DR(ディザスタリカバリ)とは、地震や津波などの災害によってシステムの継続利用が不可能になった際の復旧および修復、あるいはそのためのシステムなどを指します。日本語では災害復旧と訳されます。
DRのための方法はいくつかありますが、その中でも一般的なものとして広まっているのがバックアップです。あらかじめシステムに蓄積されているデータを、別のメディアやストレージに保存しておきます。システムが被災したなどといった際は、バックアップしておいたデータを用いて復旧することにより、データが消失することを防ぎます。なお、バックアップしたストレージやメディアを元のシステムと同じ場所に保存していると、同時に被災する恐れがあります。そのため、バックアップは別の場所に保存することが重要になります。
システムの二重化もDRを実現する方法として広く使われています。こちらは同じシステムを別の場所に構築しておき、災害の発生などによって元のシステムが使えなくなった場合、もう一方のシステムに切り替えるという方法です。元のシステムの復旧を待つことなく、システムを使い始められることがこの方法のメリットで、停止するとビジネスに大きな影響が生じるシステムや、社会インフラを支えるシステムなどで利用されています。
特に日本では地震や台風などの災害が頻繁に発生しているため、災害が発生したときの復旧方法をあらかじめ検討することは極めて重要でしょう。