NTT情報ネットワーク総合研究所 企画部 情報システム・セキュリティ担当 担当部長 岩田 哲弥氏

NTT情報ネットワーク総合研究所
企画部
情報システム・セキュリティ担当
担当部長

岩田 哲弥氏

「今後はBox、Slackのみならず、DX推進のためにServiceNow、Power Platformなどとの連携も視野に、いかに使い分けていくかを考えています」

NTT情報ネットワーク総合研究所 情報システム・セキュリティ担当 担当課長 毛利 康宏氏

NTT情報ネットワーク総合研究所
企画部
情報システム・セキュリティ担当
担当課長

毛利 康宏氏

「NTT Comの対応はとても早くて丁寧です。Box導入後の運用保守でも的確な助言がもらえるので助かっています」

NTT情報ネットワーク総合研究所 企画部 情報システム・セキュリティ担当 担当課長 井上 正輝氏

NTT情報ネットワーク総合研究所
企画部
情報システム・セキュリティ担当
担当課長

井上 正輝氏

「いきなりBoxの全面展開も可能ですが、スモールスタートで段階的に進めた方が結果的にはスムーズに導入できます」

 

課題

所員の「敵」から所員に「寄り添う」情報システム担当へ意識を一新
先に導入したSlackと所内外ファイル共有システムの連携が急務に

NTTの研究開発は4つの総合研究所、知的財産センタがあり、配下には分野に特化した14の研究所がある。これらのIT環境を統括するのがNTT情報ネットワーク総合研究所 企画部 情報システム・セキュリティ担当だ。数年前に同部署に配属された担当部長の岩田哲弥氏は「なんてところに異動したんだ」と思ったという。「インシデントが起きるたびにIT環境のセキュリティが厳しくなり、比例して使い勝手が低下、それを主導する私の部署は完全に敵視されていたのです(笑)」

そんな危機感を受けて、同部署では所員に寄り添うIT環境づくりに方針を転換。所員のもとを訪ね、ヒアリングを行い、既存のIT環境の問題点を徹底的に洗い出していった。さらに、これまで各研究所でバラバラに利用申請していたサービスを同部署が一括して取りまとめるスキームを導入。緊密な情報連携に向けたWeb会議サービス、組織の壁を越えた柔軟な連携やグローバルパートナーとのオープンイノベーションに向けたコミュニケーションツール「Slack」などの速やかな展開を図っていった。「研究所の役割は世界をリードする先端的な技術により社会に革新をもたらすこと。既存の視野にとらわれず広く、先端的に思考する“アタマの力”が最も重要になります。しかし、セキュリティに縛られた従来の使い勝手の悪いIT環境は、所員の自由な思考の妨げになっていました。そこで私たちが主導して所員目線で新たなサービスを続々と導入していきました」(岩田氏)

ただし、新サービスの導入にあたり、なんでも野放しにしたわけではなかった。Slackが搭載するグループチャットは多彩なコンテンツをグループ間で共有できるが、あえて岩田氏はテキストおよび画像ファイルのみに限定した。「コンテンツ共有は、しっかりアクセス権限の制御をしないと後から取り返しがつかない事態を招いてしまうため、慎重にやる必要がありました。しかし、所内外のコンテンツ共有ニーズは非常に高いものがあり、必要性を痛いほど感じていたのも事実です」

すでにファイル共有システムはあったものの課題があったと語るのは同部署 担当課長の毛利康宏氏だ。「まさにセキュリティファーストの弊害で、とにかく使い勝手が悪いのです。使い方がわからない所員も多く、外部パートナーとの情報連携もままならない状態でした。しかも海外のパートナーがいるにも関わらず日本語のみの対応でした。そもそも業務系、研究系という2つのネットワークでSlackが動いているのですが、従来のファイル共有システムでは双方のシームレスな連携も困難でした。ここをどう見直すかが急務になっていたのです」

このページのトップへ

 

対策

世界的な導入実績、利便性&セキュリティを両立できるBoxを選定
導入パートナーはNTTグループの内情に精通したNTT Comを指名

Slackとの連携を前提とした、新たな所内外ファイル共有システムの検討はスタートした。既存ファイル共有システムの後継も視野に入れ、さまざまなサービスが比較検討されることになった。「検討前からBoxしかないという確信はありました。実際にほかサービスと比較してもSlackとの連携性、使い勝手、豊富なセキュリティ機能など、すべての条件を満たしていたのがBoxでした」(毛利氏)

ちなみにBoxとは、ストレージ容量無制限でファイル共有や業務アプリケーションとのシームレス連携を可能にする「コンテンツ・マネジメント・プラットフォーム」。さまざまなコンテンツの一元的な管理、共有により社内外のコラボレーションを活性化、業務効率の向上を実現するサービスだ。

既存ファイル共有システムとBoxの徹底比較も行った。すべての業務要件を洗い出し、Boxで代替できるか、従来と同等のセキュリティを担保できるかなどを定量的に調査、報告書にまとめた。毛利氏ともにプロジェクトを推進した担当課長の井上正輝氏は当時を振り返る。「オンプレミスこそ安全と考える層は、クラウド上にデータを置くことに抵抗を感じるものです。こうした方々を充分に納得させる安心材料が必要なので比較は徹底的にやりました。最終的には従来システムと同等のセキュリティを保ち、利便性も上がるということで周囲の合意を得て、本格的にBoxの導入を決めました」

導入パートナーはNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)を選定。NTTグループのセキュリティポリシーなどの内情を理解していることがポイントになった。こうしてBox導入プロジェクトはスタートを切る。「1段階目は所内外とのファイル送受信、2段階目は所内外のBoxフォルダ上での閲覧・編集、そして3段階目で機密性の高い情報のやりとりも含め、すべての研究所へ全面展開しました。細かい相談に乗ってもらい、親身に対応してくれたNTT Comのおかげもあり、約1年がかりのプロジェクトを計画通りに進めることができました」(毛利氏)

このページのトップへ

 

効果

SlackとBoxの連携で所内外の各種ファイルの安全な共有を実現
所員が率先して業務改革、DXに取り組める仕組みづくりに成功

現在、研究所および国内外のパートナーを含めると、約4,000IDのユーザーがBoxを利用。Slack上にハイパーリンクを張るだけで映像、画像、音声、ドキュメントなどの多様なファイルを共有できるようになっている。「UIがわかりやすく、直感的に操作できる点を高く評価しています。アクセス権制御、ログ監査などのセキュリティ機能も充実し、ヒューマンエラーも起きづらいので管理側としても安心です」(井上氏)

〇サービス導入イメージ

〇サービス導入イメージ
※Box標準のWeb GUIからファイルにアクセスするだけではなく、Slack上からBox上のファイルを選択し、ファイル共有を実現。

所内外からの情報システム担当に対する評判もうなぎのぼりだ。「Web会議サービス、Slack、今回のBox導入といったユーザーに尽くす一連の活動により、最近の情シスは本気だという話が各所から耳に入るようになりました。利用申請を巻き取ったことで各研究所の稼働も減り、私たちに対する所員の印象がポジティブに変化しています。私たちの稼働は増えるのですが、ぜんぜん苦には感じていません」(岩田氏)

電子署名サービス「Box Sign」によるペーパレス化などBoxには業務の自動化、効率化できる仕組みが多く搭載されており、今後は利用範囲を拡大していきたいと毛利氏は考えている。「ぜひ、Boxの先輩ユーザーであるNTT Comにはセミナーなどを通して業務改革、DXのタネ、所員の気づきにつながる新たな使い方を紹介していただきたいですね。まだまだNTTグループではクラウドストレージを認めていない会社が多く、先導して研究所がBoxを活用することで安全性、利便性をアピールしていきたいと考えています。NTT Comとしっかり手を組んで、NTTグループへの導入促進を呼びかけていきたいですね」

Boxが導入されたことで、ようやく先端的に思考する「アタマの力」を発揮するための基盤は完成した。DXとは上から押し付けるものではなく、各現場が創意工夫をしていくものだという持論を岩田氏は持っている。「所員にはプログラミングを難なくこなす人材が多く、BoxのAPIを利用して自らの業務を効率化する取り組みが加速してほしいと思っています。いずれは技術的な知見がない所員にまで裾野を拡大し、現場発の業務改革、DXという大きな波にしていくことが、私たちのこれからの使命です」

このページのトップへ

導入サービス

Box over VPN

100,000社以上の企業に選ばれている、クラウド・コンテンツ・マネジメントサービス。容量無制限で、あらゆる種類のファイルを保存できるうえ、社内外とのファイル共有も可能。インターネット接続に加え、よりセキュアなVPN接続や、日本国内のみにデータを保管できるプランも選択できる。

詳しくはこちら

無料トライアル

60日間無料トライアルを実施中!まずはお試しください。

お申し込み

Webまたは申込書でお申し込みいただけます。

NTT情報ネットワーク総合研究所

NTT情報ネットワーク総合研究所

事業概要
あらゆるモノを「つなぐ」情報ネットワークを構成する基盤技術とともに、持続可能で豊かな社会を創るための、革新的な通信技術や環境エネルギー技術の研究開発を推進している

URL
https://www.rd.ntt/inlab/


(掲載内容は2022年10月現在のものです)


関連リンク

注目の導入事例 最新のビジネスソリューション・ICT活用事例をご覧いただけます

このページのトップへ