ICT教育とは?メリット・デメリットも詳しく解説

ICT教育とは?メリット・デメリットも詳しく解説

公開日:2024/3/22

ICT教育は、これまでアナログで行っていた教育を、コンピュータやインターネットを活用してデジタル化したものを言います。この教育形態には、学習の効率化や教育現場の負担軽減など幅広いメリットがあるため、教育分野でも注目されているのです。

実際に授業で取り入れたいと考えている学校も多いかと思いますが、メリットの反面、デメリットも存在するので、ICT教育を成功させるには両方を把握しておく必要があります。

本記事では、ICT教育に興味を持つ学校向けに、ICT教育の概要からメリット、デメリットまで詳しく紹介するので、興味がある方はぜひチェックしてください。

ICT教育とは?わかりやすく解説

ICT教育とは、情報通信技術を活用した学習方法のことで、これまでアナログで行っていた教育を、コンピュータやインターネットを活用してデジタル化したものです。現在では多くの学校でICT教育が取り入れられており、具体的には電子黒板やパソコン、タブレット等を用いた授業が進められています。

そもそもICT教育が急速に広まった背景としては、新型コロナウイルス感染症の流行があげられます。文部科学省の「学校における主なICT環境の整備状況等の推移」を確認すると、「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」が新型コロナウイルス感染症の感染拡大の初期段階である令和2年3月が4.9であるのに対し、令和3年3月からは1.4へと急速に増えたことがわかります。

実際にコロナ禍を機にオンライン授業は増え、今では必要に応じて当たり前のように実施されるようになったのです。

ICT教育の5つのメリット

ここからはICT教育に興味を持つ学校向けに、5つのメリットを紹介します。

授業内容がわかりやすくなる

1つ目のメリットは、ICT教育を取り入れることで授業内容がわかりやすくなることです。

例えば、算数・数学において図形を描くケースでは、3Dモデリングソフトを活用すると、コンピュータ上で立体の図形を作ったり動かしたりすることが可能です。立体を画面上で確認できることで、形がどうなっているかイメージしやすくなるため、これまで以上に深く勉強できるようになります。

生徒は効率的に授業を受けられる

2つ目のメリットは、効率的に授業を受けられることです。

従来の授業では、先生が黒板に書いた内容を生徒がノートにまとめる授業スタイルが一般的でした。この方法では書き写すことに時間を取られるため、効率的とは言えません。

しかし、タブレットやパソコンを活用するICT教育では、授業において重要なポイントを先生が生徒へ送ることが可能です。これにより、ノートを取る時間が節約されて自分で考えたり、理解を深めたりする時間に使えるのです。

生徒全員に目配りが効く

3つ目のメリットは、生徒全員に目配りが効くことです。

ICT教育においてタブレットやパソコンのようなデジタルツールを活用することで、先生が生徒一人ひとりの学習進行状況や、理解度等を簡単にチェックできるようになります。

例えば、オンライン授業において生徒が課題に取り組んでいる場合、先生はその進行状況をリアルタイムでチェックできますし、質問や意見もデジタルデバイスを通し、普段あまり発言をしない内気な生徒の声も聞き逃すことがないため、全員に目配りが効くようになります。

特に生徒数が多い教室では、先生が一人ひとりに目を配ることが大変ですが、ICT教育なら全員へ目配りが効くようになるため、従来の授業スタイルにはないメリットと言えるでしょう。

パーソナライズ化された学習が可能

4つ目は、ICT教育がパーソナライズ化された学習を可能にすることです。

パーソナライズ化された学習は、生徒一人ひとりに合った方法で勉強をできるようにするやり方です。コンピュータやインターネットの力を活用し、先生は各生徒がどれだけ勉強が進んでいるかをチェックできます。そして、わからなかったり、悩んでいたりする生徒に対し、特別な教材や違う勉強方法で弱点を克服できるようサポートができます。

一律の授業では、限られた時間の中で行わなければならないため、生徒一人ひとりの学習進度、理解度等を個別にサポートすることは難しくなります。そのため、パーソナライズ化された学習を実現できるのは、ICT教育ならではのメリットとなります。

事務作業負担の軽減

5つ目のメリットは、先生の事務作業の負担を軽減できることです。

以前までは、保護者向けに送る連絡事項等は、紙のプリントで伝えるのが一般的でした。このような事務作業も先生が対応することがほとんどであり、印刷や配布に多くの手間がかかっていました。

しかし、ICT教育になることで、先生はデジタルデバイスを有効的に活用できるようになります。例えば、これまで紙のプリントの印刷や配布をしていましたが、デジタルデバイスを活用することで保護者へ一斉に送信できます。

また、連絡事項だけではなく、出席確認や健康状態チェック、アンケート実施等の事務作業もすべてデジタルデバイスで対応できるため、大幅に事務作業の負担を軽減できるようになります。負担や手間がなくなることで、先生は教育活動に集中できる時間を確保できるため、大きなメリットと言えます。

ICT教育のデメリット

ICT教育には幅広いメリットがありますが、デメリットの部分も存在します。ここからは、3つのデメリットを紹介するので、ICT教育を取り入れる学校は参考にしてください。

生徒に端末を準備する必要がある

1つ目のデメリットは、端末を準備する必要がある点です。

予算に余裕がある学校は問題ないですが、デジタル端末を生徒全員分準備するのには相当なコストが必要なので、学校の予算に大きな負担を与えるケースがあります。

また、デジタル端末のみならず、ネット環境の準備や、オンライン授業に必要な周辺機器等にもコストが発生するため、ICT教育で失敗しないためにはどのくらいの予算が必要になるのか計画的に進める必要があります。

故障などが発生する授業が進められない

2つ目のデメリットは、デジタル端末等の故障のリスクがあることです。

ICT教育ではパソコンやタブレットを用いた授業を行うため、これらの端末が故障してしまうと授業が進められない欠点があります。

授業がストップすると学習計画に影響が出るケースがあるため、ICT教育に取り組む学校は、万が一の故障等の問題が発生した際にどのように対応するかをあらかじめ準備しておく必要があります。

インターネット通信のための環境が必要

3つ目のデメリットは、インターネット通信のための環境整備が必要な点です。

ICT教育では、オンライン授業において資料を共有したり、WEB上で情報を検索したりすることがあります。インターネット通信が整っていないと、ICT教育をスムーズに進められず、逆に効率が悪くなってしまいます。

また、ただ単に環境を整えるだけではなく、十分な速度と安定性のあるインターネット環境が必要です。ICT教育の利点を活かすためには、デジタルデバイスのみならず、環境の構築も大切です。

まとめ

今回は、ICT教育の概要からメリット、デメリットについて解説しました。ICT教育は、アナログの授業からデジタル化へと変わるため、生徒のみならず教師にとっても学びやすく、負担を抑えることが可能になるでしょう。しかし、環境整備等にはコストの負担などいくつかデメリットもあるため、ICT教育を取り入れたい学校は、予算も検討しながら計画的に進めましょう。

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