企業と個人のソーシャルメディア活用状況調査
~「売りたい」企業と「感想を共有したい」個人のギャップが浮き彫りに~
NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、法人ユーザおよび個人ユーザ約2,200人を対象に、「ソーシャルメディアの活用状況」に関する調査を実施しました。
今回の調査により、TwitterやFacebookを活用する際、企業側はマーケティング目的で利用する傾向が見られるが、個人ユーザはTwitterやFacebookを購入の意思決定としてはあまり利用しておらず、むしろ「購入後の感想」や「不満」について「家族や友人」と話す際に活用している、というギャップが見て取れました。また、これに伴い、インターネットがコールセンターや店舗に比類する「対話チャネル」となっていることもあきらかになりました。
【調査概要】
調査期間:2011年9月22日~9月27日
調査方法:非公開型インターネットアンケート
調査対象:gooリサーチ・消費者モニター
(法人ユーザ有効回答)企業内個人(自営業・公務員含む) 1,738人
(個人ユーザ有効回答)インターネットを日常的に利用する個人 500人
【調査結果サマリー】
- 企業のソーシャルメディアの利用目的は「ブランディング(52.8%)」「販売促進(50.5%)」が中心だが、ROI(投資対効果)の明確化が課題となっている
「ソーシャルメディアに興味はあるが、具体的な活動の予定はない」と答えた企業ユーザは、ソーシャルメディアに取り組まない理由として「業績への貢献度がわからない(46.5%)」「担当者が足りない(31.1%)」などを挙げており、ROI(投資対効果)が明確に定義できていないことがハードルになっている。
- 個人にとってTwitterやFacebookは、商品・サービスの「購入後」の感想を書き込み、友人と共有する場所となっている
TwitterやFacebookは、個人にとって基本的には「友人とおしゃべりする場所」であり、商品・サービスの購入に関する情報を期待しているわけではない。しかし、企業や店舗からのメッセージを受け取ったり、購入後の感想を述べる場所としては頻繁に使われており、既存ユーザ(ファン)との関係強化の場として有効であると考えられる。
- インターネットはコールセンターや店舗に比類する対話チャネルとなっている
商品やサービスに対する不満の表明先として、サポートセンターに寄せられる顧客の声の76%、店舗に届く声の1.8倍にあたる量がインターネットに流れており、インターネットでは、企業サイト(31.6%)だけではなく、SNS(22.1%)や掲示板(22.1%)、Twitterなどのマイクロブログ(14.0%)が不満の表明場所として多く使われる傾向がある。
調査結果の詳細は、別紙を参照ください。
【考察】
今後企業には、ソーシャルメディアにおける既存顧客の声を傾聴して製品・サービスの改善を図ること、顧客の不満解消に真摯に対応すること、個人ユーザから「継続して関係を持ってもよい」と思われるための中長期的なブランディングなどが求められると考えられる。
【調査担当】
NTTコミュニケーションズ株式会社
アプリケーション&コンテンツサービス部 マーケティングソリューション部門 主査
森 祐二