IT用語集

ロードバランサー(Load Balancer)とは

外部からの通信(トラフィック)を複数のサーバーに分散する装置

外部からの通信(トラフィック)を複数のサーバーに分散するロードバランサーは、負荷分散装置とも呼ばれます。いったんサーバーへのアクセスを集約し、リソースに余裕があるサーバーを接続先として選択するといった機能により、サーバーを含むシステム全体の可用性を向上させる特長があります。

たとえば1つのサーバーでWebサイトを運営すると、そのサーバーが持つ処理能力以上のアクセスがあった場合に、レスポンスが低下してしまう恐れがあり、最悪の場合はサーバーがダウンして利用不能になってしまう事態も考えられます。シンプルな対策としてはサーバーの台数を増やして、処理能力を増強させる方法もありますが、各サーバーが持つ処理能力を有効に利用するためには、いずれかのサーバーにアクセスが集中しないようにアクセスを振り分ける必要があります。

その役割を担うのがロードバランサーです。ロードバランサーはサーバーへのアクセスを集約し、リソースに余裕があるサーバーを転送先として選択するなど、設定したルールに従って各サーバーへアクセスを振り分けて負荷分散をします。さらにサーバーの死活状態を監視し、いずれかのサーバーに障害が発生した場合には、そのサーバーへの振り分けを停止する機能があります。加えてサービスとして稼働するアプリケーションのダウンも監視できるため、Webサイトへのアクセス集中やサーバー故障などの場合でも、アクセス中の利用者に安定したサービスを継続して提供できます。

ロードバランサーの分散方式には、事前に決めた順序でリクエストを各サーバーに振り分ける「静的分散」、サーバーの状態をリアルタイムに測定して、リクエストをサーバーに振り分ける「動的分散」の2つがあります。

ロードバランサーはWebサイトなどのhttp(s)サーバーの負荷分散に用いるケースが大半です。その他にも、製品によってはDNS(Domain Name System)サーバー、IMAP(Internet Message Access Protocol)サーバー、RDP(Remote Desktop Protocol)サーバーの負荷分散にも対応しています。

最近では物理的な装置を必要としない、クラウド型ロードバランサーも登場しています。クラウド型ロードバランサーの最大のメリットは通常時はリソースを抑えておき、トラフィック量がピークになる時期、時間帯にだけリソースを追加するといった柔軟な運用ができるところにあります。

「ロードバランサー」概要説明図

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