教育DXのメリットとは?必要性や学校・生徒・保護者別で紹介

教育DXのメリットとは?必要性や学校・生徒・保護者別で紹介

公開日:2024/5/9

教育DXとは、デジタル技術を活用して教育システムを改革し、より効率的で効果的な学習方法を実現する取り組みのことです。

教育DXを実現できれば、従来までの全体教育の形から、生徒一人ひとりへの教育を実現できるようになり、学校や教職員の負担も減らすことが可能です。

本記事では、教育DXの必要性や、学校や生徒、保護者別でメリットを紹介するので、ぜひ参考にしてください。

教育DXが必要な理由とは?

教育の現場でDXが必要とされる背景には、下記3つの理由があります。

教育DXを文部科学省が推奨しているため

文部科学省では、新型コロナウイルスでの状況をきっかけに、仕事や教育など、様々な分野でデジタル技術の推奨をしています。その中でも教育の分野においては、下記3つの目標が立てられています。

  • 教育におけるデジタル化の推進
  • デジタル社会の早期実現に向けた研究開発
  • 「新たな日常」における文化芸術・スポーツ・行政DX

上記の「教育におけるデジタル化の推進」のGIGAスクール構想では、生徒一人につき一台の端末を提供しており、令和4年度末の段階で99.9%の自治体で整備が完了しています。

このように、文部科学省が教育DXに関する取り組みを推奨しているため、多くの学校で環境の整備が進められています。

デジタル社会を見据えた教育のため

現在の学生たちは、スマートフォンやパソコンなどのデジタル端末が当たり前にあるデジタルネイティブ世代と呼ばれています。そして、今後もスマートフォンやタブレットが常にある環境で育つ子どもたちが増えていき、今以上にデジタル技術やデータが普及した社会で生活する未来が予想されます。

このようなデジタル社会に適応するためには、高度なITリテラシーが必要になるため、そのためにも教育DXが必要です。

オンライン教育の推進のため

コロナ禍の影響により、学校や塾が休校になることが多くなりました。当時はリモートによる授業に多くの学校が苦労していたため、オンラインのリモート授業の重要性が高まったのです。

今後も同じようなことが発生するリスクも考えられるため、オンライン授業がスムーズに行えるような環境を整備するためにも教育DXの推進が大切となります。

教育DXがもたらす学校にとってのメリット

ここからは、教育DXがもたらす学校にとってのメリットをご紹介します。

生徒一人ひとりに合わせた教育を提供できる

1つ目のメリットは、生徒一人ひとりに合わせた教育を提供できることです。具体的には、デジタルツールとデータ分析を活用できることで、それぞれの生徒の学習スタイルや進度、理解度等を把握しやすくなります。これによって教職員は、生徒一人ひとりに合った教育が行えるようになります。

例えば、苦手な分野がある生徒に対しては、追加の練習問題に挑戦してもらったり、逆に得意な生徒には挑戦的な課題を与えたりすることも可能です。

教育DXによって個別化された教育は、従来の一斉授業では難しかった生徒一人ひとりのポテンシャルを最大限引き出すことが可能になります。

教職員の負担軽減

2つ目のメリットは、教職員の負担を軽減できることです。教職員がデジタルツールを活用できることで、教材の作成や授業計画が簡素化され、時間の節約につながります。

また、生徒の課題や練習問題等をデジタル化することで、自動採点や即時フィードバックも可能になります。これまでにあった生徒一人ひとりの採点やフィードバックを手動で行う作業が大幅に減るため、ハードワークと言われている教職員の負担の軽減につなげられます。

教育DXがもたらす生徒にとってのメリット

次に、教育DXがもたらす生徒にとってのメリットをご紹介します。

オンライン授業が受けやすくなる

1つ目のメリットは、オンライン授業が受けやすくなることです。

教育DXが進展することで、地理的な制約がなくなり、リモートの授業が受けやすくなります。どこにいてもインターネットがあれば授業に参加できる環境が整うため、遠方に住んでいる生徒や、何らかの理由で学校に通えない生徒でも授業が受けやすくなります。

また、コロナ禍のような全ての生徒が学校に通えない状況でも授業が可能になるため、勉強に遅れが出ないのも魅力的な点と言えるでしょう。

生徒の勉強に対するモチベーションを上げられる

2つ目のメリットは、生徒の勉強に対するモチベーションを上げられることです。

デジタルツールを活用した学習を取り入れることで、画像や動画、3Dモデルなどを活用した授業を簡単に実現できるようになります。教科書を見るだけでは理解しにくい問題も、デジタルツールを活用することでよりわかりやすく伝えることが可能になるため、生徒の興味、関心を高め学習に対するモチベーションを上げることができます。

また、わからない問題に関しても、デジタルツールを活用することで誰かに聞かなくても自分で調べて解決できるようになります。疑問を残したまま授業が進むことがないため、退屈になりにくい環境を提供できることは大きなメリットと言えるでしょう。

教育DXがもたらす保護者にとってのメリット

最後に、教育DXがもたらす保護者にとってのメリットをご紹介します。

学習進捗の把握が容易にできる

1つ目のメリットは、学習進捗の把握が容易にできることです。

教育DXを導入することで、保護者は子どもの学習進捗状況や理解度を、デジタルツールを活用してリアルタイムで確認できるようになります。ただし、学校側が学習状況を可視化するシステムを導入していることが条件ですが、導入していれば子どもが学校でどのように学んでいるのか、得意なことや苦手なことも一目でわかるようになります。

可視化ができれば、自宅でも保護者が子どもの苦手な部分のサポートができるなど、効率よく苦手を克服することも可能です。

その他にも可視化がされることにより、保護者は教育の場をより信頼して任せられるようになるのもメリットの一つと言えます。

学校とのコミュニケーションが便利になる

2つ目のメリットは、学校とのコミュニケーションが便利になることです。

教育DXによるデジタルツールの利用は、子どもたちの学習面におけるメリットだけではなく、保護者が学校とのコミュニケーションを取る際にも役立ちます。

例えば遅刻や欠席といった日常的な連絡から、緊急時の対応まで効率的に情報を交換できるようになります。従来は連絡網などがあり、保護者が別の保護者に連絡を回す方法が一般的でしたが、このような手間も教育DXによって簡素化されます。

その他、学校への各種書類の提出もオンラインで可能になるため、仕事で忙しい保護者も空いた時間を利用して書類の作成から提出まで気軽にできるのは大きなメリットと言えるでしょう。

教育DXは、学校だけではなく、生徒や保護者にとっても幅広いメリットを受けられるのです。

まとめ

今回は、教育DXの必要性とメリットについて紹介しました。教育DXは、学校にとってのメリットだけではなく、生徒や保護者など幅広いメリットがあるので、多くの学校で導入が進められています。今後は、デジタル社会が当たり前になることが予想されているため、まだ実現していない学校は、今のうちから実現に向けて準備しましょう。

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