ネットワーク監視とは?
ネットワーク監視とは、ネットワークが正常に機能しているか、通信品質の低下や障害発生、あるいはその予兆がないかなどを監視することです。監視は基本的に24時間365日行われ、問題が発生した場合は何らかの方法でネットワーク管理者に通知されます。
ネットワーク監視を行う3つのメリット
ネットワーク障害による損失を抑えられる
定期的にネットワークの監視を行うことで、障害発生時に現状把握や問題の特定がしやすくなり、ネットワークの停止時間を最小限にとどめることができます。ネットワーク停止による社内業務の停滞を防ぎ、顧客への提供サービスやシステムの停止から復旧までに生じる利益の損失なども抑えられます。
メンテナンス・復旧などの管理業務の工数を削減できる
ネットワークに生じる問題を予兆の段階で検知し、障害の発生を未然に防ぐことも可能です。例えば、サーバーに負荷がかかっていることを検知した場合、アクセスを分散させるなどの対処を行うことで、サーバーの停止を回避できます。
さらに、常時監視体制で不審なアクセスをいち早く検出できるので、自社に仕掛けられたサイバー攻撃を早期発見できる可能性があります。
結果として、メンテナンスや復旧作業などの管理の手間が減り、工数削減につながります。
シャドーITを把握して対策をとれる
従業員の私用スマートフォンや、従業員が勝手にインストールしたアプリケーションなど、企業側が業務上での使用を把握できていないシャドーITの存在は、情報漏洩などのセキュリティリスクを高めます。ネットワーク監視を行えば、社内での通信の種類や量を把握できることから、シャドーITの存在を発見しやすくなります。
シャドーITについては、こちらで詳しく解説しています。
参照: 意外と知らない?ITトレンド用語 シャドーITとは
参照: リスクの高いシャドーITを把握 外部からのアクセスを安全なデバイスのみに限定するには
ネットワーク監視の対象と主な方法
サーバー機器やスイッチ、ルーターなどのネットワーク機器は、負荷がかかりすぎると熱が発生してパフォーマンスが低下してしまいます。また、物理的なケーブルの断線が原因で動作が停止することもあるでしょう。こういったハードウェア機器の状態を監視することで、障害時に異常のある部分を特定できます。ハードウェアの監視は目視で行う方法もありますが、見落としのリスクを考慮すると、ツールを用いるのが確実です。また、クラウドサービスやSaaSの出現によって、これらも監視対象に含まれるようになってきています。
死活監視
サーバーやネットワーク機器にコマンドを送信し、応答があるかどうかで稼働状況を判断することを死活監視といいます。汎用コマンドの「Ping」を送信して行われることが多いため、別名「Ping監視」とも呼ばれます。ただし、死活監視で判別できるのは「対象となる機器やシステムが停止していないか」ということのみです。
近年のトレンドになっているクラウドサービスやSaaSでは、稼働の程度やネットワーク回線の品質なども監視する必要があり、Ping監視だけでは不十分であることが分かってきています。ネットワークの詳しい状態を知りたい場合には、ほかの監視方法が必要です。
死活監視についてはこちらでも解説しています。
参照: 意外と知らない?ITトレンド用語 死活監視とは
状態監視
状態監視とは、サーバー機器やネットワーク周辺機器のメモリー容量、ハードウェア容量、処理速度などのリソースを監視することです。機器のCPU使用率やメモリーの使用率、ストレージの占有量などを監視し、パフォーマンスの低下を検知します。状態監視を行うことで、機器がダウンする前にリソースの変化に気づくことができるため、障害発生を予防できます。
トラフィック監視
トラフィック監視の対象は、ネットワーク回線の利用状況、混雑状況です。トラフィック監視を行うことで、回線が混雑する時間帯や混雑の原因を想定でき、設備の増強などの事前対策も可能となります。
従来に代わる新しいネットワーク監視に「お客さま体感品質モニタリング・スマート」
クラウドサービスの普及や、テレワーク・リモートワークの浸透に伴い、従業員など一人ひとりのエンドユーザーがストレスなく通信を利用できることが重要になりました。企業活動を円滑に進めていくためにも、従業員が利用するネットワークの品質を監視し、快適な接続を維持することが必要です。
これまでに解説したネットワーク監視を効率的に行うには、ツールの活用が必要不可欠です。社内ネットワークの通信品質を常にダッシュボード上で監視できるNTT Comの「お客さま体感品質モニタリング・スマート」なら、従来のPing監視に加えて、下記で紹介するような「エンドユーザーが体感している品質データ」まで把握することが可能です。
社内ネットワークにおける、こんなお悩みはありませんか?
通信速度が遅いことで、業務に必要なシステムやアプリケーションに接続しづらく支障が出るケースがあります。例えば、Microsoft Teamsなどのオンライン会議ツールを使用している際に音声が途切れたり、映像が乱れたりするといったトラブルです。
また、社内ネットワークによくあるお悩みとして「自社の従業員や顧客からネットワーク接続の不具合に関する問い合わせが来ても、具体的にどの程度接続が遅いのかなどが分からず、適切な回答や対策ができない」ということがあります。
そのほか、ネットワーク上の問題が発生した際、原因の特定に時間がかかり、業務が長時間停止してしまうというお悩みもよく耳にします。
「お客さま体感品質モニタリング・スマート」でICT環境のボトルネックを可視化!
「お客さま体感品質モニタリング・スマート」では、従来型の監視では把握できなかったエンドユーザーの体感品質を可視化できます。通信速度が遅い場合、通信経路のどこで問題が発生しているのかを特定することが可能です。契約回線や接続機器はどのようなサービスを利用していても監視が可能で、テレワークなど多様化している業務形態にも対応できます。
1ライセンスから導入が可能なのでハードルも低い!
さらに「お客さま体感品質モニタリング・スマート」は、契約における最低ライセンス数がなく、1ライセンスから手軽に導入可能です。また、利用規模に合わせて導入範囲の増減ができ、コストを最適化しながら運用できます。
導入事例
導入事例1:社内エンドユーザーからの申告に対する原因調査に利用
A社では「グループウェアへの接続が不安定」「ビデオ会議中に音声や画面が途切れて中断する」という不満が複数の従業員から上がっていましたが、従来型のネットワーク監視では問題が見当たらず、解決に苦慮していました。そこで「お客さま体感品質モニタリング・スマート」を導入して状況を確認したところ、インターネットの通信自体ではなくクラウドプロキシーが原因であることがただちに特定されました。この事例では、ボトルネックとなっている部分を把握できたことで、すばやく適切な対応をとることができました。
導入事例2:ユーザーアクセス快適度を監視し、品質劣化の予兆を早期発見
B社では「お客さま体感品質モニタリング・スマート」を導入した結果、品質劣化の予兆を事前に監視して、トラブルを早期発見できるようになりました。まず、物理的に離れている各拠点の機器と社内ITシステムのアクセス品質を継続的に監視して、アクセス品質の劣化があればアラートで通知されるように初期設定を行いました。以降、アラートメール通知を受け取ったら、ダッシュボードで拠点、区間、時間帯など劣化発生の具体的な内容を確認し、発生箇所と頻度を把握して、対応の要否や最適な対応内容を決定できるようになりました。B社では、従来の監視ツールだけでは難しかった品質劣化の予兆を早期発見できるようになったことで、管理コスト削減につながっています。
まとめ
監視の方法には死活監視、状態監視などがありますが、効率よく実行するためには、複数の手法で常時監視を行えるシステムの導入がおすすめです。
「お客さま体感品質モニタリング・スマート」では、自社のネットワークを利用するエンドユーザーが体感する回線の品質や、ボトルネックなどの情報をダッシュボードで確認可能です。1ライセンスから導入可能で、手軽に使い始められます。ネットワーク監視を効率化して快適な業務環境を維持するために、導入を検討してみてはいかがでしょうか。