1.ビジネスシーンでも動画を使うのが当たり前の時代に
動画コンテンツは、いまや私たちの生活に欠かせないものになりつつあります。数多くの動画配信サービスが登場し、映画やドラマ、音楽などのエンタテインメントが、好きなときに好きなだけ楽しめるようになりました。
ビジネスにおいても、動画の活用シーンは増えています。動画を使った広告のようなマーケティングツールとしてはもちろん、オンラインでのビジネスセミナーや展示会・商品説明、社内での人材教育や情報共有など、その活用シーンは多岐にわたります。
2020年から続く新型コロナウイルス感染症の流行により、対面でのコミュニケーションが難しくなっている今、動画を通じたコミュニケーションは、今後もますます重要になるでしょう。
2.紙のマニュアルでは伝えられないものが多い
先に挙げたように、ビジネスシーンにおける動画の活用例は増えていますが、今回注目したいのは「業務マニュアルの動画化」です。
仕事の手順やルールは、マニュアルとして紙の資料にまとめて共有することが一般的です。特に新人教育においては、すべてを1からマンツーマンで教えるよりも、業務の内容が体系化されたマニュアルを渡す方が、教える手間が省け、業務に必要な知識もスムーズに伝えられます。
とはいえ、紙のマニュアルだけでは伝えられないこともあります。たとえば飲食店における調理手順や製造業における機械の操作など、手や身体を動かす作業については、紙のマニュアルだけでは伝えられず、対面での指導によるフォローが必要になります。コロナ禍の現在であれば、感染リスクを抑えるために、対面で指導を行うことはなるべく避けたいというケースもあるでしょう。
こんなときに動画による業務マニュアルを利用すれば、細かな作業も視覚的にわかりやすく伝えられ、よりスムーズに新人教育を行うことが可能になるのです。
3.動画マニュアルは、教える側にも教わる側にもメリットがある
業務マニュアルを紙から動画化する最大のメリットは、何よりも「わかりやすさ」です。特に機械操作や調理など、細かな手の動きや身体の使い方などを伝えるには、動画は優れたツールです。加えて、何度でも繰り返し見られるというところもメリットです。
研修がOJTで、すべて口頭で説明している職場もあるかもしれませんが、その場合、新人が入ってくるたびに同じ説明をしなければならず、スキルを習得するまでは何度も同じように手本を見せる必要があります。場合によっては、業務が忙しく、新人に対し十分なケアができないこともあるでしょう。
しかし動画であれば、新人は気になる箇所を何度も見直して自らスキルを習得することができ、気になる点があった場合のみ指導者に確認を行うことで、指導する側も、繰り返し説明する手間が軽減できます。
採用するスタッフの人数が多い場合、指導の仕方によって各スタッフの知識・スキルにばらつきが出る場合も少なくありません。しかし、動画マニュアルであれば全員に同じ教え方ができるため、知識・スキルの平準化が図れます。
さらにいえば、マニュアル作成にかかる手間も、動画は紙と比べて少なくなります。紙であれば何千文字もの文章と画像を駆使してまとめなければいけないことも、動画であればカメラの前で実際に業務を行いながら、数分説明するだけで伝えられます。
もし従業員に外国人がいる場合、紙のマニュアルをすべて日本語から各言語に翻訳するのはハードルが高く、手間や時間もかかりますが、実際の動作を見せながら伝える動画であれば理解しやすいはずです。
人材を育成するためには「教わる側」にも「教える側」にも課題が発生しがちです。あるいはコロナ禍で研修方法の変更を余儀なくされている企業も少なくないでしょう。このような場合は、動画によるマニュアルの作成、課題解決の一助になるかもしれません。