法人カードを私的利用すべきではない理由を徹底解説
公開日:2024/5/9
法人カードは企業の経費精算が効率化されたり、資金繰りに余裕を持たせられたりするといったメリットがあり、実際に運用されている企業や個人事業主も多いでしょう。一般的に、法人カードは事業に関連する支払いを行うときに使用します。しかし、従業員一人一人に発行するケースもあり、いつどのようなタイミングで使うかについてはそれぞれの従業員に委ねられる場合も多いです。そのため、従業員の中には、会社の法人カードを使用して私的利用してしまうケースも珍しくありません。
そもそも法人カードは私的利用してもいいものなのでしょうか?また、私的利用させないためのポイントを知りたいという企業も多いでしょう。
本記事では、法人カードを私的利用すべきではない理由と私的利用させないためのポイントについて詳しく解説しますので、興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
法人カードを私的利用してもいいのか?
はじめに、法人カードを私的利用してもいいのかについて解説します。
結論からいえば、法人カードは私的利用すべきではありません。法人カードは、事業に関連する支払いを行うために使われます。使用目的は経費全般となるため、私的利用はすべきではありません。
しかし、法人カードは従業員に配布されます。また、事業関連費以外は決済できないということはありません。そのため、企業が法人カードを運用する場合、私的利用させないための対策を取ることが重要です。
法人カードを私的利用すべきではない4つの理由
次に、法人カードを私的利用すべきではない理由を4つご紹介します。なぜ私的利用してはいけないのかがわかるので、ぜひ参考にしてください。
会計処理が複雑になるため
1つ目の理由は、会計処理が複雑になるという点です。
法人カードは、事業に関連する支払いのみが行われることを想定されています。しかし、私的利用が発生すると、私的利用分と経費分を引き落とし金額から割り出し、私的利用分を役員貸付金などで仕訳をする必要があります。
また、法人カードを使用すると、当然支払日までにその金額分を事業用口座に入金しなければなりません。法人カードの私的利用がある場合、従業員から私的利用分を徴収して事業用口座に入金する必要があります。
元々、法人カードは事業関連費の支払いを想定しているため、経費精算が効率化されるなどのメリットがあります。しかし、このように私的利用してしまうと会計処理が複雑になり、反って負担が増えることになるので、法人カードを私的利用すべきではない理由のひとつです。
脱税を疑われる可能性もある
2つ目の理由は、脱税を疑われる可能性があるという点です。
法人カードを私的利用してしまうと、一時的に会社のお金を使っている状態になります。法人カードで使用した分を個人名義の口座から法人口座に入金すれば、帳簿を正確にすることができますが、会社のお金を横領していると判断されても仕方ありません。
また、税務署から法人税を減らすために私的利用しているのではないかと疑われる可能性があります。税務署から指摘を受けたり、罰金や刑事責任を問われたりするリスクはゼロではないため、法人カードの私的利用は不適切といえるでしょう。
融資審査が不利になりやすい
3つ目の理由は、融資審査が不利になりやすいという点です。
法人カードを私的利用すると、会社が事業用のお金を役員などの個人に貸していることになります。これにより、金融機関側から「まずは会社が個人に貸しているお金を返済してもらってから融資を受けてください」というような指摘を受ける可能性があるでしょう。
また、法人カードを私的利用している場合、経理の管理が行き届いていないと判断されてしまったり、会社の資金の私的流用を疑われたりします。これにより、金融機関から融資を受ける際に不利に働く可能性があるので、法人カードの私的利用は企業の資金繰りにも大きな影響を与えるでしょう。
ポイント等も私的利用はすべきではない
4つ目は、ポイント等も私的利用した場合、業務上横領罪になる可能性があるという点です。
法人カードの支払いは、それを契約した企業が行っています。ポイントは法人カードの支払い金額によって付与されますが、そのポイントに関しても所有者は法人カードを持つ企業です。もし、ポイントを私的利用してしまうと、業務上横領罪に問われる危険性があるため、従業員がプライベートで使用してはいけません。
自社から犯罪者を出さないためにも私的利用でポイントを使用しないように注意喚起しておくことが重要です。また、従業員用の追加カードを作成している企業は、貯まったポイントの使い道に関してもあらかじめ決めておくようにします。また、法人カードで貯めたポイントは事業用の支払いで消費するようにしましょう。
法人カードを私的利用させないためのポイント
法人カードの私的利用は銀行の融資が受けづらくなったり、経費処理が複雑になったりします。そのため、企業は法人カードを私的利用させないように対策を取ることが重要です。
ここでは、具体的に法人カードを私的利用させないためのポイントをいくつかご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
法人カードを利用する際にルールを整備する
1つ目のポイントは、法人カードを利用する際のルールを整備することです。
例えば、法人カードのルールに利用範囲を設定すれば、経費以外の支払いに使用できないようにすることができます。これにより、私的利用できない仕組みを構築することができるので、企業はリスクを最小限に抑えられるでしょう。
そのほかにも法人カードを使用して決済した場合、領収書の提出を義務付けたり、事業に関連する支払いを行うときだけ追加カードを貸し出せるようにしたりするといったルールも有効といえます。
法人カードごとに上限額を設定しておく
2つ目のポイントは、法人カードごとに上限額を設定することです。
法人カードの中には、企業総与信枠の中で従業員に限度額を決められるところもあります。利用限度額を必要最低限の金額に設定しておくことで、使い込める金額が限られているため、私的利用によって企業が大きな支払いを背負うリスクを減らすことが可能です。
従業員ごとに利用限度額を決めることで、一人の社員の使い込みによってほかの社員が決済できないというトラブルを回避することもできます。資金繰りへの影響も少なくなるため、法人カードを運用する際は、従業員ごとで利用限度額を決めるのが安心です。
まとめ
今回は、法人カードを私的利用すべきではない理由や私的利用させないためのポイントについて解説しました。法人カードの私的利用は、会計処理の複雑化や融資が不利に働くなど、企業にとってさまざまなデメリットがあります。そのため、企業は法人カードを私的利用させないために、しっかりと対策を講じることが重要です。
法人カードの私的利用を防止するために、ルールの整備や従業員ごとに利用限度額を決めるなどさまざまな方法がありますが、プリペイドカードを活用することで企業は最小限のリスクで運用することができます。
NTTコミュニケーションズでは、法人向けプリペイドカード『ビジネスdプリペイド』を提供しています。必要最小限の金額をチャージして従業員に配布することで、従業員の私的利用によって企業が大きな支払い金額を背負うということがありません。安心して法人カードを運用したいという方は、ビジネスdプリペイドの利用を検討しましょう。
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