大学がDX化を進めるべきメリット4選

更新日:2024/11/05
文部科学省では、「大学におけるデジタル活用の推進」の取り組みが行われており、デジタル技術を大胆に取り入れた環境整備が進められています。
既に大学でもDX化が進められているところもあると思いますが、そもそもDX化を進めることでどのようなメリットがあるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、DXの概要から大学がDX化を進めるメリット、注意すべきポイントまで詳しく解説します。
DXとは?わかりやすく解説
DXとは「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」の略称です。デジタル技術を活用することによって、人々の生活をより良い方向に変化するといった概念になります。
文部科学省では、DXに関するさまざまな取り組みをしていますが、その中の一例としてデジタル技術を活用して対面とオンラインのハイブリッドによる質の高い教育の推進などが進められています。
オンラインによる講義を受けられることで、大学までの距離が遠い生徒でも講義を受けられたり、海外の学生でも気軽に教育を受けられる機会を拡大できたりします。
DX化を進めることでこれまでになかった新しい教育へと変化させられるため、現在は国全体でDX化を進めるためにさまざまな取り組みが行われています。
大学がDX化を進めることで獲得することができる5つのメリット
大学がDX化を進めることで得られるメリットは、大きく分けて5つあります。
コスト削減
大学がDX化を進めることで、あらゆるコストの削減につながります。例えば運営システムを一元管理できれば事務手続きの負担が軽減できますし、必要最低限の人数で事務手続きを行えるので人件費の削減にもつながります。
また、学生にとっても費用の負担を抑えることができ、例えばデジタル配信や遠隔授業を行うことで、地理的条件を問わず講義を受けられるようになります。大学から自宅までの距離が遠くても気軽に講義を受けられるため、交通費や家賃などを抑えられるメリットがあります。
学生・教職員の状況可視化
DX化によって、学生や教職員の情報をデータベースに一元管理することで、視覚的にわかりやすく確認できる環境を整えられます。
紙ベースではそもそも探し出すのに時間がかかりますし、手書きでは確認しづらいこともあるので、このようなデメリットを解消できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
学生に提供できる教育の質の向上
学生にとって受講履歴や自分のレベルをデータで分析できるようになれば、簡単に分析ができるようになり、学習における課題も把握しやすくなります。
また、世界中で流行した新型コロナウイルスは、外出自粛などの影響によって大学の授業が受けられない問題も発生しました。実際にオンライン授業に対応できていなかった大学では学習ができないため、質を落としてしまうこともあったのです。しかし、DX化が進み、リモートでの講義を可能にできれば、自宅でも講義を受けられるので質を保つことができます。
その他にもVRなどの技術を活用することで、講義では再現が難しい教育等も体験できるようになります。これまで以上に教育の質を向上できるメリットもあるため、大学でもDX化を進めることは必要不可欠となっています。
DX化が進めば学生にとって大学の選択肢が広がる
学生にとってのメリットとして、DX化が進むことで通える大学の選択肢が広がることがあげられます。DX化が進めばオンライン講義が可能になるため、遠方の地域の学生でも講義が受けられるようになります。大学に通うために近くの地域に引っ越しをしたり、その費用の負担を考えて希望する大学を諦めたりする必要もなくなるため、学生にとっては選択の自由度が増します。
大学側にとっても、幅広い生徒を集められれば経営の安定にもつながるので、DX化によって柔軟に対応できるようになればどちらにとってもメリットを得られるのです。
学生たちにとっての教育の機会の幅が増える
DX化が進むことによって、学生たちに多様な教育機会を与えられるのもメリットの一つです。例えば大学に在籍している職員の講義だけではなく、企業や公的機関、有識者、海外の人にウェビナーで気軽に講義を受けられるようになります。
つまり、なかなか大学に足を運ぶことができない講師の講義も増やすことができるため、より専門的なことを学べる機会を増やせることになります。
このような機会を増やせるようになるのもDX化のメリットでもあり、学生たちにとっても得られるメリットは大きなものになります。
大学がDX化を進める際に注意すべき3つのポイント
最後に大学がDX化を進める際に注意しておきたいポイントについて紹介します。大きく分けると注意すべき項目は3つあります。
学生を対象としたDXとなっているか
DX化によって教職員の業務効率につながるのはもちろんですが、大学を利用するのは学生であるため、学生にとって本当に必要なDXの取り組みとなっているかが重要なポイントです。
例えば取り組むことで学生の利便性はどのくらいよくなるのかなど、学生本位の取り組みであることを確認したうえで実施しましょう。
初期コストのための予算を確保する
大学がDX化を進めるにあたっての課題としては、初期コストが大きくなる可能性が高いことです。特にこれまでDX化が全く進んでいない大学では、人材の獲得からシステム開発まで幅広い費用が必要です。
そのため、実際にDXに取り組むにあたってはどのくらいのコストが必要になるのか、DXに詳しい人材を獲得できるかなど計画性をもって取り組むことが大切です。
長期的に取り組む
DXの特徴としては、実際に取り組んでから効果が見えるようになるまで時間がかかることです。実際にオンライン講義を行うための環境整備にはそれほど時間がかかりませんが、今まで経験のない講義となるため、教職員が質の高い講義を実現できるようになるまでには時間がかかります。
そのため、短いスパンで効果がないからといって諦めるのではなく、課題を見つけたらその都度改善をしていくなど、長期的に取り組んでいくことが大切です。
実際の導入事例
教育現場でのDXが進み、各地で革新的な取り組みが行われています。以下に、具体的な事例をご紹介します。
- 広島県三次市では、全ての児童生徒に一人1台のタブレット端末(iPad)を貸与し、ICTを活用して学習支援を行うことで、多様な特性を持つ児童生徒が学力を確実に向上させることを目指しています。学習の記録やデータを継続的に収集・分析し、各自が振り返りに活用することで、最適化された学びの環境を整備します。
参照元:三次市学校ICT活用事業 - 教育委員会 - 三次市ホームページ
https://www.city.miyoshi.hiroshima.jp/site/education/3123.html - 京都大学の医学部では、VR技術を用いて非対面・非接触でも可能な臨床実習教材を企業と共同開発し、その教材を使用し仮想空間内で自分の手を動かしながら、身体診察の手技を学び、練習することができるようになっています。
参照元:京都大学
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2021-01-13 - 長崎北高校では、英作文の添削にChatGPTを活用しています。この取り組みにより、教員の業務負担を軽減し、生徒へのフィードバックを迅速化することを目指しています。特に、AIを使った添削は、学生の成長を支援する新たな方法として注目されています。
参照元:長崎北高で学ぶAI活用とそのガイドライン | AI総合研究所
https://www.ai-souken.com/case/465
まとめ
今回はDXの概要から大学がDX化を進めるべきメリット、取り組むにあたっての注意点について紹介しました。DXはビジネスの分野では浸透しつつありますが、現在では教育の分野でも浸透しています。文部科学省もDX化に着手するなど、国としても取り組んでいる内容なので、学校のDX化を進めたいと考えている方は、ぜひ取り組んでみてください。
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