個人事業主の経費の扱いとは?条件から項目、節税対策まで解説

個人事業主の経費の扱いとは?条件から項目、節税対策まで解説

公開日:2023/2/8

個人事業主として活動する場合、経費が発生するケースは多いといえるでしょう。しかし、経費として扱える金額には複数の条件があり、違反した場合には罰則もあります。では、個人事業主はどういった点に注意して経費の計算を行えば良いのでしょうか。

本記事では個人事業主が経費にできる条件や項目、節税対策について解説していきます。

個人事業主が経費にできる条件

ここからは、個人事業主が経費にできる条件について見ていきましょう。例えば、次のような場合は経費になります。

・事業で食事を含めた打ち合わせを行った
・新幹線や飛行機の使用移動を伴う打ち合わせが発生した
・事業用PCを購入した

事業のために使用したコストが経費として扱えるものの、条件を満たせない場合は、経費として扱えないケースもあります。

法人と個人事業主で経費の範囲が異なるケースもあるものの、より詳しく経費の概要を知りたい場合はこちらから。

事業に関連性がある費用だと証明できる

事業に関連性があるかどうかは、経費として扱う場合に最も重要な要素です。様々な支払い項目があった場合でも事業と関連がなければ経費として認められません。

例えば、事業拡大のために、サービスを購入した場合は経費として認められます。しかし、個人の趣味のための音楽の聞き放題のサブスクリプションサービスなどは、経費として認められないでしょう。領収書やレシート、請求書があっても事業と関連性があると証明できなければ、経費とはならないといえます。

とくに領収書を受け取る場合は次のような項目、注意点をチェックしておきましょう。

・支払いを受けた、行った者の氏名が記入されている
・日時が記入されている
・但し書きがある

適正な出費の額となっている

経費の金額は、適正な範囲でなければ認められません。例えば、総利益に対して経費が多すぎる場合などは、確定申告の書類は作成できたとしても税務調査時の説明が難しいケースもあります。加えて、適切な金額と認められない場合は、書類の提出時にも指摘を受ける可能性があるといえるでしょう。

また、利益がなければ経費として支出できる経営的な余裕はないと考えられるため、利益と経費のバランスは常に把握できる仕組み作りも大切です。

私生活の費用が計上されていない

経費を計上する場合は、私生活の費用は含めないことが1つの条件です。そのため、個人事業主は何が経費になるのかを明確に把握しておく必要があります。

また、事業所と自宅が同一の場合、生活と事業の費用を分ける家事按分を適用するケースも少なくありません。家事按分に関しては、白色申告と青色申告で範囲が明確に異なってきます。そのうえで、通信費や光熱費の金額なども100%経費にはできない点は知っておきましょう。

個人事業主が経費にできる代表的な費用

個人事業主が経費にできる代表的な費用は次のような項目があります。

地代家賃 月極駐車場やオフィスなどを借りている場合は該当する。
また、賃貸物件であれば家事按分で決めた割合の家賃は経費とできる
旅費交通費 タクシー代や飛行機代などが該当する。
しかし、事業が関係しない場合は経費とできない
通信費 スマートフォンの料金やインターネットの料金が該当する。
家事按分の割合に合わせて経費にできる
接待交際費 取引先との会食費などが該当する。
個人事業主であれば、制限はないが大きすぎる場合、税務調査時には明確な説明が必要
外注工賃費 外部の業者に委託した場合に発生する経費。
業務の発注があった場合はこの項目となる

また、勘定科目は自分で設定することが可能です。その上でどの項目が何に該当するのかを明確に設定しておきましょう。注意点として、一度定めた勘定科目がある場合は事業を継続する限り使用し続ける必要があります。

勘定科目のうち、交通費に関しても複数の項目があります。旅費交通費がどういったものか詳しく知りたい場合はこちらから。

個人事業主が経費にする際の注意点

ここからは、個人事業主が経費にする際の注意点についてみて解説していきます。個人の生活の費用と健康診断・人間ドックの費用は経費にはできません。

そして、不正計上となった場合の罰則や家事按分を適用している場合の割合を変えられない点は、知っておかなければなりません。

不正計上の場合は4つの罰則がある

個人事業主の経費に関しては、次の4つの罰則があります。

・過少申告加算税―本来支払うべき税金よりも過少申告した際に適用される。未納となっている税金に対して10%加算される
・重加算税―架空の領収書や経費を計上した場合に適用される。税務調査時に発覚するケースが多く、最大で未納の税金分の40%が加算され、支払う必要がある。
・無申告加算税―納めなければならない税金を納めなかった場合に適用される。50万円までは15%、50万円以上であれば20%が加算される
・不納付加算税―定められた期日までに税金を払わなかった場合適用される。未納分の10%が加算れる

税金の加算額に幅があるものの、明確な経費の計算を行ったうえで、正しい内容の申告を期日通りに行えば問題はないといえます。

家事按分の割合は超えられない

通信費や家賃に関しては、家事按分の割合に応じて経費とすることが可能です。しかし、次のように割合を決めていた場合、その金額以上は経費にすることはできません。

例:家事按分の割合は5割
・月13,000円の通信費が発生している
13000×0.5の計算で6500円
・月10,000円の電気代が発生している
10000×0.5の計算で5000円

どのように家事按分の割合を決めるのかは個人で設定可能です。そのうえで、設定した家事按分の上限を超えた経費は計上できないため、設定した割合を覚えておく必要があります。また、家事按分の割合に関しては、月・年ごとに変化させることも可能です。

個人事業主が経費の不正を防ぐための方法

個人事業主が経費精算における不正を防ぐためには、会計システムや経費精算システム・ツールの導入を検討しましょう。自動入力によって、虚偽申請や入力ミスをなくすことができるため、簡単に経費の算出が可能です。

また、Suicaなどの交通系ICカードを利用する機会が多い場合は、NTTコミュニケーションズが提供するSmartGo® Stapleなどを使用してもよいでしょう。SmartGo® Stapleを使用した場合、Suicaと連携が可能となります。交通費精算処理をスムーズに行えるようになるでしょう。

加えて、自分で計算する手間や時間が気になる場合は専門家に依頼するといった方法でも不正を防ぐことが可能です。

経費が気になる場合は節税対策を

経費として扱われるコストを把握したうえで、所得税額を調整したい場合は節税対策を行いましょう。個人事業主が対策できる項目は次のようなものがあります。

・小規模共済やiDeCoなどの掛け金
・社会保険料
・生命保険や地震保険の掛け金
・青色申告にする(最高65万円の特別控除)
・減価償却の特例(10万円以上30万円未満の固定資産を一括で経費にする)

これまでに加入していなかったサービスを利用することで節税対策が可能です。とくに個人事業主の場合は、将来的な資産形成のために生命保険や小規模企業共済などを検討してみましょう。

まとめ

個人事業主として、経費を計上する場合は事業とプライベートを明確にわけましょう。場合によっては、発生した費用に対して、書類や領収書などで事業と関連があることを証明する必要もあります。

また、経費を計上しなければ正確な収入額を把握できないため、罰則を防ぐためにも正確な経費を算数しなければなりません。

交通費精算が多い場合は、NTTコミュニケーションズが提供するSmartGo® Stapleを活用してみましょう。Suicaと連携できるため、経費精算や交通費精算処理がスムーズになり、業務の効率化につながります。とくに、交通費の領収書の管理が煩わしいと頭を悩ませている場合に役立つといえます。

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