データドリブンとは?データドリブンを成功に導く全知識と6つのITツール

近年、「データドリブン経営」や「データドリブンマーケティング」など、「データドリブン」という言葉が多くの場で使われるようになりました。近年よく使われる言葉ですが、「データドリブンの意味を理解していない」、「データドリブンを行うために必要なツールが分からない」という声をよく聞きます。

この記事では、データドリブンの基本知識、データドリブンを実行するためのステップ、データドリブンを支える強力なツールについてどこよりも詳しく解説します。この記事を読んでデータドリブンに取組み際の参考にして下さい。

1. データドリブンとは

データドリブン(Data Driven)とは、売上データやマーケティングデータ、WEB解析データなど、データに基づいて判断・アクションする事です。

以前より、ビジネスにおいて様々なデータに基づいて判断・アクションするということは行われていましたが、近年あらためて注目・重要視されています。

1.1. ビッグデータやデジタルマーケティング技術の発展

ビッグデータやデジタルマーケティング技術の発展に伴い、様々なデータを可視化することができるようになりました。企業は、可視化したデータを分析し、より費用対効果の高いアクションにつなげられるようになりました。費用対効果の高いアクションをとることができれば、それだけ売上拡大や利益率の改善につながります。

1.2. 顧客行動の複雑化

顧客行動が複雑化したことも、近年データドリブンが重要視される要因の1つです。下図のように、企業も個人もWEBとリアルを複雑に行き来して購買に進みます。「集客」→「見込み客化」→「顧客化」→「顧客維持・優良顧客化」というフェーズそれぞれに無数の選択肢があります。もはや、データなくしてどのアクションを選択すべきか、費用対効果を計るかが非常に困難になっているのです。

BtoBの成約までの流れ

BtoBの成約までの流れ

消費者の購買モデルの変化

消費者の購買モデルの変化

1.3. データ分析とアクションプランを立てられる人が必要

ビッグデータの時代でデータドリブンを実行していくには、「データサイエンティスト」や「アナリスト」、「データアーティスト」と呼ばれる人材のスキルが求められます。日本では人材が不足していますが、「データサイエンティスト協会」が発足されるなど、データ分析やデータ活用、マーケティングに強い人材を育成する仕組みもでき始めました。組織的に人材教育に力を入れる必要があります。

求められる主なスキル

  • ビジネスに関する深い知識
  • ロジカルシンキング
  • データ分析手法の知識
  • 統計学の知識
  • データベース、データ処理の基礎知識
  • マーケティング知識 など

1.4. 組織的な実行力も不可欠

せっかく分析する仕組みができても実行力がなくても元も子もありません。役員など経営層がデジタルマーケティングを理解していないがために、分析から導き出されたアクションプランを実行できないという話も良く聞かれます。企業全体でデジタル化に適応していく必要があります。

世界的なマーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラーは、「ワールド・マーケティング・サミット・ジャパン2015」で、「デジタル化するか、さもなくば死」とまで断言しています。

2. データドリブンを成功させる4つの基本ステップ

データドリブンとは、「様々なデータに基づき判断・アクションする事」というシンプルな意味ですが、実行し成功に導くことは簡単ではありません。この章では、データドリブンを成功させるためのステップについて詳しく解説します。この章を読んで、成功させるための基本ステップの理解を深めて下さい。

2.1. ステップ1:データの収集

データドリブンを行うには、まずデータを収集する仕組みが必要です。データ自体がないのであれば、POSシステムの導入や顧客管理システム(CRM)の導入などデータを作ることからはじめなければなりません。
IT化が進んだ現代では企業の中に多数のシステムがあります。そして多くの場合、企業内にデータが散在してしまっています。データドリブンの目的・優先度に従いデータを一元管理するDWH(データウェアハウス)を導入するなど、散在しているデータを収集・管理する仕組みが必要です。

2.2. ステップ2:データの可視化

次に行うべきことは、データの可視化です。データを収集・管理する仕組みがあっても、データを可視化する仕組みがなくてはデータの加工に多くの時間を取られてしまいます。BIツールやDMP、WEB解析ツールなどデータの集計や検索など、分析業務を手助けしてくれる仕組みを構築しましょう。

2.3. ステップ3:分析・アクションプランの検討

これでようやくデータを分析しアクションプランを検討する準備が整いました。データを活用した分析とアクションプランの検討は、スキルと経験を持った人間が行わなければなりません。先述しましたが、ビッグデータの時代でデータドリブンを実行していくには、「データサイエンティスト」や「アナリスト」、「データアーティスト」と呼ばれる人材のスキルが求められます。データから何かを導き出したり、判断したりする作業は、まだまだAIでも困難です。データドリブンを進めるには「人材」が不可欠です。

2.4. ステップ4:アクションプランの実行

最後は分析から導き出されたアクションプランの実行です。費用を掛けずに実行できるものもあれば、広告のように大きな費用が必要なものもあります。ここでポイントとなるのは、組織的にアクションプランを実行できるかどうかです。大きい企業になるほど縦割り組織となり実行に時間が掛かります。

また、組織の上の人間ほどデジタルマーケティングなど「現代のアクション」の重要性を理解していない事が多く、実行が許可されないケースがよく見受けられます。よって、CMOのようなデジタルマーケティングやデータ分析を理解し、かつ組織を統率し実行できる人材がマネジメント層に求められます。

2.5. 基本ステップのまとめ

このようにデータドリブンを実行していくには、「ITツール」+「人材」+「組織力」という3本柱が重要になるのです。
ITツールは費用を掛ければ導入できますが、人材と組織力は短期的にに築けるものではありません。タレントマネジメントなど中長期的な人事戦略もあわせて行っていく必要があります。

3. データドリブンを強力に支援する6つのツール

ここまでで、データドリブンの基本と実行ステップについて理解が進んだのではないでしょうか?この章では、データドリブンを支援する様々なITツールの概要を解説します。業務領域によってITツールが異なりますので、この章を読んで自社に必要なツールは何か検討して下さい。

データドリブンを支援するツール

3.1. DMP(データマネジメントプラットフォーム)

DMPとは、パブリックデータと呼ばれる外部企業が提供するビッグデータや社内の様々な情報を収集・分析しマーケティング施策につなげるためのプラットフォームのことです。
近年は、MA(マーケティングオートメーション)と領域が重なってきていますが、WEBを活用した集客や新規顧客の開拓といった領域で主に使われています。分析したデータを基にDSPなどWEB広告ツールと連携しアクションにつなげられることも大きな強みです。

TREASURE

TREASURE

3.2 MA(マーケティングオートメーション)

マーケティングオートメーションはマーケティングの作業およびワークフローを合理化・自動化・測定してくれるソフトウェアのことです。主に集客後の見込み客化・顧客化の領域で使われています。マーケティング領域の様々な分析機能およびマーケティングアクションを自動化する機能を持っています。近年、マーケティング活動を効率化するためのツールとして、多くの注目を集めています。

Kairos3

Kairos3

3.3. WEB解析ツール

WEB解析ツールとは、自社サイトのユーザー行動や検索エンジンでの結果を可視化・分析するためのツールです。PV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー数)、セッション数、インプレッション数(表示回数)、CTR(クリックスルー率)、Bounce Rate(直帰率)などを可視化してくれます。GoogleアナリティクスやAdobeアナリティクスなどの製品が有名です。

Adobeアナリティクス

Adobeアナリティクス

3.4. SFA(セールスフォースオートメーション)

SFAとは、営業チーム全体で営業のプロセスや進捗状況、ナレッジを共有・管理し営業活動全体を効率化するためのシステムです。別名「営業支援システム」とも呼ばれています。顧客管理や案件管理、日報など、主に営業マンが使う機能がメインですが、マネジメント層向けのレポーティング機能など、営業領域の分析を行う機能も持っています。
SFAを活用することで、部署や営業マン別のコール数、有効面会件数、成約率や商品別の成果など営業分析に必要なデータを可視化することができます。

顧客創造日報

顧客創造日報

3.5. CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)

CRMとは、個人名を特定できる顧客の基本情報や購買履歴、クレームなど顧客に紐づく様々な情報を管理するソフトウェアのことです。元々は「顧客との関係を管理するマネジメント手法」という意味の言葉ですが、近年では顧客情報を管理するソフトウェアも「CRM」と呼ばれています。CRMも顧客のセグメントやセグメント別の購入単価、ポイント使用率など顧客分析に必要な機能を保有しています。

Microsoft Dynamics CRM

Microsoft Dynamics CRM

3.6. セルフサービスBI

セルフサービスBIとは、エンドユーザー自身がその時々のニーズにあわせてデータ抽出やレポート作成、データ分析を行うことができるBIツールの事です。従来のBIツールは「定型レポート」が中心でしたが、セルフサービスBIは、非定型レポートやグラフィカルなUI、インタラクティブなデータ分析機能など、多くの機能を備えています。

先述したSFAやCRMは、営業分析や顧客分析に特化した仕組みです。近年、業務領域別に様々なツールがあるため、データや分析ツールが社内に散在している事が多くの企業で課題となっています。BIツールは業務領域を問わずデータと分析ツールを一元化できる事がメリットです。

ただし、一元的な仕組みを構築するには、安くても数百万円から1千万円以上は掛かります。優先度の高いものから構築することで費用を分散しましょう。

Microsoft Power BI

Microsoft Power BI

4. まとめ

この記事では、データドリブンの基本知識、データドリブンを実行するためのステップ、データドリブンを支える強力なツールについてどこよりも詳しく解説してきました。
データドリブンについて理解が深まったのではないでしょうか?
次は、自社の課題を整理して必要なツールの検討を進めて下さい。

データドリブンの実現には、自社に散在しているデータの収集、蓄積、管理、分析が必須です。しかし、フォーマットの異なるデータの統一や高いセキュリティを維持した蓄積、莫大なデータの抽出と分析など、実施には多くのハードルがあります。

そこでNTT Comでは、データの収集から可視化までのプロセスを一括で導入できるソリューションとして「Smart Data Platform(SDPF)」を提供しています。データ統合基盤として、社内のシステムとシームレスに接続を行い、GUI画面で簡単にデータの利活用が可能です。データ収集時は、NTT Comが提供する安全な通信によって保護され、セキュアなクラウドサーバーで蓄積保管します。

機械学習やAIシステムも搭載しており、データ分析に詳しい人材が居なくても簡単に分析・活用ができます。

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