NTTのDXの取り組みとは。SmartWorldについて解説

NTTのDXの取り組みとは。SmartWorldについて解説

公開日:2022/11/24

NTTは、日本の企業の中でも多事業でDXを推進し、データ活用に積極的な企業の1つです。実際、他業者との提携・実証実験などを目にする機会も多いでしょう。

では、NTTはDXに対して、具体的にどのような取り組みを実施しているのでしょうか。本記事では、DXがどういったものかにふれたうえでNTTの取り組みや「SmartWorld」の内容についてふれていきます。これからDXを推進する場合や既に実施している企業は、参考にしてみましょう。

DXとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは 、 AI によるデータ活用やデジタル技術の活用によって新しい商品やサービス、ビジネスモデルを変えていくことを意味します。また、 DXを推進することで事業・経営どちらにも大きな変化を与える可能性があるといえるでしょう。

また、DXを推進する場合は次のようなポイントを意識する必要があります。

・人材の配置と企業体としての在り方を常に検討する
・経営陣が一体となって、 新しい取り組みの指揮を取る
・各部署のリーダーに対して、新しい技術や働き方の研修を行い、現行の企業制度を見直す

特定の部署だけで進めるのではなく、企業として考え方から変えて行かなければなりません。 また、市場や環境の変化に合わせてサービスや商品を開発しやすくなる・人材確保面からも生産性の向上が見込めるといったメリットもあるため、NTTも含めてDXに取り組んでいる状況 です。

NTTのDXの取り組みとは

ここからは、NTTのDXの取り組みについてみていきましょう。

2022年7月からNTTは、リモートスタンダード組織として、リモートワークによる就業が開始されています。組織の働き方や考え方から変えていくといった、DXの考え方を体現しているといえるでしょう。

また、5Gや6Gなどの通信技術やIT技術の革新が絶え間なく行われており、市場規模のグローバル化・顧客となる人々のニーズの多様化にも企業は対応しなければなりません。そういった環境もふまえてNTTでは、DX によって社会的課題を解決し、企業や社会の持続的成長をサポートしていく「SmartWorld」の実現に向けて投資を行っています。

DXの定義についてもっと知りたい方はこちらから。

NTTが注力する11のテクノロジー

SmartWorldの実現にあたって、NTTでは次の領域に注力しています。人工知能や仮想現実など今後より世の中に普及する可能性のある分野も含めて詳細をみていきましょう。

  1. 人工知能・・・顧客満足度の向上、接点の最適化など
  2. 仮想現実/拡張現実・・・VRやARを営業活動への利用、研修・技術継承など
  3. ヒューマン・マシン・インターフェース・・・フォトニクスネットワーク「IOWN」など
  4. セキュリティ・・・セキュリティ総合ソリューションの提供など
  5. 情報処理基盤・・・緯度や経度、高度と時刻の4次元情報を把握・統合する4 D デジタル基盤など
  6. ネットワーク・・・ IOWNによる端末処理の光化など
  7. エネルギー・・・グリーン発電や地域電源の確保など
  8. 量子コンピューティング・・・光量子コンピューターの開発・研究など
  9. バイオ・メディカル・・・再生医療技術の研究、ヘルスケア領域のICT導入・連携など
  10. 先端素材・・・電子デバイス技術やシリコンフォトニクス技術を用いた開発など
  11. アディティブ・マニファクチュアリング・・・金属積層造形シミュレーションソフトウェアの提供など

NTTが取り組んでいる分野は幅広いものの、ほぼ全ての分野でDXを活用できる場面があるといえます。

NTTが取り組むSmart Worldとは

ここからは、現状でNTTが取り組んでいるSmartWorldの内容についてみていきます。生産性を上げるための効率的な設備管理や新しい接客体験の創出など、自社の事業に近い取り組みを参考にしてみましょう。

SmartCity

SmartCityの取り組みの1つとして、現実のデータを活用して建設設備デジタルツインの共創に取り組んでいます。減少し続ける労働人口に対して、建物設備管理の生産性を向上させ、最終的には建物統合管理ソリューションの提供を行うことが目的です。

デジタルツインの実現には、NTTが開発したデータを収集・蓄積・管理・分析できるプラットフォーム「SDPF for City」を活用しています。

SmartCX

顧客体験の向上を図るCX の分野では、メタバース上で「バーチャル空間×接客」といったコミュニケーションの創出にも取り組んでいます。顧客のニーズが多様化する中でオンライン上でもリアルに近い接客が求められる環境に変化しつつある状況です。

新しいコミュニケーションサービスの創出に加え、メタバースのデータとECサイトなどの連動、バーチャル空間で接客を完結できる環境の構築を目指しています 。

SmartEducation

教育分野においては、取り組みの1つとして、学校教育プラットフォーム「まなびポケット」を提供しています。 2022年10月には、申し込み ID数が400万に達しており、学習eポータルの分野では4割以上のシェアとなっている状況です。

また、保護者の出欠連絡による事務処理の低減、校務システムと学習システムの連携が可能になったことから教職者のワークスタイルの変化にも対応しています。

SmartFactory

NTTは製造業に対しても、プラットフォームの提供を行っています。受発注マッチングプラットフォームを提供することで、稼働率の低下・生産量の減少などといったデメリットを解消可能です。

工場の所在地に関係なく、受発注が行えれば、日本だけでなく世界にも流通が可能となる可能性もあります。受発注に伴う契約業務も簡略化できるため、これまでの契約内容や取引内容にこだわらず新しい取引相手と出会える確率も高められるでしょう。

SmartHealthCare

AI・データを活用し、認知症で不安になる家族や本人、企業をサポートする「脳の健康チェックフリーダイヤル」も研究・開発しています。日本が少子高齢化社会となっていることから、認知症予防や発症後のケアがより注目を集めている状況です。

AIが自動的に質問を行い、回答した内容で判断することから、家族・企業・本人の心理的負担の軽減に役立ちます。

SmartMobility

ネットワークと繋がる車(コネクティッドカー)に対するサイバーセキュリティにもNTTは注力しています。IoTやAIがより社会に浸透するようになれば、コネクティッドカーも増加すると想定されるでしょう。

その場合、 サイバー攻撃を検知したうえで分析し、どの程度の影響なのかを明確に把握する必要があります。 加えて、その後の対応や顧客への説明も含めて対応しなければなりません。Mobility分野におけるセキュリティ監視サービスは今後も研究を重ねていく予定です。

SmartWorkStyle

働き方に関して、NTTでは2022年7月からリモートワーク中心の働き方に移行しました。 多様的な働き方が浸透するにつれて、ワークスペースの需要も右肩上がりとなっている状況です。

そして、NTTはワークスペースの検索・予約・支払いまで対応できるアプリ「drropin」を提供しています。とくに、企業単位でワークスペースを探している場合に役立つアプリとなっています。

最近のワークスタイルに関する詳しい情報はこちらから。

DXはスモールスタートから

DXは多くの分野で活用できる手段があるといえます。最先端のツールや技術を使用するだけでなく、社内体制を変化させることによって持続的な企業活動を行うことがDXの目的です。

そして、DXを推進する場合はスモールスタートから行うことを推奨します。業務の代替手段が多く存在していることに加え、いきなり全ての業務フローが変化した場合、事業継続が難しくなる可能性もあるためです。

例えば、経費精算に手間がかかるといった場合は、NTTコミュニケーションズが提供するSmartGo® Stapleを活用できます。とくに、交通費精算が多い場合などは業務の効率化や自動化につながるといえます。DX化がどういったものか体感できるでしょう。

まとめ

本記事では 、NTT の DX に対する取り組みについて解説しました。建物からワークスタイルに至るまで幅広い分野に注力しているといえます。多くの企業では、多事業でDXを推進するケースは多くはないと想定されます。

しかし、業務の効率化や顧客となる人々のニーズの変化はほぼ全ての業界に影響のある課題です。そのため、出来る範囲からDXを推進していく姿勢が大切だといえます。

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