経理の仕事はなくなる?その真相を解説
公開日:2022/11/25
経理の仕事は、企業内のお金の流れを明確にするものです。かつては代替手段がなく、人の手によって経費精算を行わなければならないといった状況もありましたが、近年ではAIやツールの進化によって単純作業であれば代替手段も増加してきました。
そういった事情もふまえて、「経理の仕事は将来的に無くなるのでは?」という疑問を抱いているケースもあるのではないでしょうか。実際に、経理の仕事の一部は無くなる可能性があるのは事実です。
本記事では無くなるといわれている経理の仕事内容、無くなるといわれている理由、無くならない理由について詳しくみていきましょう。
目次
無くなるといわれる経理の主な仕事とは
経理の仕事は、日々の請求や支払い、帳簿への記入を含むものです。時期によっては、損益計算書や決算書を作成するといった経営的に重要な役割も果たします。日・月・年によって、行う業務内容が変化するだけでなく、日々の数字管理が月・年の数字に反映されるため、経営面からみても重要な立場にあるといえるでしょう。
経理と混同されることもある会計と財務との違いは次のようになります。
経理は会計の一部。そのため、会計を行う場合は経理業務を行うことを意味し、内部に経営状況を知らせる管理会計と外部に企業の経営状態を示す財務会計に分かれる
財務は今後のお金の使い方を考える業務。将来的な資金調達を行うためにどのような運用を行うのか、資産の価値はどう変化するのかなども含めて戦略を立てる
では、より詳しく経理の仕事をみていきます。
1日単位の経理の仕事
日々流動する会社のお金を記録する仕事がメインとなります。例えば、経費精算、伝票の記帳、帳簿付けなどが代表的な仕事だといえるでしょう。企業によっては、在庫管理や物品の買い出しなどの業務も発生します。
月単位の経理の仕事
月単位でお金の流れを管理する仕事内容が多くなります。 各部署の棚卸の数値を確認する、売上代金の請求や仕分けを行う、給与の計算や振り込みを行う、取引先への支払いや請求を確認するといった仕事がメインです。
年単位の経理の仕事
年単位の経理の仕事は、取引先の企業に関する情報だけでなく、税金の報告、賞与の支払い報告書の作成、決算書の作成などになります。年間を通して、様々な書類を日々の業務と並行して作成していくという流れです。
とくに決算書に関しては、社内外に開示する情報の根幹となるため、 繰り返しチェックが行われます。
経理の仕事がなくなるといわれる理由
経理の仕事の詳細にふれたうえで、ここでは、仕事がなくなると言われている理由についてみていきましょう。技術の進歩だけでなく、法律の変化も強く影響しています。
経費精算などは代替手段がある
経理の仕事は、基本的に間違いが許されない環境にあるといえます。しかし、どれだけ入念にチェックしていても人的ミスは起こる可能性があります。そのうえで、経費精算などに関しては、データ処理を自動的に進められるAIやRPAといった技術を導入することが可能となりました。
また、ツール同士の連携によって手動による金額の転記も必要ないため、人の労力を割く必要がない場面が増えています。
電子帳簿も含めたペーパーレス化が進んでいる
世情や法律的な観点から、ペーパーレス化やキャッシュレス化が進んでいる状況にあります。とくに、領収書などに関してはクレジットカードの履歴さえ確認できれば、わざわざ印刷する必要はなくなりました。
また、電子帳簿保存法に対応する必要があるため、帳簿に関連する請求書などのデータは基本的に電子データで扱わなければなりません。
経理業務を電子化する場合の注意点はこちらの記事から。
業務内容次第では手作業が不要になりつつある
小口現金管理を行っている企業も多いものの、クレジットカードで統一すれば支払いを一元化できるため、手作業及び申請書が不要となります。また、いつ・誰が・どこで使用したのかも把握できるため、経費精算業務も簡略化可能です。
伝票の記述などに関しても、文字・画像の読み取りが簡単にできるほど、AIの読み取り技術が向上しているため、今後伝票の作成を手動で行う必要がなくなると想定されます。
経理の仕事が全て無くなることはない理由
ここからは、経理の仕事が無くなることはない理由について解説していきます。RPAやAI、ツールの登場によって、簡略化・効率化できるだけでなく、これまで紙の保存が必要だった書類もデータがあれば問題ないという環境に変化している状況です。
しかし、簡略化・効率化した場合でも最終的に結果を確認しなければなりません。加えて、法的な解釈も必要となることから経理の仕事は将来的にも必要だといえるでしょう。
法律の知識に対応した処理が必要
法律の知識は、人間が正しく知識を吸収し、反映していかなければなりません。 税制だけでなく、書類やデータの保存方法も同様です。そのため、AIなどのツールを導入した場合でも全ての処理を自動化できるわけではないといえます。
場合によっては、法律の専門家のアドバイスに従いながら、処理を行う必要もあるため、AIやRPAのみに任せるだけでは問題が起きてしまうといえるでしょう。
代替手段を使った結果は全て確認が必要
RPA やツールは決まった処理を行うことは得意であるものの、処理の内容自体が間違っているかどうかは判断しません。仮に判断できた場合でも、人による操作が必要となるため、全てをAIやツール任せに する事はできません。
そのため、経費精算などでツールを使用した場合も、経費の分類に間違いがないかどうかをチェックする必要があるといえるでしょう。
経営に直結する資金状況の考察
経理と一言といっても、会計や財務は人による創造力が試される分野になります。ツールやAIによって経営を判断するためのデータは簡単に計算可能です。
しかし、その情報からどのように企業の方針を立てるのか、どういった戦略で今後経営していくのかといった要素は必ず人が決定する必要があります。
経理の仕事の今後
ここからは、経理の仕事がどのように変化していくのかについて、みていきましょう。代替手段は今後もツールとして進化し続けていくことが想定されます。しかし、前述でふれたように人間の手を加えなければならない場面があり、無くなることはないといえます。
より人間と代替手段の使い分けが大事になっていく
今後の経理の仕事は、代替手段によって提供された数字に対して考察・活用していく仕事になっていくでしょう。数字の計算や領収書を人力で作るというケースは無くなっていきます。そのうえで、ツールを使用して得られた数字をスムーズに活用する力が求められるようになります。
例えば、税務関連の処理が社外の税理士と連携したうえでこなせるといった働きは今後より評価されやすくなるといえます。
業務効率化・生産性の向上のために知識がより大切になっていく
経理の仕事における単純作業はなくなっていくと想定した場合、これまで以上にAIやツールを活用し、コストなども含めた上でどのように活用していくのかといった視点が大切になるでしょう。
加えて、 企業規模がどのようなものであったとしても労働人口が減少し、優秀な人材は取り合いになるといえます。そのため、経理の仕事を効率化し、生産性を上げられる手段を常に検討・実施していく必要があります。
経理業務の1つである経費精算のキャッシュレス化を進めたい場合は、こちらの記事から。
まとめ
経理の仕事は、単純作業のように今後なくなっていくものと、税務関係の処理など残っていくものに分けられます。また、単純作業にリソースを取られている場合であれば、 AIやツールなどの代替手段を活用することで、より会計や財務寄りの業務に従事できる可能性もあるといえるでしょう。 NTTコミュニケーションズでは、経費精算ツールであるSmartGo®Stapleを提供しています。経費精算ツールを試してみたい場合や経費精算でリソースが取られ過ぎていると感じる場合は、SmartG®Stapleの利用を検討してみましょう。
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