入退室管理システムとは?認証方式やメリットを解説

入退室管理システムとは?認証方式やメリットを解説

公開日:2024/9/5

入退室管理システムを導入することは、企業のセキュリティ対策につながるメリットがあり、重要な役割を果たすことからあらゆる施設で導入が進んでいます。特に情報漏洩や内部不正のリスクが高まる中、入退室管理システムの導入はそれらを防ぐ効果もあるため、導入が不可欠のシステムとなっています。

本記事では、入退室管理システムとは何か、その役割や認証方式、そして導入によるメリットについて詳しく解説します。入退室管理システムの導入を検討している企業は、ぜひ参考にしてください。

入退室管理システムとは?

入退室管理システムとは、簡単に説明すると誰が、いつ、どの場所に入退室したかを管理するためのシステムです。監視カメラや認証デバイスでの本人確認、入退室履歴を記録するためのPC・サーバー・ソフトウェアなど、複数の要素を組み合わせて構成されるシステムのことを指しています。

入退室管理システムは、管理対象の部屋やエリアのドアに設置され、特定のユーザーだけが入退室できるよう権限を設定します。これにより施設内の特定のエリアへのアクセス制限ができるようになり、入退室の記録を専用ソフトウェアで簡単に管理できます。

このように入退室管理システムは、部外者の侵入を防止できるだけでなく、従業員の労働時間の把握や勤怠管理も可能になり、デジタル化も実現できるため多くの企業が導入を進めています。

入退室管理の役割

入退室管理システムの役割は、大きく分けると下記の2つがあります。

入退室権限の付与

1つ目の役割は、入退室権限の付与です。入退室管理システムは、企業内の各エリアにアクセスする際、個別に権限を付与することで不正な入室を防止する役割があります。

従来は、従業員の入退室、機密情報や高価な物品がある場所には警備員が常駐して出入りをチェックするのが一般的でした。しかし、人によるチェックでは、どうしてもミスが発生してしまうこともあるため、厳重な入退室管理をするという面では課題が残っていました。

このような問題は入退室管理システムが導入されることで、厳密なアクセス制御が可能になり、必ずしも人手に頼らなくても効率的かつセキュリティ対策がされた入退室管理の実現が可能になります。

入退室のログ管理

2つ目の役割は、入退室のログ管理です。入退室管理システムは、企業の内部統制強化を支える重要なツールであり、特にJ-SOX法(内部統制報告制度)の施工により、企業は業務手順の標準化や証跡の管理が求められるようになりました。この制度に対応するのが入退室管理システムであり、時刻や出入りした人物の情報など、詳細なログ管理が可能になります。

また、法的要件や規制に基づいて、一定期間以上のログを保存しなければならない場合でも、入退室管理システムがあれば安全に記録を保管することが可能です。

入退室管理システムの主な認証方式

入退室管理システムの主な認証方式は、ICカード、スマートフォン、生体認証の3点があります。下記ではそれぞれの概要について紹介します。

ICカード

1つ目に入退室管理システムで使用される認証方式は、ICカードです。

ICカードを用いた認証方式では、ドア付近に設置されたリーダーに非接触型ICカードをかざすことで解錠が行われます。リーダーがカード内の情報を読み取り、権限が付与されている場合は解錠される仕組みとなっています。

ICカードによる認証方式は、交通機関や電子マネーとして広く利用されているICカードを使用することが多いため、最も使い慣れた認証方式と言えます。また、暗証番号の入力が不要となるため、非接触型で衛生面の部分でもメリットがある認証方式です。

スマートフォン

2つ目に入退室管理システムで使用される認証方式は、スマートフォンです。

今や多くの人にとって欠かすことができないデバイスとなっているスマートフォンを使用することで、簡単に入退室を行うことができます。

スマートフォンは日常的に持ち歩くため、ICカードのように別途管理する必要がありません。利便性が高い点がメリットとしてあげられているため、多くの企業でも採用している認証方式です。

また、ICカードのように作成し、発行する手間もかからないため、業務効率化につながります。そして、紛失や未回収といったリスクも避けられるのがスマートフォンによる認証方式のメリットとも言えるでしょう。

生体認証

3つ目に入退室管理システムで使用される認証方式は、生体認証です。

生体認証は、顔や指紋、静脈など、人間が持つ生体的な特徴を利用した認証方式のことです。ICカードやスマートフォンと比べてもなりすましが難しく、高い安全性が評価されています。また、物理的なカギやカードが不要で、紛失のリスクがない点も生体認証の利点としてあげられます。

生体認証の中でも顔認証は、事前に登録された顔データと照合し、非接触で認証ができます。感染症対策としても有効な認証方式となっているため、ユーザーからのニーズが大幅に増加しています。

生体認証には幅広い認証方式がありますので、それぞれのオフィスや施設で最適なものを選択しましょう。

入退室管理システムを導入することで獲得できるメリット

入退室管理システムを導入することで獲得できるメリットは、下記の3つです。

不審者・部外者の侵入防止

1つ目のメリットは、不審者・部外者の侵入防止です。

入退室管理システムは、施設内に出入りする社員や取引先、清掃員などに対し、個別に入室権限を与えることができます。権限を与えられていない人は入室できない仕組みを作り上げることができるため、部外者はもちろん、不審者に侵入されるリスクを減らせます。

また、不正侵入を防ぐだけではなく、入退室者の行動をシステム上で追跡できるため、万が一トラブルが発生した際にも発生時刻や場所、その場にいた人物についても迅速に特定できるメリットがあります。

内部不正・情報漏洩の防止

2つ目のメリットは、内部不正や情報漏洩の防止です。

企業においては、コンプライアンスの順守が重要視されており、特に個人情報や企業の機密情報の流出は、SNSの影響で瞬時に企業の評判を損なうリスクがあります。

また、マイナンバー制度の導入もあり、個人情報の管理はさらに厳密に行う必要があるなど、内部不正や情報漏洩の防止対策が重要です。

入退室管理システムを導入すると、セキュリティが求められるエリアへのアクセスを特定の人のみに限定することができます。これにより、情報漏洩や内部不正のリスクを効果的に低減できるため、導入するだけでも企業のセキュリティレベルを向上させることが可能です。

セキュリティ対策コストの削減

3つ目のメリットは、セキュリティ対策コストの削減です。

従来のセキュリティ対策としては、警備員を配置する流れが一般的でした。しかし、これには人件費がかかりますし、必ずしもミスが発生しないとも言い切れません。

入退室管理システムは、あらゆる認証方式によって入退室の管理を行うことができ、警備に頼るよりも高い精度かつ低コストでセキュリティを強化できます。

特にセキュリティ対策によるコストを抑えたいと考えているなら、入退室管理システムの導入も一つの方法と言えるでしょう。

まとめ

今回は、入退室管理システムの概要から認証方式、メリットについて紹介しました。入退室管理システムといっても幅広い種類がありますので、目的や用途に応じて自社に適したものを導入しましょう。

NTTコミュニケーションズでは、入退室管理システムのSmart Me®を提供しています。物理的なカードをなくし、スマートフォンを入館証として使えるので、入退室管理システムの導入を検討されている方は、この機会にぜひご検討ください。