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2023年12月7日

ローカル5G等を活用した複数の地域かつ複数の救急病院間を跨ぐ救急医療の地域医療連携モデルの実現に関する実証を開始

NTT コミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、総務省「令和5年度 地域デジタル基盤活用推進事業(実証事業)」において、株式会社NTTデータ経営研究所(以下 NTTデータ経営研究所)が設立したコンソーシアム(以下 本コンソーシアム)が実施する、徳島県における救急医療連携の高度化に関する実証(以下 本実証)に参画します。本実証はローカル5G※1やWi-Fi 6E※2、4Kカメラを使用し、救急搬送時の救急車内から搬送先病院および2次救急病院※3と3次救急病院※4間における医療情報連携の高度化をめざして行うものです。

1.背景と課題

徳島県は、人口の71.3%が東部医療圏域に集中し、医師も77.7%が同圏域に集中しており、圏域による医師の地域格差が発生しています。また徳島県では、全国と比較して3次救急病院への救急搬送が集中しており、3次救急病院での患者の受け入れが困難となるケースがあります。そこで、2次救急病院での処置の適正化と3次救急病院へ搬送する患者の適正化、さらに患者搬送後の処置の迅速化のために、救急患者のバイタルや映像を搬送先病院と連携することで、3次救急病院への搬送集中の緩和および将来的な救命率の向上が求められています。

NTT Comは、令和4年度の総務省「課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」において、救急車と搬送先病院、2次救急病院と3次救急病院の1対1の施設間での映像・バイタルの遠隔連携のローカル5G活用モデルを設計・構築し、医療視点での有効性を検証しました。一方で、実際の救急医療は1対1の関係で完結せずに複数の医療機関と調整が発生します。そこで、令和5年度は実装に向けて、複数の消防本部と複数の搬送先病院との映像・バイタルの遠隔連携、および複数の2次救急病院と複数の3次救急病院との遠隔連携(以下 N対N対応)の接続検証を行います。

2.本実証の概要

ローカル5GやWi-Fi 6Eおよび4Kカメラなどを活用し、N対N対応を可能とする「地域医療連携モデル」のソリューションを開発し、5つの病院と3つの消防本部において実機を用いた機能検証を2023年12月から行います。

消防本部と医療機関との連携の質を向上させることで、3次救急への救急搬送の集中回避、転院搬送の緩和を行い、結果として救命率向上に貢献することを目的とします。

本実証において、NTT Comでは「docomo MEC®※5」と「Smart-telecaster Zao-X / Zao Cloud View※6」による4K映像伝送サービスを提供し、キャリア5Gとローカル5G間のセキュアで低遅延な相互接続を実現させ、実装に向けたN対N対応に関する接続検証を行うことにより、地域医療DXに貢献します。

<実証内容>

① 4K高精細映像・バイタルデータの伝送システムによる救急搬送中の患者情報連携

救急車と搬送先病院間のキャリア5G、LTEおよびローカル5G、Wi-Fi 6Eによる無線接続を行い、搬送中患者の容体を4Kカメラ映像およびバイタルデータを伝送することによる救急医療の高度化を検証

② 4K高精細映像・バイタルデータの伝送システムによる2次救急病院と3次救急病院間の患者情報連携

2次救急病院と3次救急病院間をローカル5Gにより無線接続し、患者の4Kカメラ映像やバイタルデータの伝送およびJoin※7を活用した専門医によるコンサルテーションによる遠隔医療の高度化を検証

<実証時期>

2023年12月~2024年2月

3.本コンソーシアム各社の役割

株式会社NTTデータ経営研究所

本コンソーシアム代表

実証モデルの社会実装・普及展開の検討

NTTコミュニケーションズ株式会社

救急搬送中や施設転送時の医療の高度化の実証実験の効果検証と機能検証

キャリア5G - ローカル5Gの連携、4K映像伝送サービスの提供

ケーブルテレビ徳島株式会社

ローカル5Gシステムの機器接続・運用支援

DAS(分散アンテナシステム)拡張サービスの提供

徳島県

ローカル5G基地局の構築

実証フィールド(病院、救急車)の提供

徳島県立中央病院

医療現場視点での有効性評価

実証フィールドの提供

徳島赤十字病院

医療現場視点での有効性評価

実証フィールドの提供

徳島県立海部病院

医療現場視点での有効性評価

実証フィールドの提供

徳島県立鳴門病院

医療現場視点での有効性評価

実証フィールドの提供

JA徳島厚生連阿南医療センター

医療現場視点での有効性評価

実証フィールドの提供

4.今後の展開

本実証の成果をもとに、令和6年度以降、徳島県内の救急・医療機関へキャリア5Gとローカル5Gをかけ合わせた遠隔医療システムの実装をめざします。


NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアは、ドコモグループとして法人事業を統合し、法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開しています。「モバイル・クラウドファースト」で社会・産業にイノベーションを起こし、すべての法人のお客さま・パートナーと「あなたと世界を変えていく。」に挑戦します。

NTT Comは、事業ビジョン「Re-connect X®」にもとづき、お客さまやパートナーとの共創によって、With/Afterコロナにおける新たな価値を定義し、社会・産業を移動・固定融合サービスやソリューションで「つなぎなおし」、サステナブルな未来の実現に貢献していきます。

※1:ローカル5Gとは、企業などが通信事業者に頼らず自社の建物や土地において独自の5Gネットワークを構築することができる仕組みのことです。

※2:Wi-Fi 6Eは、Wi-Fi 6を拡張した無線通信の規格で、これまでの2.4GHz帯/5GHz帯に加え、6GHz帯の利用が可能な通信方式です。

※3:2次救急病院とは、地域で発生する救急患者への初期診療を行い、必要に応じて入院治療を行う病院のことを言います。

※4:3次救急病院とは、緊急性・専門性の高い脳卒中、急性心筋梗塞や、重症外傷など複数の診療科領域にわたる疾病など、幅広い疾患に対応して、高度な専門的医療を総合的に判断する病院のことを言います。

※5:「docomo MEC」は、株式会社NTTドコモの商標です。「docomo MEC」は、NTTドコモが提供元でありNTTコミュニケーションズが販売する、国内初の「MEC」(Multi-access Edge Computing)サービスです。5Gの特長を最大限に活用できる「MEC」により、リモートをよりリアルに、リアルを楽しく・快適にする、最先端ソリューションを創出できます。日本全国複数個所に拠点があり、地域の課題解決に寄与します。
(参考)「docomo MEC ポータルサイト」 https://www.mec.docomo.ne.jp/index.html

※6:「Smart-telecaster Zao-X」と「Zao Cloud View」は、株式会社ソリトンシステムズが開発した、携帯電話回線などを利用して高画質の映像を伝送・配信するシステムです。独自の圧縮伝送技術である「RASCOW」を「RASCOW2」へと進化させ、映像伝送最大の課題だった遅延の問題も解消、超短遅延の映像伝送を可能にしています。
(参考)「Zao-X」https://www.ntt.com/business/services/stzx.html

※7:「Join」は、株式会社アルムが提供する医療関係者間コミュニケーションアプリです。

※8:「DICOM」とは医療画像機器で用いられる汎用の画像フォーマットおよび通信規格です。

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