2022年2月21日
水害ハイリスク地域における市民参加型の
「デジタル防災訓練」を用いた実証実験を開始
~デジタルツインによる顧客ニーズの可視化と新規サービスの創出促進~
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下NTT Com)は、東京理科大学理工学部土木工学科水理研究室(教授:二瓶泰雄、以下 水理研)の協力のもと、水害ハイリスク地域の防災・減災の実現に向け、市民参加型の「デジタル防災訓練」を用いた実証実験(以下 本実証実験)を2022年4月より開始します。本実証実験では、国や自治体が指定する水害ハイリスク地域をデジタルツインで再現し、発災前後のシチュエーションを市民がアバターとして体験しながら自身の行動をシミュレートしてもらうことで、避難行動の可視化、防災意識の向上、安全に避難できる施策の検討を行います。加えて、デジタルツインの構築における技術課題の抽出を行います。
<デジタル防災訓練の実施イメージ>
1.背景
NTT Comはデジタル技術を活用し、あらゆる企業や社会・産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組んでいます。また、産官学連携でCSV※1の実現による日本の社会課題解決をめざし、2020年に「日本版Smart Societyプロジェクト」(以下 本プロジェクト)を立ち上げました。本プロジェクトでは現実世界をよりよくするために、オープンかつセキュアな「参加型デジタルツインシミュレーションプラットフォーム」※2の社会実装により、以下の実現をめざします。
①顕在化していないニーズや行動パターンの可視化および意思決定・合意形成への活用
②共創パートナー(企業/行政など)による新たなサービス開発の促進
本プロジェクトの第一弾として、近年増加する気象災害をテーマに本実証実験を行います。
<参加型デジタルツインシミュレーションプラットフォームの概要図>
2.本実証実験の概要
本実証実験は、国が提供するオープンな都市空間データや独自のデータをもとに、行動の際に目印となる店舗や看板まで3D CGによってリアルに再現されたデジタルツイン上の街で実施します。市民がその街にアバターとして参加し水害が起きる前後の行動をシミュレートし、行動データの分析をNTT Comが行います。
これにより、市民の避難行動および発災時のリスク箇所の可視化や、「デジタル防災訓練」参加前後の水害に対する防災意識・行動変容に関する情報の収集、安全に避難できる施策の検討を行います。河川の氾濫状況など実態に即した水害再現は水理研の助言のもと行います。
また、「デジタル防災訓練」は期間内に複数回実施し、課題の抽出と改善を繰り返し行うことで精度の向上を図ります。
3.実施期間
2022年4月~2023年3月
4.今後の展開
NTT Comは本実証実験で収集したデータを活用し、企業や行政などへの防災・減災へ向けた提言および共創パートナー(企業/行政など)と新規サービス・ソリューションの開発検討を行います。また、将来的には、「参加型デジタルツインシミュレーションプラットフォーム」の活用により、気象災害だけではなく高齢化社会、食品ロスなど幅広い社会課題の解決をめざします。
5.イベント出展情報
2022年2月21日(月)より開催される「CNET Japan Live 2022」※3にて、本報道発表の内容を紹介します。NTT Comの講演は2月25日(金)15:00-15:40です。詳細は公式WEBサイトをご参照ください。
NTTドコモ、NTT Com、NTTコムウェアは、新ドコモグループとして法人事業を統合し、新たなブランド「ドコモビジネス」を展開しています。「モバイル・クラウドファースト」で社会・産業にイノベーションを起こし、すべての法人のお客さま・パートナーと「あなたと世界を変えていく。」に挑戦します。
NTT Comは、事業ビジョン「Re-connect X®」にもとづき、お客さまやパートナーとの共創によって、With/Afterコロナにおける新たな価値を定義し、社会・産業を移動・固定融合サービスやソリューションで「つなぎなおし」、サステナブルな未来の実現に貢献していきます。
※1: CSV(Creating Shared Value)とは自社の強みを用いて社会課題の解決をめざす考え方です。
※2: NTT Comが開発する「参加型デジタルツインシミュレーションプラットフォーム」はデジタルツインをシミュレーターとして活用し、人の行動の可視化や行動変容の促進、それをサポートする共創パートナーの新たなサービス開発を促すプラットフォームです。
※3: 朝日インタラクティブ株式会社が主催する「CNET Japan Live 2022」は、「社内外の知の結集を生み出すイノベーション」をテーマに、さまざまな取り組みを行う挑戦者たちの講演を視聴いただけます。
本件に関するお問い合わせ先
2022-R006