2020年4月22日
製造業のDXを支援し、"新しいモノ&サービスづくり"に貢献するSmart Factoryを推進
NTTコミュニケーションズ (以下 NTT Com) は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、社会的課題の解決を通じた「Smart World」の実現をめざしています。その1つである「Smart Factory」において、NTT Comは、データ利活用に必要なすべての機能をワンストップで利用できる「Smart Data Platform」を活用し、2020年度より製造業に特化した業界協調型デジタルプラットフォームやDXソリューションを展開していきます。これにより、変革期にある日本の製造業のDXを支援し、"新しいモノ&サービスづくり"に貢献していきます。
1.背景・目的
少子高齢化の進む日本において、モノづくりに従事する製造業就労者の減少はますます深刻化しており、限られた人員で従来の成果を維持、拡張することが今後の大きな課題になっています。そのためには、現場業務の省力化、生産性向上ならびに業界内外のパートナーとの連携・協業を加速させることが必要です。加えて、自社の強みを発揮できる "コアコンピタンス"への注力と、業界内でリソースを共有可能な"共創協調領域"の効率化の両面を実現することが重要となります。
NTT Comは、昨年9月より提供している「Smart Data Platform」上で、各企業の秘匿性の高いデータを安全に流通させる仕組みである「DATA Trust®」※1を具備した業界協調型デジタルプラットフォーム、さらには製造業各社のコアコンピタンス強化を支援する製造業向けDXソリューションを、今後提供していきます。これにより、製造業のDXを支援し、各社の"新しいモノ&サービスづくり"に貢献していきます。
「Smart Factory」のターゲット領域
2.「Smart Factory」の3つのアプローチ
(1) 業界協調型デジタルプラットフォーム
製造現場における共創協調領域の業務や重複業務について、個社単位ではなく、業界全体でのデジタル化・ユーティリティ化を実現するための業界協調型デジタルプラットフォームを提供します。これにより、自社のリソースを、注力すべき真のコアコンピタンスへ集中することが可能となります。
(2) 秘匿性の高いデータを安全に流通させる「DATA Trust®」
「DATA Trust®」では、データの所有者がデータの利用条件や利用者を指定でき、秘匿性の高いデータを安全に流通・分析することが可能となります。NTT Comでは、NTT ソフトウェアイノベーションセンタの研究成果を活用し、「DATA Trust®」を「Smart Data Platform」の基盤機能の1つとして提供します。これにより、さまざまな企業のデータが共存できる業界エコシステムとして、産業全体の競争力を下支えします。
(3) コアコンピタンスにおけるDXソリューション
これまでNTTグループが取り組んできたAIやデータ分析の知見と、製造各社の技術・ノウハウを掛け合わせ、さらにはローカル5G※2やOTセキュリティ※3を活用して、製造現場のさまざまな課題を解決し新たな価値創出を支援します。
3.「Smart Factory」を実現するアクティビティ
① デジタルマッチング(設計/調達DX)
製造業全体の業務効率化に向け、3次元設計データによる部品(直接材)の調達にフォーカスしたマッチングと設計・調達業務の効率化を軸としたサービスを提供します。
② 組立加工DX
IoT技術を活用することで、工場の見える化や複数工場間の連携を実現し、工作機械業界全体のDXを支援するサービスを提供します。
③ 化学プラントDX
アドオンセンサー※4による異常検知、音声認識デジタル点検表、目視作業のAI画像解析による自動化など、運転・保全員の五感データを活用したアプリケーション、防爆インフラ※5を提供します。
④ デジタルツイン※6/アナリティクス
工場内で発生するデータをAIで解析し、品質予測・異常検知・運転最適化・要因可視化・自動制御などにより、コアコンピタンスのDXソリューションを提供します。
⑤ サーキュラーエコノミー※7
サーキュラーエコノミーを実現するために必要な原材料・中間材・製品・エネルギー・人に関わるデータを流通するためのプラットフォームをパートナーの皆さまと一緒に提供します。
4.今後の展開
NTT Comは、「DX Enabler®」として、Smart Factoryを推進していきます。第1弾として、デジタルマッチング(設計/調達DX)に関する実証実験を行い、デジタルパートナーも含めたエコシステムを構築することで、製造業のDXを後押しし、"新しいモノ&サービスづくり"に貢献していきます。
関連リンク
※1:「DATA Trust®」は、日本電信電話株式会社の登録商標です。
※2:ローカル5Gは、携帯電話事業者による5Gサービスとは別に、地域の企業や自治体などが自らの建物や敷地内で5Gネットワークを構築し利用可能となります。
※3:OTは、Operational Technology(オペレーショナルテクノロジー)の略で、社会インフラに必要な製品や設備、システムを最適に動かすための「制御・運用技術」を意味します。
※4:アドオンセンサーは、低照度光発電により電池交換不要で、防爆エリアにも設置可能な追加設置型の振動センサーです。
※5:防爆インフラは、工場内の防爆エリアで使用可能な防爆加工したスマートフォン、アドオンセンサーです。
※6:デジタルツインは、実際のプラントを仮想的にリアルタイムで再現し、高度な予測に活用する技術です。
※7:サーキュラーエコノミーは、循環型経済とも呼ばれており、従来の「作って」、[使って」、「捨てる」というリニアエコノミー(直線型経済)と対比される経済システムです。
本件に関するお問い合わせ先
2020-R028