共立建設株式会社
工事現場でのファイル共有の課題をクラウドで解決
働き方改革の推進など多くのベネフィットにつながる
共立建設株式会社
工事統括本部 i-コンストラクション推進室
室長
舟木 周次氏
「NTTコミュニケーションズには、導入後も利用状況を踏まえた利用活性化案を提示いただいているうえ、弊社が抱える課題に対しても改善案を示してもらえて助かっています」
課題
協力会社との図面や書類の共有が積年の課題に
工事現場から自社サーバーのファイル参照も困難
1956年の設立から、長年培われた高い技術力を強みとして、通信関連施設から商業関連施設、住宅施設、公共施設など、総合建設業として幅広い社会のニーズに柔軟に対応しているのが共立建設株式会社(以下、共立建設)である。
同社はテクノロジーの活用についても積極的であり、最先端のICTを用いて、幅広い分野で生産性の向上や施工の合理化を推進しているうえ、技術開発にも注力している。
この共立建設で課題となっていたのは、建設工事における図面や工事写真といった大容量ファイルの共有である。
建設工事では、複数の社内部門・多くの協力業者はもとより、施主・設計事務所などの方々が、さまざまなシーンで携わって協業して1つの建設物の完成を目指す。設計図や施工図といった図面、施工計画書や報告書といった書類、さらに工事記録写真や工程表などを共有する必要がある。しかしながら、そうした用途で利用できるシステムを整備できていなかったと、同社の舟木周次氏は振り返る。
「社内にファイルサーバーはありますが、そこに保存したファイルを別の企業と共有するということになれば、セキュリティ上の問題が生じます。さらにファイルサイズが大きいため、メールで送信することも困難です。このように、大容量ファイルをいかにセキュアに外部の方と共有するかは積年の課題となっていました」
同社のセキュリティポリシー上、オンプレミスで運用しているサーバー上のファイルを閲覧する際にはVPNで接続する必要がある。しかし工事現場において、VPNで接続するための通信環境を構築することは容易ではない。このため、社内にあるファイルを現場から閲覧することも困難だった。
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対策
ファイルをクラウド上に保存して協力会社と共有
セキュリティ面での安心感からサービスを選定
これらの課題をベンダーに相談していたところ、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)から提案されたのが「Box」だった。
提案を受けた際の印象として、舟木氏は「クラウド上でファイルを共有するため、メールなどでファイルを送信する必要がなく、現場でも容易に図面や資料を関連会社と共有できるのは非常に便利だと感じました」と語る。
Boxには社外のユーザーと容易にファイルを共有するための機能があり、これを利用すれば図面や各種書類、工事写真などを簡単に共有することが可能である。またインターネット経由でのアクセスに対応しているため、工事現場でも必要な図面や書類を参照できることも大きな利点だった。
さらにBoxは暗号化やアクセス権限の設定、ログの取得といったセキュリティのための機能を豊富に備えているうえ、国際的なセキュリティ規格にも準拠している。舟木氏はこのようにセキュリティに対して十分に配慮されていることが、サービス選定の大きなポイントになったと話す。
「共有する書類にはお客さまから預かっているものもあり、確実に保護することが求められます。そのセキュリティ面で安心感を得られたことが、Boxの導入を決断した最大のポイントです」
Boxの導入にあたり、NTT Comは各種設定やフォルダー構成に関してのコンサルテーションを行ったうえ、Boxの利用説明会も実施している。これによってスムーズに導入することができたと共立建設は評価している。また、導入後のNTT Comのサポートにも満足していると舟木氏は述べる。
「導入後も定期的に打ち合わせの場を設けていただき、共立建設の利用状況を踏まえた利用活性化案をご提示いただいています。さらに、弊社が抱える課題に対しても改善案を示してもらえて助かっています」
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効果
現場に続き、全社員の90%以上が業務にBoxを活用
外部システムとの連携により、完成図書登録の負担も軽減
まず工事現場からBoxの導入を始めたところ、すぐに多くの人たちに利用されるようになった。このBoxの展開においては、ファイルを置くためのフォルダーだけを作成し、そこに何を保存するかは現場任せとしたという。「どのように使うかを制限しなかったことは、導入が一気に進んだ大きな要因であると考えています。また使い方に関しても基本的な操作説明だけで、導入後は現場で自由に使ってもらうことにしました」(舟木氏)
さらに舟木氏は、協力会社と簡単にファイルを共有できたことも現場に受け入れられた大きな要因だったと続ける。
「セキュリティを担保しながら、フォルダーに協力会社を招待すれば情報が共有できる。工事が完了したら、共有を解除すればファイルが漏れることはない。そういった使い勝手が現場に受け入れられた一番のポイントでした」
当初は工事部門だけだったが、現在は他部門でも積極的にBoxが使われており、導入から3年が経過した時点で全社の90%の従業員が活用している。
さらに、現場監督の働き方改革にもBoxは貢献している。現場監督は現場でのさまざまな業務のほかに、店社との報告・各種会議、施主・設計事務所担当者との打ち合わせ、会議などの出席のため多くの移動時間を取られ、これが負担となっていた。しかしBoxに必要なファイルを保存・共有することで、移動のストレスなく、工事現場の事務所でさまざまな業務をリモートで行えるようになり、業務負担の大幅な軽減が果たせている。
さらに、工事完了後の「完成図書(契約書、竣工図、竣工写真、安全関係書類、検査記録など)」を保管・管理するためのシステムへの登録にも、Boxを活用している。
「完成図書のファイル登録作業を工事部門に依頼すると、新たな負担になってしまいます。そこでBoxに専用のフォルダーを作り、そこに保存するとシステムに完成図書が自動的に登録される仕組み(完成図書管理システム)をNTT Comの協力のもと構築しました。これにより、工事部門に負担をかけずに完成図書を一元管理する仕組みを整えられています。この完成図書管理システムには、基幹システムと連携が容易な日立ソリューションズ社の文書管理システム『活文 Contents Lifecycle Manager』(以下、活文)が使われています。ちなみに、弊社の完成図書管理システムはBoxと活文が連携した初めてのケースとのことです」(舟木氏)
社外との大容量ファイルの共有における課題を解決し、さらに働き方改革の推進にもBoxを役立てている共立建設の事例は、建設業界に携わる多くの企業にとって参考になるものだろう。
図 システム構成図
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共立建設株式会社
事業概要
1956年設立。NTT通信関連施設の新築・リニューアルから、集合住宅まで、幅広い分野の建設業務に携わり、多くの実績を積み重ねている。
URL
https://www.kyoritsu-con.co.jp
活文CLMの製品URL
https://www.hitachi-solutions.co.jp/katsubun/sp/clm/
(PDF形式/323KB)
(掲載内容は2022年2月現在のものです)
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