IT用語集

輻輳(ふくそう)とは

インターネット回線や電話回線にアクセスが集中する状況のこと。

輻輳とは、さまざまなものが1箇所に集中する混雑した状況を指します。通信分野の用語では、インターネット回線や電話回線にアクセスが集中することを輻輳と呼びます。インターネット回線や電話回線で輻輳が発生すると、通信速度が低下する、通信システムそのものがダウンするといった弊害が生じます。

もともと、輻輳の「輻」は車輪のスポークを意味し、「輳」は「あつまる」という意味があります。四方八方から中央1箇所へアクセスが集中する状況を指したものです。英語では「congestion」と表現され、「密集」、「集中」、「人口過密」といった意味合いで用いられる表現となっています。

たとえば電話回線の場合、コンサートチケットの予約開始などで特定の電話番号にアクセスが集中することで輻輳が発生し、つながりにくい状態になることがあります。また特定の電話番号宛でなくても、たとえば災害発生時の安否確認などによって電話回線が混雑し、輻輳が発生することがあります。

インターネット回線においても、一時的に大量のトラフィック(一定時間内に転送されるデータ量)が発生すると輻輳が発生し、通信速度の低下、サービスへの接続が不可能になるといった事態が発生します。動画配信サービスや動画共有サービスの普及、クラウドサービスの浸透により、ネットワークデータが急増したことがインターネット回線における輻輳の原因として挙げられています。

輻輳を改善する解決策としてはネットワークの帯域の拡大、いわば渋滞する道路の幅を広げることが一般的です。そのためにはネットワークの混雑状況を把握し、輻輳のポイントを特定することが重要になります。たとえば、社内ネットワークの場合は全体を可視化して、通信の遅延するボトルネックを突き止め、そこの帯域を拡大する、一部の通信を迂回させるといった対策を講じることで問題の解決ができます。

図:「輻輳(電話)」概要説明

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