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丸紅情報システムズ株式会社

人の健康を見守るIoTで新たなインフラ創造へ
課題を共有し協働できる通信パートナーを選定

丸紅情報システムズ株式会社
丸紅情報システムズ株式会社 デジタルソリューション部 油井 準人氏

丸紅情報システムズ株式会社
デジタルソリューション部

油井 準人氏

「20年前にはスマホの普及を誰も想像できなかった。今のIoTはそういう位置づけです。気づいたら隣に頼れるIoTがいた。そういう世の中をつくっていきたいと考えています」

MBTリンク株式会社 代表取締役社長 梅田 智広氏

MBTリンク株式会社
代表取締役社長

梅田 智広氏

「医学および統計的な視点からビッグデータを解析し、解析結果から得られた必要なデータを取り入れ、項目を減らすためにも評価項目として重みの小さい不要なデータは削っていく。利便性を上げつつ、提供コストを下げることが広く普及する社会インフラの条件です」

 

課題

誰もが気軽に利用できる医療健康サービスの実現に向け高品質なモバイル通信の選定が欠かせない条件に

産業のITライフサイクル全般に対する幅広いソリューションを手がける丸紅情報システムズ株式会社(以下、丸紅情報システムズ)が、主軸事業の1つとして注力するのがモバイルソリューションの領域だ。「自社製品を企画・開発して市場にリリースしています。元々はIoTにつながるセンサー内蔵のビーコンのみを提供し、各種データを集約してサーバーにアップするゲートウェイは他社製品を利用していました。しかし仕様の標準化や省電力化が進んだことを受けて独自開発する流れになったのです」と同社デジタルソリューション部の油井準人氏は語る。

同社のIoTの取り組みを語る上で欠かせない存在が、奈良県立医科大学MBT研究所だ。2015年より同大学ではMBT(Medicine-Based Town)プロジェクトを推進。これは血圧、体温、体重などのバイタルデータをセンサーで収集し、健康状態を評価、病気の予兆を検知、医学の知見を生かして未病、健康寿命を延ばす「活気あるまちづくり」に向けた取り組みである。丸紅情報システムズは、このプロジェクトの立ち上げから技術面をサポートするパートナーとして参加している。

「バイタルデータに加え、温度、湿度といった環境データやGPSによる位置情報を収集できれば、より医学的な知見が生かせるという要望を受けて、新たなIoTゲートウェイ機器の開発に臨みました。こうして誕生したのがBLE(Bluetooth Low Energy)対応の多種多様なセンサーのデータと併せて環境データやGPS情報を収集できる『EasyupLink』です」と油井氏は語る。

EasyupLinkが開発されたことでMBTプロジェクトは大きく前進し、実製品を利用した実証試験を開始する。奈良県立医科大学MBT研究所副所長・教授であり、MBTリンク株式会社を立ち上げた梅田智広氏はその思いを語る。「大学の研究で終わるつもりはなく、きちんとまちに医療健康サービスとして実装するスタンスで進めています。電気、水道のような社会インフラとして普及させるためには、収集したデータをサーバーに継続して送信できる高品質なモバイル通信基盤が必須でした」

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対策

サービス化までの道のりを共に歩む通信パートナー
通信品質に加え実証試験の手厚いサポート力で選定

EasyupLinkを製品として提供するにあたり、大前提となるのはモバイル通信サービスの品質であった。EasyupLinkはNTTドコモ網につながる仕様であるため、その条件を満たす5社から最適なパートナーやサービスを絞り込み、NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)をパートナーに選定する。「私たちの目指すゴールや課題を共有し、同じ未来に進んでくれる“頼もしさ”を感じたことが最も大きな選定理由です」(油井氏)

NTT Comから提案を受けた「OCN モバイル ONE for Business」はIoT用途の活用に最適化されたモバイル通信サービスだ。法人向けサービスとしての独自回線を利用しているため、時間帯によって遅延が起こりやすいコンシューマー向けのサービスとは一線を画す通信品質の高さが強みとなっている。「通信品質の安心感がポイントになりました。加えてデータ量や料金などを決め打ちしたサービス提案が多かった中、実証試験の状況に応じて最適な通信基盤を作り込めるサービスであったことも評価しました」(油井氏)

実証試験の期間には、データ量を最適にチューニングすることが重要だ。その点についても、油井氏は評価する。

「データの使用量が読みづらい実証試験でも柔軟に対応できること。さらにMBTプロジェクトでは段階的にセンサー機器の拡充も行う計画ですので、将来的なバージョンアップの際に通信基盤を再構築しやすいこともメリットととらえています」(油井氏)

ちなみにOCN モバイル ONE for Businessには「ゼロコース/スタンバイコース」が用意されていて、ゼロコースは、開通月+2カ月間は無料でSIMを所有、その後はスタンバイコースに自動移行し、低廉な料金でSIMをストックしておくことができる。サービスの実稼働まで効率的に利用できる。

こうした経緯を経てEasyupLinkは製品化され、MBTプロジェクトの実証試験がスタートする。

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効果

高齢者から子どもまで多世代向けのサービス化が進行
ブームが拡大し国内外で新プロジェクトが続々と始動

MBTプロジェクトで実証試験を重ねた新たな健康医療サービス「MBTLINK」は、小型軽量のIoTゲートウェイとして提供される。自宅では体重計、体温計、血圧計などの計測データを収集、屋外に持ち出せば気圧、温度、湿度といった地域や季節によって変化する環境データも収集できる。GPSの位置情報で高齢者や子供の行動を見守れることも特長である。さらに奈良県立医科大学MBT研究所のクラウドサーバーに蓄積した個人データと環境データをクロスして医学的な見地から評価することで、利用者の健康管理や医師の診療に役立てることが可能になっている。

「健康な方がいつから始めても“絶対損のない”データを、手軽かつコストを抑えて着実に取れるパッケージとして提供したいと考えています。現在はヘルスケアの用途ですが、いずれは医療、介護などの用途にも拡大していく予定です。まちは子どもから学生、高齢者まで多世代で構成され、まちの生活にはさまざまなデータが存在します。最終的に目指しているのは収集、蓄積したビッグデータを活用した医療生活産業の活性化です」と梅田氏は展望を語る。

このパッケージが社会インフラとして広く普及することになれば、医療をベースにした健康で活気あるまちづくりが進んでいくだろう。いうまでもなく、安定してつながるモバイル通信の品質は前提条件だと梅田氏は考える。「不確かで使いにくいサービスが普及するのは困難です。確実にデータが収集できる通信品質は絶対に担保していきたいです」

この奈良県立医科大学MBT研究所発の「MBT LINK」を皮切りに、国内でさまざまな新規プロジェクトが立ち上がっている。建設業との連携による現場作業員の暑熱対策、住宅メーカーとの協業によるスマートハウスの実用化などが同時進行している状況だ。“課題先進国”と呼ばれる日本の課題を医学的な見地から解決へ導く取り組みは、海外からの協業オファーも多い。

丸紅情報システムズは、今後も多様なテクノロジーの観点からMBTプロジェクトを支えていく。そして、NTT Comも安全、確実につながるネットワークで両者との協業を続けていく。「サービスが広く普及するほど高い通信品質が担保されていることは重要になります。今後は閉域網利用なども視野に入れていますが、NTT Comは同じ課題を共有できるパートナーですので、一緒に未来へと突き進んでいきたいと考えています」と油井氏は締めくくる。

MBTプロジェクトが推進するIoTと医療を連携したまちづくり、そこにはどんな明るい未来が描かれるのだろうか。

■「EasyupLink」利用イメージ

「EasyupLink」利用イメージ

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丸紅情報システムズ株式会社

丸紅情報システムズ株式会社

事業概要
コンピュータ、ネットワーク、情報システムなどにおける最先端技術を基軸として、あらゆる産業のITライフサイクル全般に対するソリューションを提供。「Infinite Ideas」という企業コンセプトのもと「限りないアイデアで、新しいビジネスの価値を創造する会社」を目指している。

URL
https://www.marubeni-sys.com


 

 

 

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(掲載内容は2019年3月現在のものです)


 

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