株式会社イースト・グループ・ホールディングス
交通費精算にかかる時間を「70%」削減可能
事務作業の負担軽減で本業に集中できる環境を整備
株式会社イースト・グループ・ホールディングス
執行役員 経営企画部長
刑部 雅人氏
「Smart Goは経費精算の負担を軽減できるだけでなく、プラスアルファの価値があるサービスです」
課題
映像制作現場は移動が多く、
交通費の精算が従業員の大きな負担に
1973年の創業以来、『世界まるごとHOWマッチ』や『平成教育委員会』、『奇跡体験!アンビリバボー』、『スカッとジャパン』など、数多くの人気テレビ番組の制作を手がけてきたのが、イーストグループである。
2010年には持株会社化し、株式会社イースト・グループ・ホールディングスを中核に、テレビ番組の制作や映像メディア全般のコンテンツ制作を行う株式会社イースト・エンタテインメント、デジタルメディアを手がける株式会社イースト・ファクトリー、タレントマネジメント事業を展開する株式会社ノースプロダクション、そしてテレビ業界や映像コンテンツ業界に人材派遣を行っている株式会社ウエストで事業を展開している。
このイーストグループにおいて、悩みの種となっていたのが交通費の精算である。株式会社イースト・グループ・ホールディングスの執行役員 経営企画部長である刑部雅人氏は、映像制作の現場における交通費の精算業務の面倒さを、次のように語った。
「実際の撮影はすべてオフィス外で行うほか、映像素材を編集するために1日に何回も編集所に通うといったケースが結構あります。その移動にかかった交通費を一件ずつ入力しなければならないのが大きな負担となっていました。特に電車やバスを利用した移動では、領収書やレシートを受け取れないことがほとんどであるため、スケジュール帳の内容や記憶を頼りに精算することにならざるを得ません。彼らは撮影や編集で疲れて戻ってきて、経費精算を行うことになっているわけで、ミスが起きやすい環境にもあります」
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対策
ICカードリーダーを使わずにSuicaの利用履歴を取得
「メリットしかない!」とSmart Goを導入
現場における交通費精算の負担を軽減するため、イーストグループで導入が検討されたのは、交通系ICカードに対応した経費精算システムである。経費精算システムに対応したICカードリーダーを使い、交通系ICカードであるSuica内に記録された利用履歴を読み取り、手入力を省いて交通費を精算するというものである。
ただし、これには2つの問題があった。1つめは、Suicaに記録できる利用履歴はわずか20件であるということだ。20件を超えた分は自動的に削除されて読み取れなくなるため、こまめにICカードリーダーにかざして利用履歴を取り込む必要がある。これでは現場の負担が大きい。
2つめの問題は、ICカードリーダーの設置場所だった。刑部氏は「ICカードリーダーをオフィスに設置して、そこでICカードをかざしてもらうということになると、たとえば自宅の近くで撮影をやっていても、わざわざオフィスに戻ってSuicaをかざさなければならないということになり、これでは当社には向かないと判断しました」と話した。
このように検討が進められる中、イーストグループのニーズにマッチするサービスとして選ばれたのが、NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)の「Smart Go」だった。刑部氏はSmart Goのサービス提供を知らせるニュースリリースを見て「メリットしかない」と考え、早々に試験導入をスタートすることを決めた。
Smart Goは、スマートフォンをSuicaの代わりに利用できるアプリ「モバイルSuica」と連携し、利用履歴を自動的に取得するサービスだ。この利用履歴の取得は、モバイルSuicaの利用履歴が蓄積されるSuica専用サーバーと自動で連携できるため、ICカードリーダーを使って利用履歴を取り込む必要はない。さらに、ICカードのように記録できる利用履歴の上限がないこともメリットだ。
加えて、法人用クレジットカードを利用してチャージすれば、従業員の交通費精算の申請を不要にすることも可能である。申請漏れや入力ミスの問題もなくなるため、経理部門でのチェックの負担も大幅に軽減できる。
図 「Smart Go™」導入後の効果
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効果
交通費の精算業務は年351時間→106時間に
経理部門の年701時間に及ぶチェック作業も大幅に削減可能
刑部氏によれば、イーストグループにおける交通費精算の入力に要する時間は、1件あたり約45秒で、集計すると年間約351時間がその作業に費やされていたという(同社調べ)。しかしSmart Goを導入すれば、制作に携わった番組名と移動目的だけを入力すればよいため、申請のための入力時間は約106時間まで抑制できたという。つまり、入力時間は従来比で約70%削減できたことになる。経理部門においても、利用履歴を自動で取得したデータが連動されることで、チェック作業が大幅に削減されることは言うまでもない。
もしかすると、法人用クレジットカードでチャージされたモバイルSuicaが適切に利用されているかどうか不安に思うかもしれないが、Smart Goには適正利用か否かを判定する機能が用意されている。そのうえ、不正利用の可否を判断するチェック項目を、ユーザー企業ごとに細かく設定することも可能であり、適正利用かどうかの判断が半自動化できる。これなら安心して利用できるだろう。
刑部氏は最後に、Smart Goが事業に与える好影響について「私たちのグループの従業員の多くは、本業であるコンテンツ制作に夢を持ってこの業界に入ってきています。その人たちの事務作業の負担を軽減し、より多くの時間を本業に使えるようになれば、本人たちのキャリア形成においてプラスになりますし、当社のビジネスにも好影響を与えると考えています。その意味で、Smart Goは経費精算の負担を軽減できるだけでなく、プラスアルファの価値があるサービスだと感じています」と語った。
働き方改革関連法案が施行される中、多くの企業が業務の効率化に向けた取り組みを加速させている。Smart Goで交通費の精算にかかる負担を軽減することは、その一環として非常に有効といえるだろう。
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株式会社イースト・グループ・ホールディングス
事業概要
1973年の創業(株式会社イースト)以来、バラエティやドラマ、音楽、ドキュメンタリーなど、あらゆるジャンルのテレビ番組の企画・制作事業を展開する株式会社イースト・エンタテインメントを中核とする企業グループの持株会社。事業会社としては、株式会社イースト・エンタテインメントに加え、株式会社イースト・ファクトリー、株式会社ウエスト、株式会社ノースプロダクションがある。
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(掲載内容は2020年12月現在のものです)
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