2024年11月15日
NTTコミュニケーションズ株式会社
路線バスの運転手不足に対応する
IOWNや5Gワイドなどを活用した路線バス自動運転実証を千歳市で実施
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、北海道千歳市(以下 千歳市)における「令和6年度千歳市自動運転実証調査業務※1」において、IOWN※2や5Gワイド※3を活用した路線バス自動運転実証(以下 本実証)を2024年11月に実施します。本実証は、地域公共交通機関のひとつである路線バスの運転手不足に対応する自動運転の社会実装実現に向け行うものです。また、さまざまな産業や地域課題を解決する事業コンセプト「HOKKAIDO IOWN CAMPUS」の取り組みの一環として本実証を行います。
1.背景
全国的に少子高齢化や人口減少が進む中で、公共交通分野においては、運転手の高齢化や人手不足が深刻化しています。千歳市では、近年、路線バスが減便するなど市民生活に影響が出ており、持続可能な地域公共交通を実現するために、運転手不足に対応する自動運転の社会実装に向けた実証を行います。
2.本実証の概要
本実証では、千歳市で運行している路線バスと同規模のバスに自動運転システムを搭載し自動運転バスを運行します。自動運転レベルは、運転手が常時運転席に座り必要に応じてハンドルなどの操作を行う自動運転レベル2の実証です。また、乗客が自動運転バスに乗降する際はバス停に固定した監視カメラの映像を高速大容量・低遅延のIOWN APN※4で遠隔監視室へ伝送します。自動運転バスから約50km離れた遠隔監視室へタイムラグが少ないリアルタイムな映像を伝送し、運転手や乗務員が不在の自動運転バスにおける「乗車時の安全確認」を検証します。
さらに、自動運転バス走行時には5Gワイドを用いて、車両情報や映像によるリアルタイムでの遠隔監視を行う遠隔管制を実施します。パケット優先機能を実装した5Gワイドを用いることで、通勤ラッシュなどの混雑環境下でも安定した伝送が可能か検証します。ガイドライン※5に則した遠隔管制が必要となる自動運転レベル4の実現に向け、安心して自動運転バス活用できる環境の構築をめざします。
<本実証のイメージ>
実施期間: 令和6年11月18日~令和6年11月27日(土日祝日を除く)
自動運転バス運行場所: JR千歳駅から千歳相互観光バス株式会社本社営業所ターミナルの区間
遠隔監視室: 北海道大学
乗車予約、その他情報は、千歳市自動運転実証実験のウェブサイトをご確認ください。
https://www.city.chitose.lg.jp/docs/35581.html
3.今後の展開
本実証の成果をもとに、NTT Comは千歳市の公共交通機関の更なる利便性向上、運転手不足に対応する自動運転の社会実装をめざします。複数の自動運転バスを一括遠隔制御監視する統合遠隔管制センターの実現など、更なるIOWNの活用を検討していきます。また、北海道を起点にIOWNの社会実装を拡大し、企業、自治体、学術機関とともに北海道の産業復興や街づくりを進め、社会課題の解決・地域創生に貢献していきます。
※1:「令和6年度 千歳市自動運転実証調査業務」に係る公募型プロポーザルの実施について - 北海道千歳市公式ホームページ - City of Chitose
※2:IOWN構想とは、最先端の光技術などを使って豊かな社会を創るためのネットワーク・情報処理基盤構想のことです。NTT Comは「IOWN®」を推進するIOWN Global Forum™のメンバーです。
※3:5Gワイドとは、NTT Comの5G総合コンサルティングサービスdocomo business プライベート5Gのメニューです。スライシングにも活用可能な無線ネットワークのパケット優先制御機能により、混雑エリアや時間帯においても通信の安定化・速度向上が可能なものです。通勤ラッシュなどの特定時間帯や都市部・観光地などの混雑したエリアにおけるLTEや5G通信の不安定に対しても安定した伝送を実現します。
※4:IOWN APNとは、ネットワークから端末まで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入したオール光ネットワークです。
※5:警察庁のレベル4に向けたガイドライン 道路交通法施行規則 第九条の二十九を参照しています。
詳細は道路交通法施行規則 | e-Gov 法令検索をご参照ください。
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経営企画部 広報室
2024-R119