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令和6年度の税制改正大綱が公表!
中小企業がおさえておくべきポイントとは

令和6年度の税制改正大綱が公表!中小企業がおさえておくべきポイントとは

2023年12月14日に「令和6年度税制改正大綱」が公表されました。今回の改正は、「賃金上昇が物価高に追いついていない国民の負担を緩和し、物価上昇を十分に超える持続的な賃上げが行われる経済の実現を目指す観点」で行われています。なかには、中小企業に影響する改正もあるので、対応や準備なども必要となるでしょう。本記事では、「令和6年度税制改正大綱」でおさえておくべきポイントについて解説します。

目次

「令和6年度税制改正大綱」が公表された

税制は、税負担の公平確保という理念のもと、経済社会の変化に対応できるように絶えず検討が行われ、毎年改正が行われています。そんな改正内容の大きな流れを知るために役立つのが「税制改正大綱」です。税制改正大綱とは、翌年度以降の増税や減税などの新しい税制措置の内容や検討事項をまとめた文書のことを指します。2023年12月には、来年度の「令和6年度税制改正大綱」(※)が公表されました。

(※)自由民主党・公明党「令和6年度税制改正大綱」

今回公表された大綱は、「法人課税に係る賃上げ税制の改正」や「交際費から除外できる飲食費基準金額の増額」など、中小企業経営にも少なくない影響がある内容となっています。

特に中小企業がおさえておくべきポイントは?

今回公表された「令和6年度税制改正大綱」で、特に中小企業が抑えておくべきポイントについて、それぞれ詳しく見てきましょう。

賃上げ促進税制の強化

賃上げ促進税制とは、企業が前年度より従業員の給与等の支給額を増加させた場合に、増加額の一部を法人税から控除できる制度です。今回の改正では、5年間の税額控除の繰越措置が創設されました。ポイントは、赤字決算の中小企業でも利用可能になることです。厳しい状況でも賃上げを行う中小企業への後押しが期待されます。

中小企業事業再編投資損失準備金制度の拡充

M&A(経営資源の集約化)などで経営力向上計画の認定を受けた中小企業は、準備金の積立の措置を活用できる「中小企業事業再編投資損失準備金制度」が受けられます。この制度は、M&Aによって他社の事業を継承した場合の損失に備えるため、投資額の70%以下を準備金として積み立て、損金に算入できるものです。

今回の改正で、積立率の大幅な引き上げ(2回目のM&Aは90%、3回目以降は 100%)と、準備金積立の据置期間が5年間から10年間へ長期化されることになりました。

交際費等から除かれる飲食費の引き上げ

取引先との会食などの接待に用いられる交際費等は、租税特別措置法上、原則損金として算入できない、つまり税負担を軽くできない経費です。しかし、平成18年度の税制改正によって、1人あたり5,000円までの飲食費を交際費から除外して経費として算入し、税負担を減らすことができるようになりました。

今回の改正で、さらに除外される金額が1人あたり10,000円まで引き上げられることになりました。加えて、中小企業における販路開拓・販売促進等に必要な交際費のうち800万円までは全額損金として算入できるという特例措置も、3年間延長されます。

事業承継税制の特例承継計画における提出期限の延長

事業承継税制とは、事業継承の際に会社の後継者が取得した一定の資産について、贈与税や相続税の納税を猶予する制度です。この制度を受けるには「特例承継計画」の提出が必要となります。

これまで「特例承継計画」の提出期限は2024年3月末までとなっていましたが、今回の改正で2026年3月末までと、2年間延長されました。この改正は、経営者の高齢化が進んでいることの考慮や、中小企業における事業継承の後押しを目的としたものとなっています。

税制改正大綱以外にも世の中の変化は大きい

今回のような税制の改正のみならず、法や制度の改正も毎年のように行われていくでしょう。このような改正・創設などに対し、迅速かつ柔軟に対応することが中小企業にとって大きな課題となります。

こうした課題に対応するために有効な手段の一つとして挙げられるのが、デジタルツールの活用です。ドコモビジネスでも、解決に貢献するためのさまざまなデジタルツールを提供しています。

たとえば、「dX勤怠・労務管理」は、人事業務のデータベースの一元化により、勤怠や給与、社員情報などの管理や各種手続きの効率化をサポートします。さらにクラウドに蓄積されたデータを業務改善に活用できるので、働き方改革関連法にも対応できます。

ほかにも、電子帳簿保存法に関するサービスに「dX電子契約」「dX電子請求書」があります。「dX電子契約」は、契約業務のペーパーレス化をサポートするデジタルツールです。ブラウザで契約書の確認や取引先との契約締結、管理ができるため、作業コストを大幅に削減できます。また、「dX電子請求書」は、請求書や支払明細などの帳票を電子発行し、受領した電子請求書を保存できるクラウド型のサービスです。電子請求書の受領・保存ができるので、電子帳簿保存法にも対応可能です。

毎年のように法や制度の改正が行われるなかでも、迅速に対応していくために、デジタルツールの導入も視野に入れておくと良いかもしれません。

※本記事は2024年1月の情報をもとに制作されています。最新の情報は、関連省庁や自治体のホームページなどでご確認ください

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