NTTテクノクロス株式会社
新サービス「ISO楽!」の開発にクラウドストレージを活用
Box Platformで開発を迅速化し、コストを削減する
NTTテクノクロス株式会社
戦略ビジネス特区
主席コンサルタント
ISMS審査員補
伊藤 聡氏
「Boxの担当者も交えた打ち合わせなど、手厚いサポートを受けられたことで、安心してサービスの開発を進められました」
NTTテクノクロス株式会社
戦略ビジネス特区
主席コンサルタント
ISMS審査員補
北畠 國義氏
「Boxの機能を活用することで、お客さまにとっても使いやすいサービスを実現することができたと考えています」
課題
ISO関連のノウハウを生かした新たなサービスを構想も
ユーザー企業とファイル共有する環境の構築で課題が
NTTテクノクロス株式会社(以下、NTTテクノクロス)は、NTTソフトウェア株式会社とNTTアイティ株式会社が合併し、さらにNTTアドバンステクノロジ株式会社からメディア系技術の事業を譲受し、2017年4月に発足した企業である。日本電信電話株式会社の研究所で培われた最先端技術を利用し、カスタマーエクスペリエンスからワークスタイル変革、メディアなど、幅広いカテゴリのソリューションを展開している。
同社は、研究所の文書を扱う機会も多いことから、合併前から積極的に品質管理や情報セキュリティ管理に取り組んでおり、2004年にはISO9001(QMS:Quality Management System:品質マネジメントシステム)とISO27001(ISMS:Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム)、ISO14001(EMS:Environmental Management System:環境マネジメントシステム)の統合マネジメントシステムを国内で初めて導入。現在ではプライバシーマークを含めた4つの規格に拡張。ISO規格の取得・運用によって蓄積された知見やノウハウを活用し、同社ではISO 9001やISO 14001、ISO/ IEC27001、ISO45001、ISO27017、プライバシーマークなどの取得を支援するコンサルティングサービスを手がけている。
これに加え、新たなサービスとして企画されたのが、ISO/ IEC27001(以降ISMS)運用支援サービスである。
「ISO規格を新規に取得される場合、コンサルティングサービスを利用し、コストをかけて取り組むケースが少なくありません。しかし認証の更新においては、“コストを抑えつつ、ピンポイントで自分たちの悩みを解決したい”というニーズが多いのではないかと考え、それを支援する新たなクラウドサービスを始めることを検討していました」(NTTテクノクロス 戦略ビジネス特区 主席コンサルタント 伊藤聡氏)
新サービスでは、ユーザー企業の担当者がISO関連の文書をクラウド上に保存し、その内容をNTTテクノクロスのコンサルタントがチェックし、アドバイスなどを行う。ただしこのサービスの開発にあたっては、ファイルを保存するための環境の構築とコストがネックになった。
同社戦略ビジネス特区 主席コンサルタントの北畠國義氏は、ファイルの保存環境について、当初オープンソースソフトウェアの利用を検討していた。しかし、「サービスに合わせてオープンソースソフトウェアを改変した場合、ソースコードを開示しなければなりません。ソースコードにはビジネスやセキュリティ上の機密も含まれていることから、オープンソースの利用は断念しました」(北畠氏)と、断念することになった。
代案として検討されたのが、クラウド上にファイルを保存できるサービス「Box」の利用だ。しかし通常のBoxである「Box Core」を利用するにはBoxアカウントが必要で、利用者全員にライセンスを付与すると、安価にサービスを提供できなくなるという課題があった。
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対策
自社システムに「Box Platform」を組み込むことで
開発期間の短縮やサービスの低価格化を目指す
このような課題を解決するために、NTTテクノクロスが選んだのは「Box Platform」である。これはユーザーが独自に開発したシステムやアプリケーションに、Boxの機能を組み込むというもの。クラウド上にファイルを保存できるうえ、Boxが提供する各種機能をAPI経由で利用できるサービスである。
Box Platformは、ユーザーが開発したシステムで認証を行うため、Boxアカウントを持たないユーザーでも利用可能だ。さらに課金体系もデータ容量やデータ転送量など、利用したリソース量に応じた形となっている。伊藤氏は、こうしたBox Platformの仕様は、新たなサービスにとって好都合だったと評価する。
「このサービスでは、実際に一般のユーザーが利用する頻度はせいぜい月に1~2回程度に過ぎません。Box Coreの場合、利用頻度にかかわらずユーザー数分のアカウントを取得する必要がありますが、利用したリソース量に対する課金のBox Platformであれば、Box Coreよりもコストを抑えられます。この点は大きな魅力でした」(伊藤氏)
新たなサービスでのBox Platformの利用において、NTTテクノクロスがパートナーとして選定したのはNTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)だった。
NTT ComはBoxのプレミアパートナーの1社であるため、Box社とは連携しているうえ、Boxに関する多くのノウハウを持っている。北畠氏は「新サービスにおけるBox Platformの想定利用ケースをNTT Comに伝えたところ、迅速に精緻な見積もりを用意してくれた。その内容を元に社内での投資計画の立案を進められました」と、NTT Comの手厚いサポートを歓迎した。
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効果
時間とコストを抑えた、使い勝手の良いサービスが誕生
ISMSの認証更新における課題解決で顧客メリットを創出
Box Platformを選定して得られた一番のメリットは、システム開発の迅速化だ。北畠氏は「Box Platformには開発ですぐに使える部品が多数あり、それらを組み合わせることで文書管理のための仕組みを迅速に構築することができました。カスタムアプリの開発は必要ですが、コンテンツ管理に関するさまざまな機能を迅速にアプリに組み込めたため、時間とコストを抑えられました」と評価する。
開発においては、NTTテクノクロスとNTT Comの間で逐一コミュニケーションが図られていたうえ、Boxの担当者が同席するケースもあった。これらのサポートがあったことで、安心してBox Platformを利用できたという。
こうして開発されたサービスは、2020年12月に「ISO楽!」としてNTTテクノクロスからリリースされた。ISO楽は、クラウドにISMSの認証更新に必要な書類をアップロードすると、NTTテクノクロスのコンサルタントが文書内容のチェックを支援するというサービスで、担当者の負担を軽減するというもの。リソース量で課金を行うBox Platformのメリットを活かし、料金は月額30,000円~に抑えている(従業員規模50人以下の場合)。
今後のISO楽では、従業員へのISMSに関する理解度を高めるためのラーニングサービスの追加も予定されている。NTT Comもパートナーとして、進化し続けるサービスを支え続けていく。
図 ISO楽!サービスの構成図
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NTTテクノクロス株式会社
事業概要
「まじわる力で、みらいを創る」をコーポレートメッセージとして、NTT研究所の最先端技術をはじめ、国内外の優れた技術や商材を掛け合わせることにより、ビジネスシーンに最適なソリューションを創出。またAIの活用によって使いやすさや使い心地を追求し、驚きや喜びといったエモーショナルな満足まで得られるユーザーエクスペリエンスの実現を目指している。
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(掲載内容は2021年2月現在のものです)
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