課題・ニーズ
日本各地に拠点を設立しているが、拠点間を接続するネットワークに問題があり、システムを安定して使えないといった状況が生じている。また、拠点によってセキュリティ対策の内容が異なるなど、ガバナンス面にも問題がある。
原因
賃貸マンションやオフィスビル、商業施設などの管理業務を主軸に据えて事業を展開するA社は、さらなるビジネスの拡大を目指して新規拠点の開設を加速させています。こうした攻めの経営によって売上を伸ばす一方、業務を支えるICTインフラに課題が生じていました。
A社では本社のサーバールーム内で業務システムやグループウェア、メールサーバーなどを運用しており、各拠点はインターネット回線上でIPsecを使って接続していました。ただ、当初からときおり通信が途絶したり、極端にスループットが低下したりといった不安定な状況が続いていました。さらに最近では「システムを使おうとしてもタイムアウトになって接続できない」、「ファイル転送に時間がかかる」といったトラブルが発生し始めます。その原因となっていたのは各拠点からIPsecでつなぐための本社のVPNルーターで、利用していたファームウェアのIPsec機能にバグがあり安定性が低かったほか、当初想定していたよりも通信量が増大したことで処理能力も限界に達していました。
セキュリティ面での不安も大きかったようです。各クライアントPCにはウイルス対策ソフトこそ導入されているものの、それ以上のセキュリティ対策は拠点によってまちまちで、ガバナンスが適切に効いているとは言い難い状況でした。