日本政府が掲げる2050年のカーボンニュートラル実現に欠かせない取り組みがGXです。政府は社会の脱炭素化を目指すために、GXを4つの重点投資の分野の一つに掲げています。日本のみならず、世界中でGXの取り組みが加速する背景にはいくつかの要因が挙げられます。
まず、地球温暖化の深刻化です。大気や海洋汚染といった、環境破壊から生じる地球温暖化による気候変動や海面上昇を解消し、継続的に経済社会を発展させるためには、GXによる地球環境の改善・保持は欠かせないものになります。
現在、日本のみならず、世界中で脱炭素化の動きが加速しています。資源エネルギー庁作成の「エネルギー白書2021諸外国における脱炭素化の動向」によると、2021年4月時点で世界126の国や地域が2050年までのカーボンニュートラル実現を目指すと表明しています。
続いての要因としては、急拡大するESG(環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governanceの英語の頭文字を合わせた言葉)投資市場があります。ESG投資とは、環境・社会・企業統治に配慮している企業を、重視・選別して行う投資のことで、持続可能な投資を促進する組織GSIA(Global Sustainable Investment Alliance)の調査によると、2020年時点で運用金額は3,900兆円を超えています。今後、自社への投資を促進する環境対策としてGXの取り組みが不可欠となります。
経済産業省では、GX実現に積極的に取り組む産学官民が一体となり、経済社会システム全体を変革する議論、新たな市場創造の実践を行う場「GXリーグ」を設立しています。GXリーグに参画する企業の要件として、自らの排出削減の取り組み、サプライチェーンでの炭素中立に向けた取り組み、 製品・サービスを通じた市場での取り組みが定められています。