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最新鋭のケーブル敷設船「きずな」の内部に潜入!

最新鋭のケーブル敷設船「きずな」の内部に潜入!

島国である日本の通信において重要な役割を担う、海底ケーブルを敷設および修理するための船舶として、新たに就航したのが「きずな」です。このきずなが持つ機能や設備について取材することができたので、レポートとしてお届けします!

目次

災害対策機能を備え、災害時の迅速な通信の復旧を支援

2017年3月31日に就航した新しいケーブル敷設船である「きずな」。大地震などにおける迅速な通信復旧に活用できる、災害対応機能を付加した初めてのケーブル敷設船となる。

インターネットを介して海外のクラウドサービスを接続したり、あるいは世界各地の拠点をVPNサービスで接続したりすることを可能とするため、世界各地の海には海底ケーブルが張り巡らされています。日本と海外を接続する海底ケーブルとしては、アメリカとの接続に使われる「PC-1」、フィリピン、シンガポール、マレーシアなどにつながれている「Asia Submarine-cable Express(ASE)」、そして韓国や中国、台湾などと日本の通信に使われている「Asia Pacific Gateway(APG)」などが代表的な存在です。

こうした海底ケーブルの敷設、あるいは既存のケーブルの修理などを行う最新のケーブル敷設船として、2017年3月31日に就航したのが「きずな」です。運行するのは、NTT Comのグループ会社であるNTTワールドエンジニアリングマリンで、同社がすでに運行している既存の「SUBARU」と2隻の相互補完体制で、きずなは日本国内の海底ケーブル保守を主に担当、SUBARUは国内外の建設工事を主に担当することになります。

きずなの大きな特長となっているのは、ケーブル敷設・修理の役割を担うことに加え、災害発生時に迅速に通信を復旧するための災害対応機能も付加されている点です。搭載されている大型クレーン2基を使い、被災地へ復旧資機材の搬入を可能としているほか、きずな内の会議室や医務室、宿泊施設といった船内設備を利用して臨時の災害対策本部として使うこともできます。そのほか、きずな自身が基地局となって被災地での携帯電話の利用を可能にする船上基地局としての利用、岸壁の電源・飲料水の供給なども想定されています。

海底ケーブルの敷設や修理を行うための最新設備を搭載

クレーンでつり上げられてきずなに搭載される、被災地で臨時の公衆電話を設置することができる衛星通信移動無線車。

大規模災害の発生時、地面の陥没や橋の倒壊などによって道路の利用が困難になり、トラックなどの車両を使った物資の搬送ができないといった状況は十分に想定できるでしょう。しかしきずなであれば、救援物資を積み込んだコンテナを大型クレーンで積み込み、海路で被災地に届けることが可能です。また衛星通信移動無線車や衛星エントランス搭載移動基地局車などといったNTTグループにおける災害対応車両を搭載することもできるように設計されています。

正確なケーブル敷設のために、最新鋭のシステムを数多く搭載していることもきずなの大きな特長となっています。たとえばケーブル敷設の際、ルート上を安定して航行するために搭載されているのが「DPS(Dynamic Positioninng System)」で、風や潮流といった外力の向きや大きさを自動的に計算し、その影響力を打ち消すように推進システムを制御することによって船の位置を適切に制御します。

事前のシミュレーション結果と、位置や速度、潮流といった実際のデータをモニタリングした結果を元に、ケーブル敷設を高度に制御する敷設支援システム「Makai Lay」。

ケーブル敷設の際に使われるのは「Makai Lay」と呼ばれる敷設支援システムで、ケーブル敷設の際のシミュレーションの実施や、そこで得られた結果と実際ケーブル敷設の差をリアルタイムに補正しながら、ケーブルを適切に敷設するための指示を与えることができます。

きずなに搭載されている無人潜水ロボットである「CaRBIS-IV」。埋設されているケーブルを探査するケーブルセンサーやケーブルを船内に揚収するマニピュレータなどを備える。

海底ケーブルの故障点探索や修理後のケーブルの埋設のために搭載されているのは、無人潜水ロボット(ROV:Remotely Operated Vehicle)である「CaRBIS-IV」です。計8個のスラスタを使って海中を移動することが可能であり、ケーブルの探索と船内への揚収、埋設などの作業を行います。

インターネットやNTT Comの「Arcstar Universal One」といったVPNサービスを使って海外と通信を行うために、海底ケーブルは極めて重要な役割を担っています。NTT Comグループでは、これらの海底ケーブルの敷設や運用、そこで必要となるケーブル敷設船といった領域においても積極的に投資を行い、企業のグローバルに広がる活動を支援しています。

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