、「社内便で書類が届く」までの時間を待つ必要がなくなります。

自動的な処理が可能となる

経費精算システムと会計ソフトを連携させると、自動仕訳が可能です。経費精算に関する仕訳計上の手間が省け、時間短縮やミス防止につながります。

領収書読み取り機能のある経費精算システムを導入すれば、領収書の転記ミス・金額入力ミスなどの人的ミスの防止が可能です。

まとめ

一般的なビジネスの場においては、金額を詳細に計算するという意味の「精算」を使う機会が多くなります。「清算」を利用するのは、会社を解散した後です。

「精算」と「清算」では意味が大きく異なるため、使い間違えないように注意しましょう。

なお、ビジネスの場で多く発生する「経費精算」に多くの時間や手間がかかり、悩みを抱えている会社は少なくありません。経費精算を効率化するためには、デジタル化が最適です。

経費精算の効率化についてお悩みの方は、NTTコミュニケーションズが提供するSmartGo™ Stapleの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

経費精算のデジタル化に関する記事はこちらからどうぞ。

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