2015年5月28日
日本語版グローバル脅威インテリジェンス・レポートの公開
NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、NTTグループにおけるセキュリティ関連各社が共同で編集、編纂した「グローバル脅威インテリジェンス・レポート2015年」の日本語版を本日公開します。
※本レポートは以下URLよりダウンロード可能
WideAngle セキュリティリポートページ
本レポートは、NTT Com Security AG、 Solutionary, Inc.、Dimension Data Holdings plc、NTT Data Inc.、NTTの研究所の協力を得て、NTT Innovation Institute(NTT I3)がとりまとめた、2014年のITセキュリティに関わる脅威のグローバル全体でのトレンド、対策方法、関連技術などを伝えるレポートで、2015年5月12日に発表された英語版「2015 Global Threat Intelligence Report」の全文日本語訳です。
アジア、北米、ヨーロッパなど、世界16カ所に展開しているNTT Com Security AGのセキュリティオペレーションセンターでの監視、NTTグループ全体で展開しているハニーポットによって収集した脅威情報、さらにグローバルTier1事業者であるNTT ComのグローバルIPネットワークにて得られた、全世界の数兆件にもおよぶセキュリティ・ログデータの分析と約60億件ものセキュリティアタックの情報を基に、1,300名を超えるセキュリティエキスパートがその脅威分析に貢献しています。
NTTグループの全世界規模および各業界の顧客企業の基盤も対象に分析されたレポートであるため、海外に事業展開するあらゆる業種の日本企業にとって、情報セキュリティ対策導入を検討するための一助になると考え、本レポートの日本語版を作成しました。
NTT ComならびにNTTグループは、今後も世界規模の分析およびレポートを定期的に発信していきます。
1.「グローバル脅威インテリジェンス・レポート2015年」のポイント
―「大多数の組織において、自らの環境に起こり得る重大なインシデントに対する準備が不十分」(本文より)
本レポートでは、依然として多くの企業や組織があまり高度ではない脅威に対してさえも十分な準備ができていない状況と、サーバーなどのシステムだけではなく、システムを利用するエンドユーザを防衛線として認識すべきであることを調査結果として解説しています。また、それらの調査結果を踏まえた効果的な対策を、ケーススタディも交えて紹介しています。
- 企業内システムにおいて検出された脆弱性のうち、76%は公表後2年以上が経過したものであり、その多くはエクスプロイト・キット*1によって容易に攻撃が可能なものである。つまり、企業システムにおけるコンプライアンス・アセスメントの合格基準を満たしていない。
- 2014年において頻度の多い脆弱性上位10位のうち7種類が、エンドユーザが利用する端末で検出されており、また、休日などでエンドユーザである従業員が出社していない週末に、攻撃の頻度が下落していることからもエンドユーザを攻撃対象としていることが分かる。
- 攻撃対象としては、昨年同様、金融機関が18%と最も高い割合を占めている。また、マルウェアを用いた攻撃では、大学などの教育機関でのイベント検知が全体の3分の1と高い割合を占めている。
- グローバルにおけるNTTグループの顧客企業に対する攻撃のうち、56%は米国内のIPアドレスを攻撃の起点としている。これにより、攻撃者が高度にネットワーク化された米国のリソースや、標的となる企業に近いシステムを悪用し、地理的フィルタリングによる防御を回避して、攻撃を行っていることが予測できる。
2.「グローバル脅威インテリジェンス・レポート 2015年の掲載場所
WideAngle セキュリティリポートページ
http://www.ntt.com/wideangle_security/data/sec_repo.html
※「2015 Global Threat Intelligence Report」(英語版)は以下のURLよりダウンロード可能です
https://nttgroupsecurity.com/NTTComSecurity
※国・地域別の脅威情報がリアルタイムに確認できる「Top Global Attacks Choropleth」は以下のURLより閲覧可能です
http://www.nttgroupsecurity.com
*1:セキュリティ上の脆弱性を攻撃するための各プログラムを1つにパッケージ化し、さまざまな脆弱性攻撃を容易に実行できるようにしたプログラムのこと。