NaaSはクラウドベースのプラットフォームで、従量課金制またはサブスクリプションベースでサービスを提供しています。サービス範囲は、ネットワーク環境の構築、ネットワークの管理・運用・保守、セキュリティ対策、MPLS（ネットワーク接続高速化技術）の整備などです。

NaaSのメリットの1つは、これらのサービスが一括で受けられることです。サービスごとに事業者と契約していると、手間やコストがかかる上、運用管理も煩雑なため、トラブルが起こった際の連絡や対応に時間がかかり、ICT環境の変化にもスピーディーに対応しにくいデメリットがあります。NaaSを導入すれば、AIや5G、IoTの進展にも迅速に事業者が対応します。
また、場所を問わず、同じネットワークにアクセスできることもメリットです。

事業の拡大など、企業の状況に応じたネットワーク構成の変更にフレキシブルに対応できる点も、NaaSのメリットです。拡張性を備えたクラウドサービスにより、最適なネットワーク環境を構築し、維持します。そのため、企業側で新たにネットワークインフラを構築する必要はありません。自社でハードウェアやソフトウェアを準備する必要もないので、機器類やライセンス料、それらの整備や運用にかかるランニングコストもカットできます。

また、NaaSを提供する事業者は、最新のセキュリティ技術を擁しています。ICT環境の変化に柔軟に対応しながらセキュリティ面も強化できる点は、大きなメリットです。具体的には、ファイアウォールやVPN（仮想プライベートネットワーク）、ログ監視などのセキュリティ対策が挙げられます。企業側は、独自にセキュリティ対策を施さなくてもこれらのサービスを受けることが可能です。

NaaSでは、ネットワークに関するサービスを包括的に受けることができます。

なお、NaaSとよく似たクラウド関連用語にはSaaS、PaaS、IaaSのような種類があります。主な違いは「NaaSはネットワーク機能特化型のサービスである」ということです。これらはインターネットを使って利用するクラウドサービスとして、X as a Serviceの略称である「XaaS（ザース）」に分類されています。