2015年12月9日
香港最大規模の「香港 ファイナンシャル データセンター」を拡張
~金融機関向けハイエンドデータセンターの第2棟を開設~
NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、香港で提供中の「香港 ファイナンシャル データセンター」において、約150億円を投じて建設した第2棟(FDC2)を本日より提供開始します。
本データセンターは、香港の九龍半島東部のTKO(Tseung Kwan O: 将軍澳)地区に位置し、既存棟(FDC1)と合わせて香港最大規模のサーバールーム面積約17,000m2(7,000ラック相当)を提供します。
1.背景
香港は、中国市場へのゲートウェイおよびシンガポールと並ぶアジア地域のIT・経済活動のハブであり、多国籍企業のお客さまの拠点が集中しています。なかでも金融機関やIT企業のお客さまが多く、高性能かつ安定したICT環境が求められています。
NTT Comは、このような需要に応えるため、2013年5月にデータセンター業界の最高品質水準Tier IVに対応した「香港 ファイナンシャル データセンター」を開設しましたが、販売開始時点で満床近くになるなど、多くのお客さまからご好評をいただき、その拡張が急務でした。本データセンターでは、投資効率を高めるため、当初から段階的な建設を計画しており、今回建設したFDC2により、NTT Comは、香港のデータセンター市場において、一層サービスを拡充していきます。
「香港 ファイナンシャル データセンター」FDC2の外観イメージ
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2.概要・特長
Tier IV対応可能な高信頼性をFDC1から継承しつつ、設備効率性を高めた香港のデータセンターでは最大の規模を誇る地上6階建てのデーセンター専用ビルにより、Nexcenter™ブランド*1の下でサービス提供します。
(別紙1)「香港 ファイナンシャル データセンター」FDC2の仕様
(1) 金融機関の利用に最適化されたハイエンドデータセンター
二系統冗長構成の電力設備、停電時でも空調システムの継続運転を可能にするUPSバックアップと180万リッターの大型冷却水タンク、8段階の安全なセキュリティ運用を完備しており、ミッション・クリティカルな金融機関やIT企業の基幹システム用として最適なデータセンターです。
また、本データセンターは、大容量光海底ケーブルASE(Asia Submarine- cable Express)が直結しており、アジアの主要都市間を結ぶネットワークサービスを、業界最高レベルの低遅延かつ低コストで利用できるだけでなく、香港証券取引所に近接しているので、100万分の1秒を争う金融商品の高頻度取引などを扱う金融機関のお客さまは、より高速で安定した信頼性の高いICT基盤を構築できます。
(2) 先進技術の採用によるエネルギー効率性の向上
最大24kVA/ラックの高密度電力利用が可能な54Uの大型ラックにより、お客さまは、ご利用ラック数を節約することが可能です。ラックの冷却効率を高め、さらなる省エネを推進する先進の壁面吹き出し方式の採用や、寒冷時は冷凍機を停止して、冷却塔での熱交換に切り替えるウォーターサイドエコノマイザーにより、空調システム全体のエネルギー効率性をこれまでより約16%高めています。
(3) リスクマネジメントを支援するカスタマーポータル
FDC2では、ビルディング・インフォメーション・モデリング(BIM)*2と、データセンター設備や稼働状況などを管理するデータセンター・マネジメント・システム(DCMS)を統合して、それらのシステムから得られるビックデータから、システムの実稼働状態や過去の履歴など、お客さまの戦略的意思決定に必要な情報を可視化して、お客さま専用のカスタマーポータルサイトでリアルタイムに提供します。
*1:データセンターサービス ブランド「Nexcenter™」
「高品質」、「低コスト」、「柔軟性」を統合した次世代データセンターサービスの需要に応えていきます。
*2:デジタル3D化した建物データに設計・管理・コストなどの情報を付加したデータベースを使い、設計・施工・維持管理に至るライフサイクルを通じて情報活用を可能にするソリューション