龍谷大学
自動応答システムの構築で
入試シーズンのお問い合わせ対応にかかる稼働を軽減、
利用者の利便性も大幅に向上
龍谷大学
入試部
課長
城地 和也 氏
「現在も毎月、NTT Comとの定例ミーティングを行い、稼働状況のフィードバックを受けることで、さらに精度の高い内容にアップデートできています。きめ細かいサポート体制には非常に満足しています」
課題
電話、メールの応対で繁忙期は超過勤務が常態化
DXによる業務効率化に向けて自動応答システムの導入へ
龍谷大学は、1639年に京都・西本願寺に設けられた「学寮」に始まる9学部、1短期大学部、10研究科を擁する総合大学だ。学生および教職員は、「自省利他」を行動哲学として地球規模で広がる課題に立ち向かい、社会の新しい可能性を追求。あらゆる「壁」や「違い」を乗り越えるために、「まごころ」を持ち、「人間・社会・自然」について深く考える人を育む教育をモットーとしている。
また、同大学では「DXによる業務効率化」を掲げており、学内でさまざまな施策を推し進めている。
「私たち入試部は受験生、保護者、高校の先生方からさまざまなお問い合わせをいただきます。特に入学試験やオープンキャンパスの時期には、電話やサイトのメールフォームからのお問い合わせが非常に多くなります。また、入学試験シーズンはお正月休みなどを挟むため、休暇明けの出勤日は10回線ある電話が鳴りっぱなしです。日中は電話応対に追われることから、通常業務を行うためにやむなく残業せざるをえない状況が常態化していました」と入試部の城地和也氏は課題を語る。
同大学では入試要項、入学手続きなどの印刷物に、よくある質問をまとめたFAQを掲載していたものの、繁忙期のお問い合わせが減ることはなかったという。「しかも問い合わせ内容の約8割が、FAQに記載されている定型の内容でした。この状況を打開し、入試部の働き方改革を推進する対策が急務となっており、定型の質問に回答できる自動応答システムの導入を検討することになったのです」(城地氏)
こうして、入試部では学内でのDXによる業務効率化の先駆けとなるパイロット事業をスタートさせた。
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対策
回答精度の高さ、手厚いサポート体制でサービスを選定
ナビダイヤルとCOTOHA Chat & FAQ®の連携で
時間外・休日の柔軟なお問い合わせ対応を実現
自動応答システムの導入に際し、入試部では複数サービスの比較検討を行い、結果的にNTT ComのAIチャットボット「COTOHA Chat & FAQ®」を選定する。これはQ&Aを登録するだけで簡単に自動応答システムが構築できるサービスだ。チャットボット、検索ボックス、お問い合わせフォームの多彩なユーザーインターフェースに対応しており、Webページにjava scriptを追加するだけで簡単に導入できる特長がある。
サービス選定の理由を城地氏は次のように語る。「他社サービスとの比較で際立っていたのは回答精度の高さです。質問の意図を読み取り、高精度の回答を実現する独自の意味検索エンジンが搭載されていることが導入の決め手となりました」。ちなみにCOTOHA Chat & FAQ®が搭載する意味検索エンジンは、キーワードでなく質問の「意味」を解釈、答えを探して的確に回答する技術だ。
加えて、もう1つ導入を後押しすることになったポイントがあった。「自動応対システムは導入するだけでは大きな効果は望めません。導入後も回答精度を高め、ステークホルダーの満足度を向上させるためにシステムを育てていくことが必須になります。このため、導入後に精緻な分析を行い、フィードバックをしてくれる手厚いサポート体制があったことも導入を決めた大きな理由です」(城地氏)
こうして、城地氏のチームはNTT Comと緊密に連携し、お問い合わせ対応業務の効率化を目指して、もともとあったWebページのお問い合わせフォームへのCOTOHA Chat & FAQ®設置から施策をスタートする。ここで一定の効果が得られたため、さらに情報検索の利便性を高めるために検索ボックスを追加で設置した。続いて「ナビダイヤル」とCOTOHA Chat & FAQ®との連携を図ることにより、時間外・休日の電話のお問い合わせを音声ガイダンスでサイトに案内する仕組みも実現した。
「やはり最初からすべての課題を解決しようとせずに、スモールスタートで利用者の反応、現場の効果を確認しながら、徐々にサービスの範囲を拡大していったことが良かったと思います。細かいところに気が利く、手が届く、お問い合わせする側も受ける側にもメリットのあるサービスが実現できました」(城地氏)
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効果
お問い合わせが1/3程度に減少、残業時間を3割削減
印刷物のFAQを廃止することでペーパーレス化にも貢献
現在、入試部では電話やお問い合わせフォームの投稿が導入前の1/3程度に減少、繁忙期のお問い合わせ対応に忙殺されることがなくなっているようだ。さらにナビダイヤルにより時間外や休日のお問い合わせを音声ガイダンスでお問い合わせフォーム、検索ボックスへ誘導することで相乗効果も生まれた。「終日、電話応対に追われる状況は改善できました。私が管理するチームでは残業時間が30%ほど削減できており、働き方改革にも貢献できたと思っています。あえてサイトのトップにお問い合わせフォーム、検索ボックスを置かなかったことで、入試に関する質問に絞って的確な応対ができるようになっています」(城地氏)
さらに入試要項や入学手続き書類といったガイドブックに掲載するFAQをすべて廃止、検索ボックスのQRコードのみを掲載したことで、ペーパーレス化に加え印刷コストの削減も実現している。「印刷物とは異なり、必要に応じてFAQを追加できるため格段に運用もしやすくなりました。受験生はスマホなどからサイトにアクセスするケースが主流なため、読ませるより検索できるシステムとする方がユーザーの利便性は向上したと考えます」(城地氏)
パイロット事業として確かな成果を出したが、今後は大学内への水平展開を構想している。「学内には学生からの問い合わせを受ける部署が多数あります。入試部と同じような課題を抱え、業務改善を検討している話を聞き、今回の施策の有効性の高さを説明しました。具体的な検討はこれからですが徐々に学内のDXによる業務効率化に貢献したいと考えています。また、入試部においては留学生からの問い合わせに対応するために、現行の自動応答システムの仕組みを多言語にアップデートしたい思いもあります。ITの世界は技術革新が著しいので、パートナーとしてNTT Comからの魅力的なご提案を期待しています」(城地氏)
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導入サービス
コンタクトセンターや社内の問い合わせ窓口において、人の代わりに応対するAIチャットボットサービス。独自の意味検索エンジンで、利用者が入力した質問の意図を読み取り、事前学習やチューニングなしでも約80%の回答精度*を実現。
* 自社調べ。回答精度を保証するものではありません。
龍谷大学
事業概要
寛永16年(1639年)、西本願寺に設けられた教育施設「学寮」を起源とする歴史ある総合大学。「真実を求め、真実に生き、真実を顕かにする」ことのできる人間育成を目的としている
URL
https://www.ryukoku.ac.jp/
(PDF形式/289 KB)
(掲載内容は2023年3月現在のものです)
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