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株式会社NTTドコモ,NTTコムウェア株式会社,インフロニア・ホールディングス株式会社,NTTコミュニケーションズ株式会社

2024年3月28日

株式会社NTTドコモ
NTTコムウェア株式会社
インフロニア・ホールディングス株式会社
NTTコミュニケーションズ株式会社

道路の更新費用を最適化するデジタル基盤を開発、自治体向けに「劣化予測に基づく修繕計画策定支援サービス」の提供を開始

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、NTTコムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)とインフロニア・ホールディングス株式会社(以下、インフロニア)は、道路運営における「更新費用の最適化」に向けた実証実験を行い、劣化予測に基づく長期修繕計画策定のためのデジタル基盤「Digital Twin Road Management基盤」(以下、DTRM基盤)を開発しました。インフロニアは、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)と連携して、DTRM基盤を活用した「劣化予測に基づく修繕計画策定支援サービス」(以下、本サービス)を2024年4月から提供開始します。本サービスの提供を通じ、道路舗装のライフプランナーとして、事後保全から予防保全への転換による道路の更新費用の最適化に貢献します。

1.背景と概要

近年、多くの自治体において、高度経済成長期に整備されたさまざまなインフラの老朽化への対応が喫緊の課題となっています。限られた財源や技術者でインフラを維持・管理していくためには、正確な現状把握とデータに基づく的確な計画策定による予防保全の実施が不可欠です。

本サービスでは、自治体の保有する道路舗装の点検データを用いることで、劣化予測に基づく長期的な修繕計画の策定およびコスト・健全性のシミュレーションを行い、最適なコスト・状態で道路を維持できるよう自治体の支援を行います。シミュレーションには年間予算や修繕閾値など各自治体の方針を踏まえることも可能となっており、職員の手間をかけずに、ライフサイクルコストの最適化やリスクの見える化を実現します。

本サービスの提供には、インフラ業界向けに提供しているメンテナンスやオペレーションサイクルに関するDXソリューション「Smart Data Fusion®※1」を基に開発したDTRM基盤を活用しています。本基盤では、点検データをインプットすると「混合マルコフ劣化予測ハザードモデル※2」による劣化予測や、それを基に最適化した長期修繕計画の策定およびコスト・健全性シミュレーションを行うことができます。なお、本基盤は、ドコモ、NTTコムウェアとインフロニアで行った実証実験を踏まえて開発しており、知多半島道路などを対象にした検証では、今後30年間のライフサイクルコストを20%削減できるシミュレーション結果が得られました。

2.各社の役割

インフロニア 道路建設・運用管理に関するノウハウとDTRM基盤を用いた本サービスの提供(サービス提供主体)
ドコモ
グループ
ドコモ 劣化予測モデルの規格化・修繕計画アルゴリズムの開発、今後の価値向上に向けた研究開発(技術開発)
NTTコムウェア インフロニアが本サービスを提供する際に使用するDTRM基盤の開発
(プロダクト提供)
NTT Com インフロニアによる営業・提案活動の支援、今後の価値向上に向けたソリューション連携

3.今後の取り組み

本サービスは、インフロニアのグループ会社である愛知道路コンセッション株式会社の管轄道路での活用を予定しているとともに、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)※3における取り組みの一環として、社会実装を推進していきます。各社は、今後もそれぞれの活動を通じて、自治体が抱えるインフラ老朽化に関するさまざまな課題解決に貢献していきます。

※1: 「Smart Data Fusion」は、スマートインフラに向けて、インフラ設備の管理・運用情報・3D情報・リアルタイム情報を収集、デジタルツイン空間に統合し、設備管理・投資の最適化に貢献するデータ分析・活用基盤です。詳細は、下記サイトをご確認ください。「Smart Data Fusion」は、NTTコムウェア株式会社の登録商標です。
https://www.nttcom.co.jp/smtech/sdf/

※2:「混合マルコフ劣化予測ハザードモデル」は、大阪大学大学院工学研究科の貝戸教授らが階層ベイズ推計手法を開発した道路の健全度の推移を確率論的手法を用いて推定するモデルです。道路の特性によるグルーピングごとに劣化を予測します。

※3:SIPは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議が司令塔機能を発揮して、府省の枠や旧来の分野を超えたマネジメントにより科学技術イノベーション実現のために創設した国家プロジェクトです。第3期「スマートインフラマネジメントシステムの構築」サブ課題e2「EBPMによる地域インフラ群マネジメント構築に関する技術」の中で本取り組みを推進します。

本件に関するお問い合わせ先


<別紙>

1.「劣化予測に基づく修繕計画策定支援サービス」の概要

名称:劣化予測に基づく修繕計画策定支援サービス

提供開始日:2024年4月1日から

提供内容:各自治体のさまざまな方針(年間予算・修繕閾値など)にあわせて、将来的なコスト・健全性のシミュレーションや最適な舗装修繕計画案の策定を行い、その結果とインフロニアの道路運営に関するノウハウを基に、自治体における道路の更新費用の最適化を支援する

提供価格:個別見積り

お問い合わせ先:インフロニア・ホールディングス株式会社 総合インフラサービス戦略部
Sogo_IS@infroneer.com

サービス提供イメージ

2.「Digital Twin Road Management基盤」の概要

本サービスでは、インフロニアの道路建設・運用管理に関するノウハウと、ドコモの技術を活用し、NTTコムウェアが社会インフラ向けに展開するソリューション「SmartMainTech®※4」のプロダクトの一つである「Smart Data Fusion」を基に開発したデジタル基盤「DTRM基盤」を使用しています。本基盤に自治体の保有する点検データをインプットすると、「混合マルコフ劣化予測ハザードモデル」を用いて将来的な劣化予測を行い、それを基に長期的な修繕計画の策定およびコスト・健全性のシミュレーションを行うことができます。またインプットしたデータやシミュレーション結果をさまざまな形式でアウトプットすることが可能です。

DTRM基盤の構成

3.「更新費用の最適化」に向けた実証実験

DTRM基盤の開発にあたり、ドコモ、NTTコムウェア、インフロニアは実証実験を実施しました。

取り組み①:修繕計画策定の自動化・最適化

点検データを用いることで、劣化の進行状況に応じた修繕範囲・修繕方法や優先度判断を行うアルゴリズムの開発および中期的な修繕計画策定の自動化・最適化

取り組み②:劣化予測に基づく長期修繕計画の策定

大阪大学大学院工学研究科の貝戸教授らが開発した「混合マルコフ劣化予測ハザードモデル」を活用し、点検データを用いた将来的な劣化の予測と、予測結果に基づく最適な長期修繕計画の策定

取り組み③:デジタルツインによる道路データの可視化

道路に関する各種データ(路面種類、点検結果、修繕履歴、修繕計画など)のデジタルツインへの取り込みと可視化による管理

インフロニアグループの愛知道路コンセッション株式会社が運営・管理する知多半島道路などをフィールドとした検証の結果、取り組み①②より、今後30年間におけるライフサイクルコストを20%削減できる可能性が示唆されました。また、取り組み③におけるデジタルツインへの可視化により、更新費用の削減に資する分析や、他工事との同時施工調整などの業務や意思決定の高度化へ活用できることが示唆されました。

コストシミュレーション結果

健全性(MCIランク※5)シミュレーション結果

※4:「SmartMainTech」は、最新のデジタル技術を活用して「効率と安全の両立」「設備稼働率の向上」「投資最適化」によりメンテナンス&オペレーションサイクルを総合支援するDXソリューションです。詳細は、下記サイトをご確認ください。「SmartMainTech」は、NTTコムウェア株式会社の登録商標です。https://www.nttcom.co.jp/smtech/

※5:MCI(Maintenance Control Index:舗装の維持管理指数)とは、路面の損傷状態を表す「ひび割れ率」、「わだち掘れ量」、「平たん性」の値を総合評価する指数です。MCIランクとは道路管理のため、MCI値をランク分けしたものです。MCIランクIは要修繕状態を示します。

2024-R034

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