株式会社NTTPCコミュニケーションズ
中小企業向けサービスのエキスパートとして、コールセンターの業務効率化に挑戦。
株式会社NTTPCコミュニケーションズ
テクノロジー&オペレーション開発本部
第一オペレーション開発部長
第二サービステクノロジー部長
経営企画部 情報プロセス推進室長(CISO)
土屋 学氏
「有人チャットに流れず、COTOHA Chat & FAQでお問い合わせが完結するケースが増えたというのが最も効果を実感していることです」
株式会社NTTPCコミュニケーションズ
テクノロジー&オペレーション開発本部
第一オペレーション開発部
カスタマフロント担当
野里 実加氏
課題
オペレーター人材確保が困難になっている昨今、品質を下げずに少ない人数でいかに運用するか
NTTグループにおける中小企業向けサービスのエキスパートとして、さまざまなネットワークサービスやホスティングサービスを提供してきたNTTPCコミュニケーションズ。近年では、ICT市場で話題となっているSD-WAN、モバイル、セキュリティ、IoT分野でのサービス開発やビジネスモデル構築にも積極的に取り組んでいる。
その一環として、インターネットサービス、ホスティングサービスの受付業務を行っているコールセンター部門の対応にも力を入れている。
「これまで電話もしくはメールでのお問い合わせ対応が中心でしたが、昨今の労働市場を鑑み、人材確保が難しくなっている背景を踏まえ、少ない人数でコールセンターの効率的な運用を図りたいと考えました」と、導入の背景を語る同社の土屋学氏は話す。同社は打ち手として、まず、昨年2017年の4月に有人チャットの導入からスタートさせていた。「1人のオペレーターで2~3名同時に応対が可能となることで生産性も2倍に向上しただけでなく、お客さまから好意的なコメントをいただくなど評価できる面もありました」(土屋氏)。
しかし、さまざまなお問い合わせが寄せられるコールセンターでは熟練した応対スキルが求められる。実際、有人チャットの導入にも関わらず、電話コール数が顕著に減少したわけではなかった。発信側のみならず受信側の時間も拘束してしまう電話のコール数を減らすだけでなく、応対品質を下げずに少ない体制で効率化を図れるか、といった課題にどのように対応するかが重要なテーマとなっていた。
さらに、「当然ですが、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなど、モバイルデバイスからお問い合わせいただくケースを想定しなければなりません」(土屋氏)と、利用者の利便性を重視するということも大前提にあった。
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対策
充実したサポート体制が決め手
迷わずCOTOHA Chat & FAQを導入
同社はそこで、AI(人工知能)チャットボットの活用に着目した。
同社では電話はもちろん、メール、有人チャットといった受付体制を用意していた。このうち有人チャットに、AIによる自動回答を導入することで応対品質の安定化と応対の効率化を図ろうと考えたのである。
「わたしたちコールセンターでは日々数多くのお問い合わせを受け付けており、この積み重ねは品質の高いFAQの構築に繋がっています。AIによる自動回答用にこのFAQのノウハウを活かせば、応対品質を下げずに、顧客満足につながるのではないかと考えました。しかも人材と異なり、応対スキルの育成にかける時間もコストも不要になるのです」と土屋氏は言う。
同社が採用したのはNTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)の「COTOHA Chat & FAQ」(以下、Chat&FAQ)である。Chat&FAQは、単語の表記だけでなく、入力した自然文の「意味」を理解して、データベースから適切な質問と答えを検索するだけでなく各種SNSとの連携が可能なチャットボットエンジンだ。
しかし、同様のサービスを展開している企業もある。Chat&FAQを選んだ決め手は何だったのだろうか。
「LINEに対応していて受付チャネルを増やせる点と、LINEで解決できなかった場合に有人チャットシステムにすぐさまエスカレーションできることが良かった」(野里氏)。土屋氏は「導入にあたっての提案力やサポート力ですね。例えば、お客さまに対する最初の問いかけから、どのようにFAQを絞り込みお客さまを誘導していくのか、最適なシナリオをつくる必要があります。さらに、小さなモニター画面でもわかりやすいよう要点を絞ることも大切です。そうした導入前のチューニング作業を丁寧に行っていただきました」と語る。
さらに、お客さまに親しみやすさを感じてもらえるよう、コミュニケーションの中にフランクな雑談を取り入れるなどのアドバイスも受けるなど、両社の信頼関係は深まっていく。導入後も充実したレポート機能などのサポート体制が変わらぬパートナーシップを継続しているようだ。
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効果
トライアルとして課題が見えたのが成果
トラブル時の活用など、意外な発見も
「有人チャットに流れず、Chat&FAQでお問い合わせが完結するケースが増えたというのが最も効果を実感していることです」と語る土屋氏。とは言え、現状はInfoSphereというインターネットサービスへのお問い合わせに限定してChat&FAQを採用している段階。今後は、WebARENAというホスティングサービスでの採用を予定しているとか。こちらはInfoSphereよりお問い合わせ数も圧倒的に多いため、大きな効果を期待しているそうだ。
「究極の目標は、メール・電話のお問い合わせをゼロにし、基本的にお問い合わせはチャットのみで完結させたいと考えています。AIによる対応を8割として、その他を有人チャットでカバーすることです」(土屋氏)という大きな目標を掲げる同社。応対オペレーションを効率化させつつ、サービスの品質向上を図っていく構えだ。
また、導入直後に起きた故障発生時にChat&FAQの想定外の活用法を見出したと言う。「実は故障が発生した際に、お客さまのお問い合わせログを調べていたところ、Chat&FAQでスムーズに解決できたというログが多数確認できました。弊社では、発生時に電話によるお問い合わせが殺到して回線がパンクするケースもあったのですが、こうした突発的なトラブル時に活用できるというのは副次的な発見でした」(土屋氏)
「トライアル的な意味合いで導入して課題が明確になってきたのが最大の成果」と土屋氏をはじめスタッフもPDCAサイクルにおいてFAQの最適化に余念のない様子。WebARENAをはじめ次のサービスへの採用で効果にフォーカスしていくと強調する。
『新しいものにチャレンジする』のがNTTPCコミュニケーションズのDNA。新しい技術やサービスに積極的に取り組み、その良さを引き出していきたいと語る同氏。「一定のサービス品質を継続できるのがAIの特性、FAQを充実させてより精度の高いシナリオとチューニングを行うのが人の役割。両者の能力を融合させながら、先進のオペレーションづくりにチャレンジしていく」そう語る土屋氏の視線の先には、常にお客さまの満足度向上という目標があるのだ。
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株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ
資本金
40億円
売上高
477億円(2018年3月期)
従業員数
613名(2018年3月末現在)
事業資格
電気通信事業者(届出番号:A-10-3022)
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(掲載内容は2018年10月現在のものです)
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